ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国貿易収支
・米国耐久財受注確報値
・米国製造業新規受注
・米国JOLTS求人件数
・米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
・カナダ中銀政策金利
2.要人発言
・政府、日銀
・FRB
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①円キャリー取引(促進or巻き戻し)、②米国労働市場、③米国経済成長、④インフレ、⑤地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は下落か、米積極利下げ観測が後退しドル一段高に(Bloomberg)
・【債券週間展望】長期金利低下か、早期利上げ観測緩和で長期債に買い(Bloomberg)
・【日本株週間展望】一進一退、エヌビディア通過も米雇用統計に警戒(Bloomberg)
5.本日の注目材料
(1)9/3(火)マーケット影響
・経済財政諮問会議での植田日銀総裁タカ派発言・資料提出報道→ドル円下落
・米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)→リスクオフ→ドル円下落
・米国ISM製造業仕入価格・雇用(強)→ドル円上昇
植田日銀総裁タカ発言やリスクオフの影響が強く反映されました。本日も下落優勢スタートを想定します。
(2)米国経済指標
本日の注目は米国JOLTS求人件数です。
8/23(金)ジャクソンホール会議の米国パウエルFRB議長講演において、9月利下げほぼ明言のハト派と労働市場減速懸念が示されました。
但し、利下げタイミングとペースはデータ次第であり、特に労働市場(雇用関連指標)の良し悪しで、9月0.50%大幅利下げ有無が決まると見られます。
前日米国ISM製造業雇用(強)を受けて(a)ドル円上昇しましたが、(b)ドル円下落も生じました。
よって、強いサプライズなければ指標結果でトレンドが続くより、一時的な反応に留まる可能性を考えたい。
9/3(火)
・米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)→ドル円下落
・米国ISM製造業仕入価格・雇用(強)→ドル円上昇
(a)強い数値→FRB9月0.5%利下げ織り込み剥落→ドル円上昇
(b)強い数値→FRB9月0.5%利下げ織り込み剥落→株下落(円キャリー巻き戻し)→ドル円下落
(c)弱い数値→FRB9月0.5%利下げ織り込み高進→ドル円下落
(d)弱い数値→FRB9月0.5%利下げ織り込み高進→株上昇(円キャリー促進)→ドル円上昇
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(発表日:8/2, 8/7, 8/15, 8/21, 8/28, 9/4, 9/6, 9/11, 9/18, 9/25)
1年以下:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
1~3年債:前回3500億円、予想3500億円、結果3500億円(○)
3~5年債:前回3750億円、予想3750億円、結果3750億円(○)
【考察】
発表前:据え置き期待の織り込み上昇。直前145.34
発表後:据え置き。上昇揉み合い。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国貿易収支
前回-731億ドル(改定-730)、予想-785億ドル、結果-788億ドル(×)
22:45 要人発言
カナダ中銀
政策金利:前回4.50%、予想4.25%、結果4.25%(○)
カナダ中銀が政策金利を4.25%に下げ、3会合連続-追加緩和を示唆(Bloomberg)
23:00 経済指標
米国耐久財受注確報値:設備投資の先行指標
前月比:前回9.9%(改定)、予想9.9%、結果9.8%(×)
コア前月比:前回-0.2%(改定-)、予想-0.2%、結果-0.2%(○)
23:00 経済指標
米国製造業新規受注
前月比:前回-3.3%(改定)、予想4.6%、結果5.0%(◎)
23:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 1/3, 1/30, 3/6, 4/2, 5/1, 6/4, 7/2, 7/30, 9/4)
(Bureau of Labor Statistics)
前回818.4万件(改定791.0)、予想812.0万件、結果767.3万件(×)
米求人件数、全てのエコノミスト予想下回る-2021年1月以来の低水準(Bloomberg)
【考察】
発表前:前日9/3(火)植田日銀総裁タカ派発言や米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)の影響継続し、揉み合い下落。直前144.79。
発表後:サプライズの弱い数値。日通し安値144.00へ急落から下落継続。
23:01~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:8/13, 8/23, 8/29, 9/4)
:政策スタンスはハト派。前回8/29派発言
アトランタ連銀総裁、雇用とインフレ目標へのリスクは均衡している(Bloomberg)
【考察】インフレに対する勝利宣言しないタカ派発言
25:00 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q2:前回2.0%、予想2.0%、結果2.1%(◎)
27:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。政策金利決定の材料とされるため注目度大
米地区連銀報告:経済活動は大半の地区で横ばい、ないし低下(Bloomberg)
【考察】経済活動低下。ドル円下落継続
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値145.50
取引開始直後に日通し高値145.56を付けると、前日植田日銀総裁タカ派発言や米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)を受けたリスクオフ(株売り、債券買い)の影響を引き継いで、日銀早期追加利上げ観測(円買い)とリスクオフ(株売り、債券買い、円買い)から日通し安値144.89へ急落。
一方、日銀国債買いオペ通知期待の織り込み・予想通り据え置きから、145.55へ全戻し上昇。
その後、材料交錯から引けに掛けてもみ合い。
(1H足下降チャネル継続)
【日本市況】株式が急落、米景気懸念にリスク回避の円高-金利は低下(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も、リスクオフ(株売り、債券買い、円買い)は続き、日通し安値144.76へ下落。
しかし、リスクオフ一服(株買い、債券売り)すると、切番145.00、日足BB-1σや4H足押し安値144.71付近からの押し目買い入り、ドル円もみ合い。
注目の米国JOLTS求人件数(弱)、米国ベージュブック(経済活動低下)を受けると、リスクオフ(株売り、債券買い、円買い)、9月FRB0.5%大幅利下げ観測高進から、引けに掛けて下落継続し日足安値143.71を付けました。
日足終値143.73
(4H足以下、下降トレンド)
【米国市況】円上昇、対ドル143円台-米大幅利下げ観測で金利急低下(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・9/3米国ISM製造業仕入価格・雇用(強)
・9/3米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)→リスクオフドル買い
・米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言
売り材料:
・9/3米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)→リスクオフ米国債買い
・米国JOLTS求人件数(弱)→リスクオフ米国債買い、9月FRB0.5%大幅利下げ観測高進
・米国ベージュブック:経済活動低下
・リビア産油再開合意が近いとの見方、米中景気減速懸念→原油先物価格下落
<円買い優勢>
買い材料:
・9/3経済財政諮問会議での植田日銀総裁タカ派発言・資料提出報道影響
・米国ISM製造業景気指数・新規受注(弱)→リスクオフ米国株下落
・米国JOLTS求人件数(弱)→リスクオフ米国株下落
・リビア産油再開合意が近いとの見方、米中景気減速懸念→原油先物価格下落
売り材料:
・日銀国債買いオペ通知据え置き
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回9月18日公表:25bps引き下げ62.0→55.0%、50bps引き下げ38.0→45.0%
年内利下げ観測:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:9月陰線形成中。上昇チャネル。20MA付近。
- 週足:9/2週、陰線形成中。下降トレンド。
- 日足:9/3陰線。レンジ。20MA付近。
- 4H足:レンジ。押し安値付近
- 1H足:下降チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足安値145.132付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値145.423
(B)4H足押し安値144.713付近へ下落→転換上昇→目標日足安値145.132
②Short
(C)1H足レンジ安値145.423をダウ下落→目標日足安値145.132
(D)日足安値145.132をダウ下落→目標4H足押し安値144.713
本日:2勝1敗、+42.8pips
9月通算:3勝3敗、勝率50.0%、RR2.09 、+44.4pips
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