ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・米国住宅価格指数
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数
・米国リッチモンド連銀製造業指数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米国5年債入札
２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FRB
３．その他
・五十日仲値
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）
４．参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引（促進or巻き戻し）に分類できます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
8:45～要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
（過去の発言：2/12, 2/20, 2/23(休場), 2/25）
：政策スタンスはハト派。前回2/23タカ派発言
米ＦＲＢ、利下げ再開にはより明確な情報必要＝シカゴ連銀総裁（Reuters）
【考察】利下げ慎重のタカ派発言
東京マーケット(9:00~15:30)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
11:24 要人発言
トランプ米政権、日蘭に対中半導体規制強化で圧力－東エレク株下落（Bloomberg）
【考察】景気減速懸念リスクオフ。日本株下落に連れてドル円急落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
18:20～要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
（過去の発言：11/13, 2/7, 2/14, 2/25）
：政策スタンスはタカ派。前回2/14タカ、ハト派発言
ダラス連銀総裁、短期資産の購入を推奨 －資産購入が再開された場合（Bloomberg）
【考察】QT減速や停止のタイミングに言及
23:00 経済指標
米国住宅価格指数
前月比：前回0.3%（改定0.4）、予想%、結果0.4%（○）
前期比：前回0.7%（改定0.9）、予想0.3%、結果1.4%（◎）
23:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格指数
前月比：前回0.41%（改定）、予想0.40%、結果0.52%（◎）
前年比：前回4.33%（改定4.35、予想4.41%、結果4.48%（◎）
23:56～要人発言
米財務長官、トランプ政権の目標は経済の再民営化－国債利回り低下へ（Bloomberg）
【考察】民間セクターはリセッション。ドル円下落。
24:00 経済指標
米国リッチモンド連銀製造業指数
基準0、前回-4、予想-3、結果6（◎）
24:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。2025年、米国景気減速懸念から平常時より注目度が上がっています。
前回104.1（改定105.3）、予想103.2、結果98.3（×）
【考察】米国消費者信頼感サプライズ（弱）。米国景気減速懸念リスクオフからドル円急落。
25:45～要人発言
米国バーFRB副議長
（過去の発言：9/26, 11/20, 2/18, 2/20, 2/25）
：政策スタンスは中立。前回2/20金融政策や経済見通しについてコメントなし。
FRBバー副議長、イェール大学で危機管理について講演（Investing.com）
【考察】経済見通しについてコメントなし。
26:48～要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
（過去の発言：1/9, 1/15, 2/5, 2/25）
：政策スタンスはタカ派。前回2/5タカ、ハト派発言
【考察】利下げ慎重のタカ派発言
27:00 経済指標
米国5年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
（過去の発表日：11/26, 12/24, 1/27）
発行額（Offering Amount）：700億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.330%、結果4.123%（◎）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.40倍、結果2.42倍（◎）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回62.8%、結果74.9%（◎）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回-0.6bps、結果-1.0bps（◎）。4.123-4.133=-0.01
WI：4.133%
【考察】入札好調。ドル円揉み合い。
27:35 報道
Ukraine agrees minerals deal with US（FINANCIAL TIMES）
【考察】地政学リスクオフ後退。ドル円揉み合い継続
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値149.69
取引開始後、2/24米国トランプ大統領「カナダ・メキシコ関税、予定通り」発言影響、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言、五十日仲値に向けた金融機関のドル吊り上げにより、日足高値150.30へ急上昇。
その後、仲値通過後の金融機関決済、米国トランプ政権「日蘭へ対中半導体規制強化圧力検討」報道を受けたリスクオフ日本株下落に連れて、日通し安値149.54へ急落。
しかしながら、米国の対中規制強化はある程度予想されていたためか、149.80まで持ち直して引けました。
【日本市況】株反落、対中規制やＡＩ需要を懸念－円小幅高、債券上昇（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープン直前、日通し安値149.20を付けましたが、欧州株上昇に連れて149.96へ上昇するも材料不足で乱高下。
NYオープン後、米国ベッセント財務長官「民間セクターはリセッション」発言、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数サプライズ（弱）が伝わると、米国景気減速懸念リスクオフ米国株急落、安全資産米国債買いに連れて日足安値148.56へ急落。
一方、リスクオフFRB利下げ観測から、米国株急落を押し目買いの機会と捉える投資家も多く、米国株上昇に連れたドル円上昇も交錯し、引けに掛け揉み合いとなりました。
日足終値149.03
【米国市況】円一時４カ月ぶり高値、株４日続落－消費者信頼感が悪化（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル売り優勢＞
買い材料：
・2/24米国トランプ大統領「カナダ・メキシコ関税、予定通り」発言影響→インフレ懸念
・五十日仲値に向けた金融機関のドル吊り上げ（149円台ドル需要想定か）
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言
売り材料：
・米国ベッセント財務長官「民間セクターはリセッション」発言→米国景気減速懸念リスクオフ安全資産米国債買い
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数サプライズ（弱）→米国景気減速懸念リスクオフ安全資産米国債買い
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
＜円買い優勢＞
買い材料：
・米国トランプ政権「日蘭へ対中半導体規制強化圧力検討」報道→景気減速懸念リスクオフ日本株下落（円キャリー巻き戻し）
・米国ベッセント財務長官「民間セクターはリセッション」発言→リスクオフ米国株急落
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数サプライズ（弱）→リスクオフ米国株急落
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
売り材料：
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回3月19日（水）公表：据え置き（96.0→95.5%）、0.25%引き下げ（4.0→4.5%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回3月19日（水）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：2月陰線形成中。上昇チャネル。20MA付近。
- 週足：2/24週、陽線形成中。下降トレンド。BB-1σかつ押し安値付近。
- 日足：2/24陽線。下降トレンド。BB-2σかつ押し安値付近。
→2/25、BB-2σかつ押し安値から反発ならBB-1σへ上昇、押し安値下抜けなら週足押し安値ヒゲ先へ下落想定。 - 4H足：下降チャネル。
- 1H足：レンジ。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ安値149.215付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値149.760
(B)4H足レンジ高値149.760をダウ上昇→目標4H足戻り高値150.467
②Short
(C)4H足押し安値149.566をダウ下落→目標4H足レンジ安値149.215
本日：１勝２敗、-14.9pips
2月通算：16勝11敗、勝率59.3%、RR1.98 、+304.9pips
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