ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本通関ベース貿易収支
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB
3.その他
・五十日仲値
・米国企業決算(NVIDIA)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
米国企業決算(NVIDIA)が注目されます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支(輸出額から輸入額を差し引いた収支)
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-2943億円(改定-2941)、予想-3900億円、結果-4612億円(×)
季調済:前回-1872億円(改定-2746)、予想-1400億円、結果-3577億円(×)
【考察】弱い数値。日銀追加利上げ観測後退。ドル円上昇。
東京マーケット(9:00~15:30)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
11:14 報道
「103万円の壁」引き上げを経済対策に明記、与党が国民民主と確認(Bloomberg)
【考察】財政悪化懸念。ドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
23:21 要人発言
ウクライナ、英国製ミサイルをロシア領内に初めて発射-当局者(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ。ドル円下落
24:00~要人発言
米国バーFRB副議長(Fed News & Events, Calendar)
(過去の発言:5/21, 9/10, 9/26, 11/20)
:政策スタンスは中立。前回9/26金融政策や経済見通しについてコメントなし。
【考察】金融政策や経済見通しについてコメントなし。
25:00~要人発言
米国クックFRB理事(Fed News & Events, Calendar)
(過去の発言:9/27, 10/1, 10/10, 11/20)
:政策スタンスは中立。前回10/10金利見通しについてはコメントなし。
クックFRB理事、「時間かけた利下げ適切に」-ペースはデータ次第(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。
26:12~要人発言の影響
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:10/2, 10/11, 10/23, 11/20)
:政策スタンスは中立。前回10/23経済見通しや金融政策についてコメントなし
ボウマンFRB理事、追加利下げは慎重に-インフレ抑制の進展鈍る(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。地政学リスクオフの影響強くドル円揉み合い。
27:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額(Offering Amount):160億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.590%、結果4.680%(×)
応札倍率Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.59倍、結果2.34倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回67.9%、結果69.5%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+1.6bps、結果+3.0bps(×)。4.680-4.650=0.030
WI:4.650%
(過去の発表:8/21, 9/17, 10/23, 11/20)
【考察】入札不調。ドル円上昇。
30:20 米国主要企業決算
NVIDIA
売上高:前回300億ドル、予想330.9億ドル、結果351.0億ドル(◎)
EPS:前回0.68ドル、予想0.75ドル、結果0.81ドル(◎)
(過去の発表:2/21, 5/22, 8/28, 11/20)
【決算速報】エヌビディア、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
【考察】強い決算。しかし、市場期待が高過ぎて時間外株価はSell the factの下落。ドル円は揉み合い。
30:48~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:10/8, 10/10, 11/15, 11/20)
:政策スタンスは中立。前回11/15ハト派発言
ボストン連銀総裁、追加利下げは必要-「最終的な行き先は不明」(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。ドル円下落
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.66
取引開始直後、日通し安値154.53を付けると、日本通関ベース貿易収支(弱)、五十日仲値に向けたドル需要、「103万円の壁」引き上げを経済対策に明記したことで財政悪化懸念、更に前日地政学リスクオフ(ウクライナ・ロシア)が一気に後退したことでリスクオフ継続を見込んでいたショートの損切を巻き込み、日通し高値155.39へ急上昇して引けました。
【日本市況】株反落、エヌビディア決算警戒-円は155円台に下落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も東京マーケットの流れを引き継いで日足高値155.89へ急上昇。
ウクライナが英国製ミサイルをロシア領内に初発射が伝わると地政学リスクオフで一時的にドル円下落しましたが、FRB要人のタカ派発言や米国20年債入札(弱)を受けて揉み合いで引けました。
日足終値155.43
【米国市況】S&P500ほぼ横ばい、エヌビディア決算警戒-ドル反発(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・五十日仲値に向けたドル需要
・米国20年債入札(弱)
売り材料:
・米国コリンズ・ボストン連銀総のハト派発言
・原油先物価格下落
<円売り優勢>
買い材料:
・ウクライナ:英国製ミサイル、ロシア領内に初発射→地政学リスクオフ
・原油先物価格下落
売り材料:
・日本通関ベース貿易収支(弱)
・11/19地政学リスクオフ(ウクライナ・ロシア)の巻き戻し
・「103万円の壁」引き上げを経済対策に明記:財政悪化懸念
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利450-475bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回12月18日(水)公表:据え置き41.1→48.0%、25bps引き下げ58.9→52.0%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:11月陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近。
- 週足:11/18週、陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近
- 日足:11/19下ヒゲピンバー。上昇チャネル。BB+1σ
- 4H足:レンジ。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値153.465付近へ下落→転換上昇→目標4H足逆三尊右肩154.094
(B)4H足戻り高値154.893をダウ上昇→目標1H足戻り高値155.271
②Short
(C)4H足戻り高値154.893付近へ上昇→転換下落→目標4H足逆三尊右肩154.094
(D)4H足逆三尊右肩154.094をダウ下落→目標4H足押し安値153.465
本日:1勝0敗、+27.8pips
11月通算:9勝9敗、勝率50.0%、RR2.01 、+136.6pips
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