ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国NY連銀製造業景気指数
・米国消費者物価指数(CPI)
・米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・五十日仲値
・米国主要企業決算
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ4倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国消費者物価指数です。
(2024年、米国消費者物価指数発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(発表日:12/4, 12/9, 12/13, 12/20, 12/25, 1/8, 1/15, 1/22, 1/28, 1/30)
1年以下:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
1~3年債:前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円(○)
3~5年債:前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円(○)
5~10年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
25年超債:前回750億円、予想750億円、結果750億円(○)
【考察】据え置き。
12:35 報道
米、TSMCなど半導体メーカーに対中規制強化を要請へ-関係者(Bloomberg)
【考察】米中貿易悪化→、世界景気後退懸念。ドル円下落。
13:21~要人発言
植田日銀総裁(全国地方銀行協会の新年の集いあいさつ)
(発言:11/29, 12/19, 12/25, 1/6, 1/15)
:前回1/6ハト派発言
植田日銀総裁、来週会合で利上げ判断と明言-市場観測強まり円高進行(Bloomberg)
【考察】1月日銀会合で利上げ検討のタカ派発言。ドル円急落。
14:58~要人発言
デフレ脱却へ適切な政策運営期待、次回日銀会合を注視=加藤財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。切番157.00付近から持ち直したところでドル円再下落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
20:52 米国主要企業決算
ウェルズ・ファーゴ
売上高:前回203.7億ドル、予想204.9億ドル、結果203.8億ドル(△)
EPS:前回1.42ドル、予想1.34ドル、結果1.42ドル(○)
【決算速報】ウェルズ・ファーゴ・アンド・カンパニー、売上高は予想を下回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
20:53 米国主要企業決算
JPモルガン・チェース
売上高:前回426.5億ドル、予想412.5億ドル、結果437.4億ドル(◎)
EPS:前回4.37ドル、予想3.95ドル、結果4.81ドル(◎)
【決算速報】JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
21:28 米国主要企業決算
ゴールドマン・サックス
売上高:前回127.0億ドル、予想121.5億ドル、結果138.7億ドル(◎)
EPS:前回8.40ドル、予想8.12ドル、結果11.95ドル(◎)
【決算速報】ゴールドマン・サックス、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
22:30 経済指標
米国NY連銀製造業景気指数
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
基準0、前回0.2(2.1)、予想2.2、結果-12.6(×)
22:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)(発表日; 1/11, 2/13, 3/12, 4/10, 5/15, 6/12, 7/11, 8/14, 9/11, 10/10 11/13, 12/11, 1/15)
FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。基本は「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.3%(改定)、予想0.4%、結果0.4%(○)
前年比:前回2.7%(改定)、予想2.9%、結果2.9%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(×)
コア前年比:前回3.3%、予想3.3%、結果3.2%(×)
米CPI、12月はコア指数が前月比0.2%上昇-インフレ鈍化示唆(Bloomberg)
【考察】
発表前:。直前157.02(日足上昇チャネル・20MA・押し安値156.86、切番157.00付近)。
発表後:強弱混在。総合指数(強)より注目度の高いコア指数(弱)に反応して、米国債利回り急落・ドル売り主導で日足安値155.94(切番156.00、4H足押し安値156.07付近)へ急落。
しかし、前日1/14(火)米国生産者物価指数(弱)と同じく、米国債利回り低下を好感した欧米株上昇(円キャリー促進)が支えとなり上昇。
23:24~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/3, 1/7, 1/9, 1/15)
:政策スタンスはタカ派。前回1/9金融政策の見通しについてコメントなし。
【考察】ハト派発言。ドル円下落。
22:03 米国主要企業決算
シティグループ
売上高:前回203.2億ドル、予想194.5億ドル、結果195.8億ドル(○)
EPS:前回1.51ドル、予想1.22ドル、結果1.34ドル(○)
【決算速報】シティグループ、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
24:25~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/3, 1/7, 1/9, 1/15)
:政策スタンスはタカ派。前回1/9金融政策の見通しについてコメントなし。
リッチモンド連銀総裁、CPIはインフレ2%目標達成への進展示唆(Bloomberg)
【考察】ハト、タカ派発言。ドル円揉み合い。
25:00~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2025年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/2, 12/20, 1/14, 1/15)
:政策スタンスは中立。前回1/14金融政策についてはコメントなし。
NY連銀総裁、ディスインフレは継続-2%目標にはまだ達していない(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。
25:41 報道
イスラエルとハマスがガザ停戦で合意-関係者(Bloomberg)
【考察】停戦合意は近いと連日報道のためサプライズなし。中東地政学リスクオフ後退。
26:07~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2025年FOMC投票権あり)
(過去の発言: 11/25, 12/3, 12/6, 1/10, 1/15)
:政策スタンスはハト派。前回1/10ハト派発言。
シカゴ連銀総裁、インフレは継続的に改善-ソフトランディングを楽観(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。ドル円下落。
28:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。政策金利決定の材料とされるため注目度大
米地区連銀報告:経済活動「わずかに、ないし緩やかに」上向いた(Bloomberg)
【考察】米国好景気期待。ドル円反応薄。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値158.04
取引開始直後に日足高値158.09を付けると、米国政府の半導体メーカーに対中規制強化要請報道を受けてドル円軟調。
更に、植田日銀総裁のタカ派発言を受けて日通し安値157.20へ急落し、切番157.00付近から持ち直したところで加藤財務相の円安牽制発言で引け直後から再びドル円下落に転じました。
【日本市況】円が上昇、日銀の利上げ観測強まる-債券は下落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も東京マーケットの流れを引き継いで日通し安値156.71(1H足上昇チャネル下限付近)へ下落しましたが、英国消費者物価指数(弱)を好感した欧州株上昇に連れてドル円もみ合い。
米国消費者物価指数は強弱混在でしたが、総合指数(強)より注目度の高いコア指数(弱)に反応して、米国債利回り急落・ドル売り主導で日足安値155.94(切番156.00、4H足押し安値156.07付近)へ急落。
しかし、前日1/14(火)米国生産者物価指数(弱)と同じく、米国債利回り低下を好感した欧米株上昇(円キャリー促進)や原油先物価格上昇が支えとなりドル円上昇・揉み合いで引けました。
日足終値156.47
【米国市況】円一時155円台に上昇、米CPIに反応-株・国債大幅高(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国消費者物価指数総合(強)
・米国ベージュブック:経済活動上向き
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
ロシア産原油輸送のタンカー、中国沖合での滞留が増加-米制裁強化で(Bloomberg)
売り材料:
・米国政府、半導体メーカーに対中規制強化要請報道→米中貿易戦争悪化、世界景気後退懸念
・米国消費者物価指数コア(弱)→米国債利回り低下
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言
<円買い優勢>
買い材料:
・植田日銀総裁のタカ派発言→1月日銀会合利上げ観測
・加藤財務相の円安牽制発言
売り材料:
・英国消費者物価指数(弱)→欧米国債利回り低下を好感した欧州株上昇(円キャリー促進)
・米国消費者物価指数コア(弱)→米国債利回り低下を好感した欧米株上昇(円キャリー促進)
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.9→97.3%)、0.25%引き下げ(2.1→2.7%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
・日銀:現行政策金利0.25%
市場織り込み
次回1月24日(金)公表:0.25%引き上げ(60→70%)
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:1月陽線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
- 週足:1/13週、陽線形成中。上昇トレンド。三尊右肩かつ戻り高値付近。
- 日足:1/14陽線。上昇チャネル。BB+1σ付近
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値157.776付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値158.135
(B)4H足レンジ高値158.135をダウ上昇→目標4H足レンジ高値158.550
②Short
(C)4H足レンジ高値158.550付近へ上昇→転換下落→目標4H足レンジ高値158.135
(D)4H足押し安値157.776をダウ下落→目標4H足押し安値157.439

本日:シナリオ外のためトレードなし
1月通算:5勝9敗、勝率35.7%、RR2.04 、-46.1pips

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