2024年9月13日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国輸入、輸出物価指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション

2.要人発言
・政府、日銀
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:9/7~9/19)につき

3.その他
・実質五十日仲値
・メジャーSQ
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤地政学リスクに分類できます。

5.本日の注目材料
(1)9/12(木)マーケット影響
米国生産者物価指数(強弱混在)、米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数(強)となりリスクオン・オフ交錯からドル円乱高下しながらも、米国30年債入札(強)をきっかけにFRB9月0.5%利下げ織り込みが再び進み、引け直前に日足安値141.73へ下落しました。

本日、この流れを引き継いでドル円下落スタートを想定しますが、市場コンセンサスFRB9月0.25%利下げながらも0.50%利下げの可能性も残っており乱高下しやすい。つまり、トレンドよりもチャネル状に推移すると考えます。

(2)米国経済指標
本日の注目は、米国輸入・輸出物価指数、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測です。

但し、9/11米国消費者物価指数、9/12米国生産者物価指数の様に、初動以降は乱高下する可能性があり、週末持越しを避けるためのポジション調整も交錯しやすいと考えます。

(a)強い数値→9月0.5%利下げ織り込み剥落→ドル円上昇
(b)強い数値→9月0.5%利下げ織り込み剥落→高金利長期化、景気減速懸念→リスクオフ株下落(円キャリー巻き戻し)→ドル円下落
(c)弱い数値→9月0.5%利下げ織り込み高進→ドル円下落
(d)弱い数値→9月0.5%利下げ織り込み高進→景気減速懸念後退→リスクオン株上昇(円キャリー促進)→ドル円上昇

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回0.1%(改定-)、予想-0.2%、結果-0.3%(○)
前年比:前回1.6%(改定1.7)、予想0.9%、結果0.8%(×)

米国輸出物価指数
前月比:前回0.7%(改定0.5)、予想-0.2%、結果-0.7%(×)
前年比:前回1.4%(改定1.2)、予想1.4%、結果-0.7%(×)

【考察】弱い数値。ドル円下落継続

23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(速報値発表日; 1/192/163/154/125/106/147/128/16, 9/13)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。

前回67.9、予想68.2、結果69.0(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.8%、予想2.8%、結果2.7%(×)
5年先:前回3.0%、予想3.0%、結果3.1%(◎)

【考察】総じて強い数値。

28:30 経済指標
IMM通貨先物9/10時点(Investing.com
円ロング増

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値141.83
9/12田村日銀審議委員タカ派発言で付けた143.04からの流れと米国30年債入札(強)以降の流れを引き継ぎ、取引開始直後に日通し高値141.88を付けると、FRB9月0.50%利下げ織り込み再開とリスクオフ(株売り、債券買い、ドル売り、円買い)により、日通し安値140.65へ急落。

しかし、4H足レンジ安値ヒゲ先かつ9/11日足安値140.71へのファーストトライで抜ける材料にならず、揉み合いで引けました。
(4H足レンジ安値ヒゲ先付近へ1H足下降トレンドで到達し、15M足レンジ形成)

【日本市況】円が高値更新、米大幅利下げ観測再燃-株反落し債券上昇(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープンすると、9/10~12と同じくリスクオン欧州株買いに連れて、141.41へ上昇。
ところが、株買い継続にも関わらず、債券・通貨主導のリスクオフやFRB9月0.50%利下げ織り込み促進(債券買い、ドル売り、円買い)に連れて日通し安値140.37へ急落。
更に、米国輸入・輸出物価指数(弱)を受けて日足安値140.28へ下落すると、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(強)で下げ止まり、揉み合いで引けました。
日足終値140.82
(4H足下降チャネル下限付近で1H足レンジ形成)

【米国市況】円今年の最高値、一時140円付近-米大幅利下げ観測が復活(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(強)

売り材料:
・FRB9月0.50%利下げ織り込み促進
・米国輸入、輸出物価指数(弱)

<円買い優勢>
買い材料:
・9/12田村日銀審議委員タカ派発言影響継続
・FRB9月0.50%利下げ織り込み促進→日米金利差縮小
・IMM通貨先物9/10時点:円ロング増
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化・株下落懸念(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回9月18日公表:25bps引き下げ72.0→55.0%、50bps引き下げ28.0→45.0%
年内利下げ観測:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:9月陰線形成中。レンジ。押し安値付近。
  • 週足:9/9週、コマ足陰線形成中。下降トレンド。
  • 日足:9/12陰線。レンジ下限かつ下降チャネル下限付近。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:下降トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ安値141.092付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値141.421
(B) (A)後、1H足レンジ安値141.421をダウ上昇→目標4H足押し安値141.939

②Short
(C)日足安値141.728をダウ下落→目標1H足レンジ安値141.421
(D)1H足レンジ安値141.421をダウ下落→目標4H足レンジ安値141.092

本日:1勝1敗、+13.7pips
9月通算:11勝8敗、勝率57.9%、RR2.08 、+151.5pips

(Trading View)

コメント

タイトルとURLをコピーしました