ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/15の欧米マーケット影響
米国小売売上高は弱い数値で初動日足安値149.53へ急落。しかし、同刻発表の他指標は総じて強く乱高下。米国鉱工業生産の弱い数値で下落するも、下値149円台は押し目買いも強く再び乱高下。
日足終値149.94
(2)経済指標
・米国生産者物価指数
・米国住宅着工、住宅建築許可件数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
・IMM通貨先物ポジション
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
最大の注目は米国生産者物価指数(PPI)、特にコア指数の注目度が高い。2/13米国消費者物価指数は強い数値でドル円急騰したことから、PPIも素直に総じて強い数値なら151円台手前への急騰もあり得ます。
一方、弱い数値ならサプライズが強くドル円急落見込み。但し、強弱混在する可能性もあることからドル円乱高下に警戒したい。
②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:11/10, 11/13, 11/14, 12/15, 1/19, 2/9, 2/14, 2/16)
「円安マイナス面を緩和しながらプラス面最大化が重要」
【考察】サプライズの実質円安容認発言。ドル円上昇。
8:51~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはハト派。前回2/9タカ派発言。
(過去の発言:12/15, 12/19, 1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16)
米インフレ率、2%に向かっているか明白でない-ボスティック総裁(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
東京マーケット(9:00~15:00)
11:10~要人発言
鈴木財務相(衆院財務金融委員会)
(過去の発言:11/10, 11/13, 11/14, 12/15, 1/19, 2/9, 2/14, 2/16)
為替の急激な変動好ましくない、円安のマイナス面を懸念-鈴木財務相(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言
11:49~要人発言
植田日銀総裁(衆院財務金融委員会)
(過去の発言:11/8, 11/9, 11/17, 11/27, 12/7, 12/19, 12/27, 1/4, 1/23, 2/6, 2/9, 2/16)
マイナス金利解除、春闘や景気回復の持続性などで判断-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】ハト派発言でドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目される。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっている。
件数:前回146.0万件(改定156.2)、予想147.1万件、結果133.1万件(×)
前月比:前回-4.3%(改定3.3)、予想0.5%、結果-14.8%(×)
米国住宅建築許可
件数:前回149.5万件(改定149.3)、予想151.8万件、結果147.0万件(×)
前月比:前回1.9%(改定1.8)、予想1.5%、結果-1.5%(×)
22:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)
(過去の発表日; 2/16, 3/15, 4/13, 5/11, 6/14, 7/13, 8/11, 9/14, 10/11, 11/15, 12/13, 1/12, 2/16)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回-0.1%(改定-0.2)、予想0.2%、結果0.3%(◎)
前年比:前回1.0%(改定)、予想0.6%、結果0.9%(○)
コア前月比:前回0.0%(改定-0.1)、予想0.1%、結果0.5%(◎)
コア前年比:前回1.8%(改定1.7)、予想1.7%、結果2.0%(◎)
米PPI、1月は総合とコアがともに予想上回る-インフレ根強く(Bloomberg)
【考察】
発表前:揉み合いから強い数値期待の織り込み上昇。直前150.35
発表後:総じて強い数値(対予想は全て強い数値。対前回は前年比のみ弱い、他は強い数値)
初動から上昇で日足高値150.65付け。
しかし、同刻発表の米国住宅着工・住宅建築許可件数は弱く、一気に4H足戻り高値150.60到達から戻り売り入り全戻し下落。
米国三連休前のロング勢ポジション調整や151円手前での政府日銀為替介入警戒感が高まった様子。
22:43~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはタカ派。前回2/12タカ派発言。
(過去の発言:12/19, 1/3, 1/5, 1/11, 2/7, 2/8, 2/12, 2/16)
リッチモンド連銀総裁、利下げ前の慎重姿勢をCPIは正当化(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。しかしドル円上昇続かず下落。米国三連休前にロング勢ポジション調整の可能性あり。
23:10~要人発言
米国バーFRB副議長(事前原稿)
:政策スタンスは中立。前回2/14タカ派発言。
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/17, 1/9, 2/14, 2/16)
バーFRB副議長、商業用不動産巡るリスクに当局は「細心の注意」(Bloomberg)
【考察】金利見通しに関する発言なし
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(過去の速報値発表日;2/10, 3/17, 4/14, 5/12, 6/16, 7/14, 8/11, 9/15, 10/13, 11/10, 12/8, 1/19, 2/16)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回79.0、予想80.0、結果79.6(△)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.9%、予想2.9%、結果3.0%(◎)
5年先:前回2.9%、予想2.8%、結果2.9%(○)
【考察】強弱混在。米国ミシガン大学消費者信頼感指数の弱い数値で下落
25:03~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはハト派。前回2/9タカ派発言
(過去の発言:11/3, 11/9, 11/10, 11/29, 12/15, 12/19, 1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16)
ボスティック総裁、夏の利下げ開始支持-データ次第で早まる可能性も(Bloomberg)
【考察】サプライズの利上げ前倒し示唆。ハト発言だがドル円上昇。米国三連休前ポジション調整の可能性あり。
25:33~報道
FEDウォッチャー、WSJ紙ニック・ティミラオス氏(WSJ)
「1月コアPCEは0.4%上昇の可能性高く、1年ぶりの最大伸びとなる見通し」
26:45~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回1/19はタカ派発言
(過去の発言:11/10, 11/15, 11/17, 11/30, 12/18, 1/19, 2/16)
サンフランシスコ連銀総裁、「まだ仕事ある」-物価安定の達成に向け(Bloomberg)
【考察】タカ派発言だがドル円下落。米国三連休前にロング勢ポジション調整の可能性あり。
29:30 経済指標
IMM通貨先物2/6時点(ポジション推移)
円ショート拡大
【考察】円売り材料
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.94
東京オープン前に日足安値149.83を付けた後、鈴木財務相の円安容認発言、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言、植田日銀総裁のハト派発言、株上昇リスクオンにより日通し高値150.37へ上昇。
きょうの国内市況(2月16日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前からは、注目の米国経済指標(特に生産者物価指数)を控えて揉み合い。
米国生産者物価指数は全て強い数値で日足高値150.65へ急上昇。しかし、同刻発表の米国住宅着工、住宅建築許可件数は弱く揉み合い展開から、米国三連休前ポジション調整のためか急上昇分は全戻し下落。
米国ミシガン大学消費者信頼感指数の弱い数値で下落からインフレ予測の強い数値で上昇。
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のハト派発言、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言に加え、米国三連休前ポジション調整もあり、引けに掛けて乱高下。
日足終値150.20
【米国市況】株・国債ともに下落、PPI上振れ-ドル一時150円65銭(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・2/16ドル売買交錯
ドル買い:米国ボスティック・アトランタ 連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁と米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言、米国生産者物価指数の強い数値、原油先物価格上昇
ドル売り:米国住宅着工・住宅建築許可件数の弱い数値、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のハト派発言
・2/16円売り優勢
円買い:鈴木財務相の円安牽制発言
円売り:鈴木財務相の円安容認発言と植田日銀総裁のハト派発言、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ10.5%、据え置き89.5%
5月1日公表:25bp引き下げ31.0%、据え置き66.2%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/12週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+2σ付近。
- 日足:2/15下ピンバー陰線。上昇トレンド。BB+2σ付近。
- 4H足:レンジ。20MA付近。
- 1H足:レンジ。20MA付近。
- 15M足:レンジ。BB+1σ付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス150.206をダウ上昇→目標4H足レジスタンス150.434
(B)4H足サポート149.531付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス149.818
②ショート
(C)4H足サポート149.818をダウ下落→目標4H足サポート149.531
2月通算:5勝7敗、勝率41.7%、獲得Pips +0.4
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