ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/14の欧米マーケット影響
米国生産者物価指数は強い数値で初動147.99へ上昇するも、同刻発表の米国小売売上高の弱い数値もあり、切番148.00付近での決済・戻り売り強く147.57へ急落。しかし、強い数値には変わりなく日通し高値148.04再上昇。3/12米国消費者物価指数と似た動き。
NYオープン直前、日銀マイナス金利解除調整報道により日足安値147.43へ急落。しかし、マイナス金利解除は織り込み済みであり押し目買いの機会となり日足高値148.36へ急上昇。原油先物価格上昇も上昇に寄与。
日足終値148.32
総じて、米国生産者物価指数の強い数値、原油先物価格上昇でドル円上昇、日銀マイナス金利解除調整報道でドル円下落は一時的で押し目買いの相場環境。
(2)経済指標
・米国NY連銀製造業景気指数
・米国輸入物価指数、輸出物価指数
・米国鉱工業生産指数、設備稼働率
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
(3)要人発言
・日銀金融政策決定会合ブラックアウト期間(開催2営業日前から:3/14~3/18)
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
(4)その他
・五十日仲値
・日本労働組合総連合会、春闘第1回回答集計結果公表
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は3点。
①日銀政策修正関連報道
3/13, 14は3月日銀政策修正観測関連報道が相次ぐもドル円下落は一時的で押し目買いの機会になってきた様子。本日もサプライズなければ、この傾向継続見込み。
②米国経済指標
初動強い数値ならドル円上昇、弱い数値ならドル円下落ですが、今週注目の米国消費者物価指数・生産者物価指数が共に強い数値だったことでドル円上昇優位の相場環境。よって、ドル円下落が生じても一時的で押し目買いが入りやすいと推測。
FRBが利下げ遅らせる理由、さらに増加-11月まで据え置き予想も(Bloomberg)
③中東地政学リスクオフ
軍事行動が活発になり原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすい。どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:44~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:12/15, 1/19, 2/9, 2/14, 2/16, 2/20, 2/22, 3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15)
:前回3/12デフレ脱却否定。
【考察】前回までのデフレ脱却否定から転換し、デフレ脱却発言。日銀政策修正観測であるものの、前日米国生産者物価指数の強い数値や五十日仲値に向けてのドル買い需要が強くドル円上昇。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
12:00~要人発言
翁政府税制調査会会長
日銀は今月マイナス金利解除も、春闘「思ったより強い」-翁百合氏(Bloomberg)
【考察】3月日銀会合でのマイナス金利解除示唆。ドル円下落。
15:52 報道
連合、春闘賃上げ5%超 中間集計、33年ぶり高水準(共同通信)
【考察】日銀政策修正観測。日通し安値148.03へ急落
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
20:59 報道
日銀、マイナス金利解除へ 17年ぶり利上げ、19日決定(共同通信)
【考察】日銀政策修正観測。マイナス金利解除は完全に織り込まれたためドル円下落なく上昇継続。マイナス金利解除後利上げ継続の報道なければドル円下落は期待薄か。
21:30 経済指標
米国NY連銀製造業景気指数
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
(過去の発表日; 1/16, 2/15, 3/15)
基準0、前回-2.4、予想-8.4、結果-20.9(×)
21:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回0.8%(改定-)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回-1.3%(改定-)、予想-%、結果-0.8%(◎)
米国輸出物価指数
前月比:前回0.8%(改定0.9)、予想0.2%、結果0.8%(○)
前年比:前回-2.4%(改定-2.2)、予想-%、結果-1.8%(◎)
22:15 経済指標
米国鉱工業生産指数
鉱工業部門の生産動向を数値化したもので景気実態を把握する速報性に優れることから注目度が高い。
:前回1/17は総じて強い数値でドル円上昇。
(過去の発表日; 1/17, 2/15, 3/15)
前回-0.1%(改定-0.5)、予想0.0%、結果0.1%(◎)
米国設備稼働率
生産能力に対する実際の生産量の比率。設備投資とインフレの先行指標であることから注目度高い。
前回78.5%(改定78.3)、予想78.4%、結果73.8%(×)
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(過去の速報値発表日;3/17, 4/14, 5/12, 6/16, 7/14, 8/11, 9/15, 10/13, 11/10, 12/8, 1/19, 2/16, 3/15)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回79.6、予想79.6、結果76.5(×)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.0%、予想3.1%、結果3.0%(△)
5年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.9%(○)
26:00 報道
日銀、マイナス金利解除へ 賃上げ拡大で17年ぶり利上げ(日本経済新聞)
【考察】日銀政策修正観測。マイナス金利解除は完全に織り込まれておりドル円反応薄。マイナス金利解除後利上げ継続の報道なければドル円下落は期待薄か。
28:30 経済指標
IMM通貨先物3/12時点(ポジション推移)
円ショート縮小
【考察】円買い材料
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値148.32
東京オープン前に鈴木財務相のデフレ脱却発言出たものの、前日米国生産者物価指数の強い数値や五十日仲値に向けてのドル買い需要が強く東京高値148.66(4H足戻り高値148.64付近)へ上昇。
その後、翁政府税制調査会会長の3月日銀会合マイナス金利解除示唆や春闘第1回集計発表を控え警戒感からロング勢決済入り東京安値148.25へ下落。
きょうの国内市況(3月15日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前に春闘の平均賃上げ率5%超報道で日通し安値148.03へ下落するも、切番148.00下抜けには材料不足かつ欧州勢は前日米国生産者物価指数を材料視し、日通し高値148.83へ急騰。前日同様、日銀政策関連報道でのドル円下落は一時的で押し目買いの機会は継続。
米国経済指標は強弱混在するも総じて強い数値で日足高値149.17(日足転換シグナルかつ20MA付近)へ上昇。原油先物価格高止まりもドル円上昇寄与。
日足終値149.06
【米国市況】株続落、ハイテクに売り-ドル149円付近でもみ合い(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:前日米国生産者物価の強い数値の影響継続、米国輸入物価指数・輸出物価指数、米国鉱工業生産指数、米国ミシガン大学インフレ予測の強い数値、原油先物価格高止まり
売り:米国NY連銀製造業景気指数、米国設備稼働率、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値の弱い数値
・円売り優勢
買い:鈴木財務相のデフレ脱却発言、翁政府税制調査会会長の3月日銀会合マイナス金利解除示唆、春闘の平均賃上げ率5%超報道、日銀マイナス金利解除報道
売り:日本株上昇、原油先物価格高止まり
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ1.0%、据え置き99.0%
5月1日公表:25bp引き下げ7.1%、据え置き92.9%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ52.9%、据え置き43.3%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:3/11週、陽線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近。押し目買い優勢と推測。
- 日足:3/14陽線。レンジ。よって3/15は20MAへ押し目買い優勢と推測。
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足ダウ高値かつチャネル下限147.941付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足ダウ高値148.320
(B) (A)後、4H足ダウ高値148.320をダウ上昇→目標4H足戻り高値148.637
②ショート
(C)4H足戻り高値148.637付近へ上昇をダウ転換下落→目標4H足ダウ高値148.320
3月通算:6勝2敗、勝率75.0%、獲得Pips +49.8
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