2025年1月30日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

注目材料

1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国実質GDP速報値第4四半期
・米国中古住宅販売成約指数
・ECB理事会

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・氷見野日銀副総裁
・米国トランプ大統領
・ラガルドECB総裁

3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。
・五十日仲値
・米国主要企業決算(特に、キャタピラー、アップル)
・月末ロンドンフィックス
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:30)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション
(発表日:12/412/912/1312/2012/251/81/15, 1/22, 1/28, 1/30)
5~10年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
25年超債:前回750億円、予想750億円、結果750億円(○)
物価連動債:前回600億円、予想500億円、結果500億円(○)

【考察】据え置き。

11:27 報道
旅客機が米首都空港近くでヘリと空中衝突、18人の遺体収容と報道(Bloomberg

【考察】

15:11~要人発言
氷見野日銀副総裁(日本銀行
(過去の発言:8/2810/10, 1/14, 1/30)
:前回1/14タカ、ハト派発言。
経済・物価見通し実現なら利上げ、正常化継続の方針-氷見野日銀副総裁(Bloomberg

【考察】タカ派発言。直前までのドル円急落で織り込み済のためかBuy the factの様な上昇。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

20:35 米国主要企業決算
キャタピラー
売上高:前回161.0億ドル、予想166.4億ドル、結果162.2億ドル(△)
EPS:前回5.17ドル、予想5.06ドル、結果5.14ドル(○)
【決算速報】キャタピラー、売上高は予想を下回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

22:15 経済指標
ECB理事会
(過去の速報発表日:1/253/74/116/67/189/1210/17, 12/12, 1/30)
政策金利:前回3.40%、予想3.15%、結果3.15%(○)
ECB声明:ハト派
ECB、4会合連続利下げ 一段の緩和排除せず(Reuters

【考察】予想通りの政策金利引き下げ。

22:56~要人発言
ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨(Reuters

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.3万件(改定)、予想22.4万件、結果20.7万件(◎)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回189.9万件(改定190.0)、予想190.2万件、結果185.8万件(◎)

22:30 経済指標
米国実質GDP速報値第4四半期(過去の発表日:6/277/258/299/2610/3011/27, 12/19
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いですが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回3.1%、予想2.7%、結果2.3%(×)
個人消費:前回3.7%、予想3.2%、結果4.2%(◎)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回1.9%、予想2.4%、結果2.2%(△)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.2%、予想2.5%、結果2.5%(○)

【考察】
発表前:大口投資家の月末ポジション調整(推測)で日通し安値153.96へ急落。直前153.98。
発表後:強弱混在。初動は米国個人消費・PCEコアデフレータ速報値(強)と同刻発表の米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数(強)を受けてドル円上昇するも、米国実質GDP・GDPデフレータ速報値(弱)で全戻し下落。

24:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比:前回2.2%(改定1.6)、予想0.1%、結果-5.5%(×)
前年比:前回5.6%(改定4.9)、予想4.1%、結果4.2%(○)

25:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。

29:37~要人発言
トランプ大統領、2月1日にカナダとメキシコに25%関税と表明(Bloomberg

【考察】インフレ懸念。但し1/21(火)発言通りでサプライズなし。

30:30 米国主要企業決算
アップル
売上高:前回949.0億ドル、予想1249.9億ドル、結果1243.0億ドル(△)
EPS:前回1.64ドル、予想2.36ドル、結果2.40ドル(◎)
【決算速報】アップル、売上高は予想を下回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.18
取引開始直後に日足高値155.24を付けると、大口投資家の月末ポジション調整(推測)、1/29FOMC政策金利据え置きを受けた米国トランプ大統領発言警戒や氷見野日銀副総裁タカ派発言警戒のためか、ドル売り円買い主導で日通し安値154.28へ急落。

氷見野日銀副総裁講演は警戒されていた通りのタカ派発言。直前までのドル円急落で織り込み済のためかBuy the factの様な上昇となり、揉み合いで引けました。
(五十日仲値のドル買い需要、日銀国債買い入れオペ通知、日本株上昇の影響見られず)

【日本市況】円上昇、FOMC通過で持ち高調整-日銀警戒で債券軟調(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、ドル円もみ合い継続していましたが再び大口投資家の月末ポジション調整(推測)のためか日通し安値153.96へ急落(欧州株上昇の影響なし)。

米国実質GDP速報値は強弱混在。初動は米国個人消費・PCEコアデフレータ速報値(強)と同刻発表の米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数(強)を受けてドル円上昇するも、米国実質GDP・GDPデフレータ速報値(弱)で全戻し下落。
更に月末ポジション調整(推測)も継続したためか日足安値153.79へ下落。
その後、引けに掛けて乱高下となりました。
日足終値154.28

【米国市況】株反発、堅調な個人消費が追い風-ドル一時153円台後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数(強)
・米国個人消費、PCEコアデフレータ速報値(強)
・米国トランプ大統領「カナダとメキシコに25%関税賦課」→インフレ懸念

売り材料:
・米国実質GDP、GDPデフレータ速報値(弱)

<円買い優勢>
買い材料:
・大口投資家の月末ポジション調整(推測)
・氷見野日銀副総裁のタカ派発言
・米国トランプ大統領「カナダとメキシコに25%関税賦課」→米国株下落(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回3月19日(水)公表:据え置き(77.2→82.0%)、0.25%引き下げ(22.6→18.0%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社
次回3月19日(水)公表:0.25%引き上げ(1→0%)

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:1月陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
  • 週足:1/27週、形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近。
  • 日足:1/29。下降トレンド、BB-2σ付近
  • 4H足:下降トレンド。
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。
  • 月足:1月陰線形成中。上昇トレンド。→上目線
  • 週足:1/27週、陰線形成中。上昇トレンド。ダウ高値へレジサポ付近→上目線
  • 日足:1/29陰線。下降チャネル、BB-1σ付近→下目線
  • 4H足:レンジ。20MA付近→方向感なし
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値155.426かつチャネル上限をダウ上昇→目標日足高値155.790

②Short
(B)1H足レンジ高値155.426かつチャネル上限付近へ上昇→転換下落→目標日足安値154.938
(C)日足安値154.938をダウ下落→目標1H足押し安値154.494

本日:1勝0敗、+33.7pips
1月通算:11勝14敗、勝率44.0%、RR1.98 、+21.8pips

(Trading View)

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