ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国中古住宅販売件数
・米国20年債入札
・米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
・カナダ中銀政策金利
2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・植田日銀総裁発言
・FRB
3.その他
・国際通貨基金(IMF)、世界銀行年次総会(10/21~26)
・主要20カ国・地域(G20)財務相、中央銀行総裁会議(10/23~24)
・米国主要企業決算
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
米国ベージュブックの注目度は高いですがドル円大きく動く材料にはなりにくいと考えます。
(2)植田日銀総裁発言
(a)151円台に乗ったことで円安牽制発言→ドル円下落
(b)日本政情不安、最近の日本株急落配慮から円安容認発言→ドル円急上昇
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:00~要人発言の影響
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:9/20, 9/24, 9/26, 9/30, 10/2, 10/11, 10/23)
:政策スタンスは中立。前回10/11経済見通しや金融政策についてコメントなし
【考察】経済や金融政策の見通しについてコメントなし
22:45 要人発言
カナダ中銀
政策金利:前回4.25%、予想3.75%、結果3.75%(○)
25:00~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:8/29, 10/2, 10/10, 10/22)
:政策スタンスはタカ派。前回10/10ハト、タカ派発言
【考察】経済や金融政策についてコメントなし。
23:00 経済指標
米国中古住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として米国新築住宅販売件数とともに重要。
件数:前回386万件(改定388)、予想389万件、結果384万件(×)
前月比:前回-2.5%(改定-2.0)、予想0.6%、結果-1.0%(△)
【考察】弱い数値。ドル円下落。
26:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額(Offering Amount):130億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.039%、結果4.590%(×)
応札倍率Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.51倍、結果2.59倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回65.1%、結果67.9%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+2.0bps、結果+1.6bps(◎)。4.590-4.574=0.016
WI:4.574%
【考察】入札好調。ドル円下落。
27:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。政策金利決定の材料とされるため注目度大
米地区連銀報告:経済活動は大半の地区で横ばい、消費まちまち(Bloomberg)
【考察】経済活動横ばい、インフレ緩和。11月FOMC0.25%利下げ確実で据え置きなしと判断されドル円下落継続。
28:04~要人発言
植田日銀総裁(国際通貨基金(IMF)講演)
(発言:9/3, 9/20, 9/24, 10/2, 10/18, 10/23)
:前回10/18不確実性高い発言
Governor Talks – Where is Japan on Inflation and Monetary Policy?(Governor Talks)
インフレ目標の持続的達成には「まだ時間必要」=日銀総裁(Reuters)
【考察】利上げ慎重ハト派、円キャリー牽制発言。ドル円上昇
29:06 米国主要企業決算
テスラ
売上高:前回255億ドル、予想254.0億ドル、結果251.8億ドル(×)
EPS:前回0.52ドル、予想0.60ドル、結果0.72ドル(◎)
【決算速報】テスラ、売上高は予想を下回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.06
取引開始直後に日通し安値151.03を付けると、前日までと同様にトランプトレード(但し、株売り発生)、日本衆議院選挙不透明感・政情不安に伴う日本トリプル安(株安、債券安、円安)、更に本日NYマーケット中の植田日銀総裁(国際通貨基金(IMF)講演)で早期追加利上げ示唆すれば日本株暴落に繋がるリスクもあることからハト派発言期待織り込みで、日通し高値152.27へ急騰して引けました。
日本株下落の円キャリー巻き戻しは見られず。
【日本市況】円安進み152円台、米金利高止まりでドル買い-株続落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も欧州株下落の円キャリー巻き戻しは見られず、東京マーケットの流れを引き継いで日足高値153.19へ急騰。
その後、米国中古住宅販売件数(弱)、米国20年債入札(強)、米国ベージュブックの経済活動横ばい・インフレ緩和を受け下落して引けました。
日足終値152.76
【米国市況】円が一時153円台に下落、テク株の下げきつい-金利上昇(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)影響:但し、株売り発生。Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏61.0%、ハリス氏37.6%。
売り材料:
・米国中古住宅販売件数(弱)
・米国20年債入札(強)
・米国ベージュブック:11月FOMC0.25%利下げ確実で据え置きなし観測
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
<円売り優勢>
買い材料:
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
売り材料:
・日本政情不安に伴うトリプル安(株安、債券安、円安)
・植田日銀総裁のハト派発言
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き7.5→7.6%、25bps引き下げ92.5→92.4%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:10月陽線形成中。レンジ。20MA~BB+1σ間。
- 週足:10/21週、陽線形成中。レンジ。20MA付近
- 日足:10/22陽線。上昇チャネル。
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:上昇チャネル。
- 15M足:上昇チャネル。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値150.629付近へ下落→転換上昇→目標4H足押し安値150.914
(B)4H足レンジ高値150.234付近へ下落→転換上昇→目標日足安値150.495
②Short
(C)4H足押し安値150.914かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足押し安値150.629
(D)日足安値150.495かつ4H足20MAをダウ下落→目標4H足レンジ高値150.234
本日:シナリオ外のためトレードなし
10月通算:16勝14敗、勝率53.3%、RR1.92 、+169.3pips
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