2024年10月24日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日本20年国債入札
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国PMI速報値
・米国新築住宅販売件数

2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB

3.その他
・国際通貨基金(IMF)、世界銀行年次総会(10/21~26)
・主要20カ国・地域(G20)財務相、中央銀行総裁会議(10/23~24)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数と米国PMI速報値です。
2024年9~10月、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数発表日のドル円動きまとめ

(a)米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)や米国PMI速報値(強)→ドル円上昇
(b)米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(弱)や米国PMI速報値(強)→ドル円急落

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

11:03~要人発言
青木官房副長官
投機的動向含め高い緊張感もってしっかり注視=円安で青木官房副長官(Reuters

【考察】円安牽制発言。ドル円下落。

11:13~要人発言
加藤財務相
(過去の発言:10/2, 10/7, 10/24)
足元は一方的で急速な動き、緊張感さらに高め為替動向を注視-財務相(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。ドル円下落

12:35 経済指標
日本20年債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:1兆円程度
最高落札利回り:前回1.703%、結果1.820%(×)
応札倍率:前回3.47倍、結果3.04倍(×)
テール:前回20銭、結果29銭(×)

【考察】入札不調。ドル円下落継続。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回24.1万件(改定24.2)、予想24.0万件、結果22.7万件(◎)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回186.7万件(改定186.9)、予想187.5万件、結果189.7万件(×)

【考察】強弱混在。ドル円乱高下から上昇

21:47~要人発言
米国ハマック・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/2, 10/24)
:政策スタンス。前回10/2金利見通しについてはコメントなし
米クリーブランド連銀総裁、インフレ抑制の任務まだ完了してない(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇

22:45 経済指標
米国PMI速報値
(速報値発表日:1/242/223/214/235/236/217/248/229/23, 10/24)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回46.6、予想47.5、結果47.8(◎)
サービス業:前回55.2、予想55.0、結果55.3(◎)
総合:前回54.0、予想54.1、結果54.3(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇。

23:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回71.6万件(改定70.9)、予想71.5万件、結果73.8万件(◎)
前月比:前回-4.7%(改定-2.3)、予想-0.4%、結果4.1%(◎)

【考察】強い数値。

27:23~要人発言
加藤財務相
(過去の発言:10/2, 10/7, 10/24)
「為替市場の過度な変動に注意を払う必要がある」

【考察】円安牽制発言。しかしドル円上昇

27:31~要人発言
植田日銀総裁
(発言:9/39/209/2410/210/18, 10/23, 10/24)
:前回10/23利上げ慎重ハト派、円キャリー牽制発言
日銀植田総裁、「時間的な余裕はある」-金融政策の判断について(Bloomberg

【考察】利上げ慎重ハト派発言。ドル円小幅上昇

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値152.69
取引開始直後に日足高値152.84を付けて揉み合いが続いていましたが、青木官房副長官と加藤財務相の円安牽制発言を受けて日通し安値152.11へ急落して引けました。
前日151円台から153円台へ急騰したことで円安牽制発言が相場の主要材料となった様子。

【日本市況】円上昇、財務相けん制で買い戻し-日経平均反発、債券高(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も東京マーケットの流れを引き継いで、日通し安値151.77へ下落。

その後、米国新規失業保険申請件数(強)、失業保険継続申請件数(弱)交錯するとドル円乱高下から上昇。
更に、米国ハマック・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言、米国PMI速報値(強)で152.34へ上昇するも、東京マーケットからの流れが強く再び下落に転じて日足安値151.56を付けて引けました。
日足終値151.83

【米国市況】S&P500反発、米国債売りが一服-ドル151円台後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ハマック・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言
・米国PMI速報値(強)、米国新築住宅販売件数(強)
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)影響:Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏59.0%、ハリス氏39.9%。

売り材料:

<円買い優勢>
買い材料:
・青木官房副長官、加藤財務相の円安牽制発言
・日本20年債入札(弱)

売り材料:
・植田日銀総裁のハト派発言
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:据え置き8.2→5.0%、25bps引き下げ91.8→95.0%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:10月陽線形成中。レンジ。三尊右肩付近
  • 週足:10/21週、陽線形成中。上昇トレンド。ダウ転換付近
  • 日足:10/23大陽線。上昇トレンド。
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:下降トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値152.413付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値152.768
(B)1H足レンジ高値152.768かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レンジ高値153.069

②Short
(C) (A)後、1H足押し安値152.413かつ4H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値151.746
(D)4H足レンジ高値153.069付近へ上昇→転換下落→目標1H足押し安値152.413

本日:シナリオ外のためトレードなし
10月通算:16勝14敗、勝率53.3%、RR1.92 、+169.3pips

(Trading View)

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