ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/2の欧米マーケット影響:BOEやECB会合前警戒感や通過後の材料交錯でドル買い・円買いでドル円乱高下し方向感なし。
(2)米国経済指標(⑥):注目は雇用統計、ISM非製造業景気指数
(3)米国要人発言(②):FRB要人
2/3は米国雇用統計の結果次第。強い数値が出てもドル円上値は限定的で、弱い数値が出れば急低下しやすいか。
モーニングサテライト、ドル円参考情報
本日のドル円予想レンジ:126.80~129.20
昨日の為替相場のハイライトはBOEとECB金融政策で双方利上げを決定した。しかし、市場は声明から両中銀ともに今後の利上げ停止に道が開かれたと受け止めて、ポンドとユーロ下落。
一方で、ドル円は大きな手掛かり材料なくもみ合いに終始した。
注目ポイント:経済指標の「弱い結果」を求めるドル円相場
昨年末以降、市場ではFOMCメンバーからいくらタカ派発言が出ても、今年後半に景気後退に伴う利下げが行われるだろうというスタンス。
市場は景気の底堅さを示す良好な指標結果にはほとんど反応せず、景気後退及び物価の伸びの鈍化を示す市場のシナリオに都合の良い材料のみを見てドル売りを加速させる値動きが見られている。
昨日のFOMC声明では今後も継続的な利上げが必要との趣旨の文言は残されたにも関わらずドル高の値幅は限定的で、その後のパウエル議長会見でインフレのピークアウトを歓迎するコメントや引き締め過ぎは望んでいないとするコメントを受けて大きくドル安が進んだ。
パウエル議長は12月に引き続き経済動向が見通し通りなら2023年中の利下げは予想しないとしていたが、FF金利先物では今年後半の利下げ幅をFOMC前より深める様子が見られている。
当面、景気減速、物価の伸び鈍化を示す材料は市場のシナリオをサポートする要因としてドルが売られる展開が続くと考えられる。
本日の米国雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びは19万人増に鈍化し、失業率は3.6%に上昇、平均賃金は前年比4.3%と前月から鈍化する予想。足元のインフレのけん引役はサービス価格で賃金動向が非常に注目されている。
最近はCPIなどが市場予想通りでも、前月よりも伸びが鈍化すればドルが売られる反応が見られていることから、今回も市場予想同程度の労働市場の減速や賃金の伸びの鈍化が見られればドル売りで反応すると考えられる。仮に予想以上に弱い結果となれば1/16安値127.23を試す展開もあり得る。場合によっては127円割れもあり得る。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
TOM効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。
9:55 実質五十日仲値(2/5休日につき)
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
13:08 要人発言
黒田日銀総裁
「金融緩和継続が適当」
【考察】ハト派発言でドル円上昇。しかしサプライズなく反応薄。
欧州マーケット(17:00~25:30)
22:30 経済指標
米国雇用統計1月度(過去の発表日;9/2, 10/7, 11/4, 12/2, 1/6)(Bloomberg)
非農業部門雇用者数:前回22.3万人(改定26.0)、予想18.5万人、結果51.7万人(◎)
失業率:前回3.5%(改定)、予想3.6%、結果3.4%(◎)
平均時給
前年比:前回4.6%(改定4.8)、予想4.3%、結果4.4%(○)
前月比:前回0.3%(改定0.4)、予想0.3%、結果0.3%(○)
【考察】サプライズの強い数値→FRB早期利上げ停止期待が後退→ドル円急騰。
NYマーケット(23:30~30:00)
23:45 経済指標
米国PMI確報値1月度
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
サービス業:前回46.6、予想46.6、結果46.8(◎)
総合:前回46.6、予想46.6、結果46.8(◎)
24:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数1月度(過去の発表日; 8/3, 9/6, 10/5, 11/3, 12/5, 1/6)(Bloomberg)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回49.6(改定49.2)、予想50.4、結果55.2(◎)
【考察】強い数値でドル円上昇
28:31 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg)
「雇用統計の傾向は驚くべきものではない」
「金融政策はインフレ次第」
「インフレ率2%に低下するまでは、制限的な政策スタンスが必要」
【考察】タカ派発言。しかし、ドル円急騰後、かつ週末のNYマーケットクローズ前のためか反応薄。
東京マーケット:注目材料の米国雇用統計を控えてドル円方向性なし。
欧米マーケット:米国雇用統計サプライズの強い数値でドル円急騰。その後のPMI確報値、ISM非製造業景気指数も強い数値で急騰継続。引けに掛けて目立ったロング勢の決済も見られず131.20の131円台をキープで引け。来週も上昇継続の可能性高い。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- USD(基軸通貨):米国雇用統計、PMI確報値、ISM非製造業景気指数の強い数値で買い。
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
- EUR(リスクオン通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
- GBP(リスクオン通貨):
- JPY(リスクオフ通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
米国債イールドカーブ
2/3(金)は2/2(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・売り材料交錯。よって、ドルインデックス日足陽線は金利上昇由来。ドル円日足陽線もドル買いの影響大。
3月FOMCでの利上げ幅0.25%市場コンセンサスは82.7%(CME FedWatch Tool)
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:2月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
- 週足:1/30週、陰線形成中。
- 日足:2/2陰線。20MA付近からボリンジャーバンド-1σ付近で下げ止まり。
- 4H足:下降トレンド。しかし長下ヒゲが続き下落勢い低下。
- 1H足:下降チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス128.926を1H足ダウで上抜け→目標1H足レジスタンス129.331
②ショート
(B)1H足サポート128.403下抜け→レジサポ→目標15M足サポート128.160
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
トレード1
米国雇用統計の強い数値→128.926上抜け→ダウなし飛び乗り→(A)ロング
しかし、シナリオ外の動きに乗ったのは反省点。
ロング:129.251
T/P:129.810
獲得pips:+55.9
2月通算:2勝1敗、勝率66.7%、平均RR 2.08、獲得Pips +56.5
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