ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日本国内企業物価
・日本20年国債入札
・米国消費者物価指数(CPI)（2025年、米国消費者物価指数発表日のドル円動きまとめ）
米ＣＰＩ､関税の最初の影響も－スタグフレーション・景気不安が交錯（Bloomberg）
・米国10年債入札
・カナダ中銀政策金利
２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿)：FRBブラックアウト期間（FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間：3/9～3/21）につき
３．その他
・米国、鉄鋼とアルミニウム関税発動
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）
・スワップ３倍デー
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比：前回0.3%（改定）、予想-0.1%、結果0.0%（○）
前年比：前回4.2%（改定）、予想4.0%、結果4.0%（○）
【考察】予想より強いが前回より弱いことが材料視されドル円上昇。
東京マーケット(9:00~15:30)
9:04～要人発言
植田日銀総裁（衆院財務金融委員会）
（過去の発言：2/21, 2/27, 3/5, 3/12）
:政策スタンスは中立。前回3/5金利見通しへのコメントなし
長期金利上昇、市場の見方と大きな齟齬ない－植田日銀総裁（Bloomberg）
【考察】長期金利上昇容認発言
12:35 経済指標
日本20年債入札（財務省）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額：1兆円程度
最高落札利回り：前回2.067%、結果2.294%（×）
応札倍率：前回3.06倍、結果3.46倍（◎）
テール：前回55銭、結果20銭（◎）
【考察】総じて入札好調。
13:00～
トランプ氏、鉄鋼・アルミ輸入関税を例外なく発動－ＥＵは対抗措置（Bloomberg）
【考察】予定通りであるもののリスクオフとインフレ懸念交錯。インフレ懸念強くドル円上昇継続
14:06～報道
EU、対米関税措置発動
【考察】欧米貿易戦争激化。リスクオフとインフレ懸念交錯。インフレ懸念強くドル円上昇継続
15:33～要人発言
植田日銀総裁（参院予算委員会）
（過去の発言：2/21, 2/27, 3/5, 3/12）
:政策スタンスは中立。前回3/5金利見通しへのコメントなし
海外の経済・物価巡る不確実性、非常に心配している＝植田日銀総裁（Reuters）
【考察】「基調的な物価上昇率２％下回る」は緩和継続示唆のハト派発言。かつ長期金利上昇牽制発言でドル円上昇。
16:02～要人発言
ＥＵ、米製品260億ユーロ相当に報復関税－米国の最新措置に対抗（Bloomberg）
【考察】米欧貿易戦争激化。リスクオフ、インフレ懸念。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)（発表日; 1/15, 2/12, 3/12）
FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。基本は「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比：前回0.5%（改定）、予想0.3%、結果0.2%（×）
前年比：前回3.0%（改定）、予想2.9%、結果2.8%（×）
コア前月比：前回0.4%（改定）、予想0.3%、結果0.2%（×）
コア前年比：前回3.3%、予想3.2%、結果3.1%（×）
【考察】
発表前：米国消費者物価指数（強）観測への織り込み、欧州オープン前の植田日銀総裁ハト派・長期金利上昇牽制発言、EUの対米報復関税4/13発動予定発言があり、欧州オープン後には3/11ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」を好感したリスクオン欧州株上昇によって日通し高値148.87へ上昇。直前148.81。
発表後：弱い数値のサプライズ。初動148.13へ急落。ところが、弱い数値を好感したリスクオン株上昇と米国関税のインフレ懸念が両立。切番148.00下抜け失敗すると1H20MAからの押し目買いと飛び乗りショート勢の損切を巻き込んでドル円急騰。
22:45 要人発言
カナダ中銀
政策金利：前回3.00%、予想2.75%、結果2.75%（○）
【考察】予想通り利下げ。
26:00 経済指標
米国10年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
（過去の発表日：12/11, 1/7, 2/12, 3/12）
発行額（Offering Amount）：420億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.632%、結果%（）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.48倍、結果倍（）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回71.55%、結果%（）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回+0.9bps、結果bps（◎）。-=
WI：%
【考察】
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値147.78
取引開始後に、日通し安値147.66を付けると、3/11材料（ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」、米国トランプ大統領「対加50%関税、撤回検討」、ホワイトハウス「3/12鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ発動、免除なし」、歴史的水準まで積みあがっていたIMM通貨先物円ロングポジションの一部決済（推測））からリスクオンとインフレ懸念が交錯しながらも日本株上昇に連れてドル円上昇。
更に、ホワイトハウス「鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ例外・免除なく予定通り発動」、
「EU、対米関税措置発動」でリスクオフとインフレ懸念が交錯するもインフレ懸念が強く、本日発表の米国消費者物価指数（強）観測への織り込みが加わったためか、日通し高値148.29へ上昇して引けました。
【日本市況】円下落、米国が鉄鋼・アルミ関税発動－債券下落、株反発（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープン前の植田日銀総裁ハト派・長期金利上昇牽制発言、EUの対米報復関税4/13発動予定発言があり、欧州オープン後には3/11ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」を好感した欧州株上昇によって日通し高値148.87へ上昇。
日足終値
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル＞
買い材料：
・3/11ホワイトハウス「3/12鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ発動、免除なし」発言
・ホワイトハウス「鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ例外・免除なく予定通り発動」→インフレ懸念
・EU、対米報復関税4/13発動予定→インフレ懸念
売り材料：
・米国消費者物価指数（弱）
＜円＞
買い材料：
・ホワイトハウス「鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ例外・免除なく予定通り発動」→
・EU、対米報復関税4/13発動予定→欧米貿易戦争リスクオフ
売り材料：
・3/11ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」→地政学リスクオフ後退→日本株、欧州株上昇（円キャリー促進）
・3/11米国トランプ大統領「対加50%関税、撤回検討」→米加貿易戦争緩和期待
・歴史的水準まで積みあがっていたIMM通貨先物3/4時点円ロングポジション（Investing.com）の一部決済（推測）
・植田日銀総裁のハト派、長期金利上昇牽制発言
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回3月19日（水）公表：据え置き（96.0→97.0%）、0.25%引き下げ（4.0→3.0%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回3月19日（水）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：3月陰線形成中。レンジ。BB-1σ付近。
- 週足：3/10週、陰線形成中。下降トレンド。押し安値ヒゲ先付近。
- 日足：3/11陽線。下降トレンド。
- 4H足：レンジ。
- 1H足：上昇チャネル。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値147.276付近へ下落→転換上昇→目標4H足ダウ高値147.768
(B)4H足押し安値146.748付近へ下落→転換上昇→目標4H足押し安値147.276
②Short
(C)日足高値付近148.122へ上昇→転換下落→目標4H足ダウ高値147.768
(D)4H足押し安値147.276をダウ下落→目標4H足押し安値146.748
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