ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本国内企業物価
・米国消費者物価指数(CPI)
・米国10年債入札
・カナダ中銀政策金利
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:12/7~12/19)につき
3.その他
・日銀会合関連リーク報道
・政情不安リスクオフ(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国消費者物価指数です。
(2024年、米国消費者物価指数発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.2%(改定0.3)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回3.4%(改定3.6)、予想3.4%、結果3.7%(◎)
企業物価指数11月3.7%上昇 コメ高騰続く(日本経済新聞)
【考察】強い数値。12月日銀追加利上げ観測。ドル円下落。
東京マーケット(9:00~15:30)
16:09 報道
中国当局、25年の人民元安容認検討 トランプ関税にらみ=関係筋(Reuters)
【考察】人民元売り、円買い・ドル買いで「円>ドル」となりドル円下落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
18:12 報道
日銀一部当局者、12月会合で利上げ提案反対しない
【考察】12月日銀追加利上げ観測。ドル円急落。
18:13 報道
日銀は利上げ急がず、今月見送りでも物価加速リスク小さい-関係者(Bloomberg)
【考察】12月日銀会合利上げ見送り観測。ドル円急騰。
22:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)(発表日; 1/11, 2/13, 3/12, 4/10, 5/15, 6/12, 7/11, 8/14, 9/11, 10/10 11/13, 12/11)
FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。基本は「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.2%(改定)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回2.6%(改定)、予想2.7%、結果2.7%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.3%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回3.3%、予想3.3%、結果3.3%(○)
米CPI、伸びが市場予想と一致-12月の利下げ観測強まる(Bloomberg)
【考察】
発表前:12月日銀会合利上げ見送り報道で日通し高値152.80へ急騰し揉み合い。直前152.60。
発表後:全て予想通りの強い数値。初動日足高値152.87へ上振れるも、12/6(金)米国雇用統計(強)と同じく12月FOMC0.25%利下げ観測を否定する材料はならず、利下げ確実と判断されドル円急落。しかし、0.25%利下げ観測を好感した米国株上昇(円キャリー促進)に加え、原油先物価格上昇に連れて全戻し上昇。
23:45 要人発言
カナダ中銀
政策金利:前回3.75%、予想3.25%、結果3.25%(○)
27:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日:9/11, 10/9, 11/5, 12/11)
発行額(Offering Amount):390億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.347%、結果4.235%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.58倍、結果2.70倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回61.7%、結果70.0%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.3bps、結果-1.7bps(◎)。4.235-4.252=-1.7
WI:4.252%
【考察】入札好調。ドル円下落。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.94
日本国内企業物価(強)と本日注目の米国消費物価指数発表を控えた警戒感の為か、日通し安値151.42へ下落から揉み合いで引けました。
【日本市況】円が上昇、米CPI前に買い戻し-債券は中長期債が下落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直前、中国当局の2025年人民元安容認検討報道を受けて揉み合い上昇していたドル円が、人民元売り「円買い>ドル買い」となり日通し安値151.42へ再下落。
更に、日銀一部当局者の12月会合で利上げ提案反対しない報道を受けて日足安値151.004へ急落しました。
ところが、12月日銀会合利上げ見送り報道が飛び出したことで、直前の報道の飛び乗りショート勢の損切を巻き込んで日通し高値152.80へ急騰。
米国消費者物価指数(強)で初動日足高値152.87へ上振れるも、12/6(金)米国雇用統計(強)と同じく12月FOMC0.25%利下げ観測を否定する材料はならず、利下げ確実と判断されドル円急落。
しかしながら、0.25%利下げ観測を好感した米国株上昇(円キャリー促進)に加え、原油先物価格上昇に連れて全戻し上昇で引けました。
日足終値152.47
【米国市況】S&P500種反発、ハイテク株が主導-ドルは152円台半ば(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
米政府、ロシア石油取引への制裁強化を検討-トランプ政権発足控え(Bloomberg)
売り材料:
・米国消費者物価指数(強)→12月FOMC0.25%利下げ観測維持
・米国10年債入札(強)
<円売り優勢>
買い材料:
・日本国内企業物価(強)
・中国当局の2025年人民元安容認検討報道
・日銀一部当局者の12月会合で利上げ提案反対しない報道
売り材料:
・12月日銀会合利上げ見送り報道
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.50-4.75%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回12月18日(水)公表:据え置き(11.1→4.8%)、0.25%引き下げ(88.9→95.2%)
年内利下げ観測:-0.25%×1回=0.25% → 政策金利4.25~4.50%相当
・日銀:現行政策金利0.25%
次回12月19日(木)公表:0.25%引き上げ(25→10%)
年内利上げ観測:据え置き観測
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:12月陽線形成中。レンジ。三尊右肩付近。
- 週足:12/9週、陽線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近
- 日足:12/10陽線。上昇トレンド。戻り高値ヒゲ先付近
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足戻り高値151.883付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値152.112
(B) (A)後、日足高値152.184をダウ上昇→目標日足押し安値152.624
②Short
(C) (A)後、4H足戻り高値151.883かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値151.588
(D)日足押し安値152.624付近へ上昇→転換下落→目標日足高値152.184
本日:シナリオ外のためトレードなし
12月通算:4勝4敗、勝率50.0%、RR2.02 、+19.8pips
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