ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/12の欧米マーケット影響
米国消費者物価指数は総じて強い数値。初動日足高値148.18へ急騰するも、日足抵抗147.911や切番148.00付近での決済・戻り売り強く147.07へ急落。しかし、強い数値には変わりないことに加え、株式市場では許容範囲の強さと判断され、株上昇リスクオンで再上昇。
日足終値147.66
(2)経済指標
・米国30年債入札
(3)要人発言
・政府日銀要人
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
(4)その他
・春闘集中回答日
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は2点。
①日銀政策修正関連報道
主要企業が労働組合からの要求に回答する集中回答日。
「積極的な賃上げ回答→3月日銀政策修正観測→ドル円下落」の可能性が高い。
春闘きょう集中回答日、トヨタなどが表明へ-高水準の賃上げ広がるか(Bloomberg)
②中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 報道
トヨタ、4年連続の満額回答 最高水準の賃上げ最大2.8万円(毎日新聞)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円下落。しかしサプライズなく織り込み済みのためか全戻し上昇。
15:35~要人発言
岸田首相
「日本経済はデフレ脱却には至っていない」
【考察】デフレ脱却否定発言。日銀政策修正観測後退。ドル円上昇継続。
15:40~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:1/4, 1/23, 2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12, 3/13)
:前回3/12個人消費の弱さ指摘
「物価目標が見えてきたら政策調整を検討」
「賃金インフレサイクル、精査する必要」
【考察】日銀政策修正観測・後退交錯。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
18:15 報道
日銀がETF新規購入の完全停止を検討、正常化開始の段階で-関係者(Bloomberg)
【考察】日銀政策修正観測。一瞬ドル円下振れするも即全戻し上昇。日銀政策修正観測関連の発言や報道がドル円下落に繋がらなくなってきた様子。
24:44~要人発言
米国イエレン財務長官
イエレン米財務長官、インフレさらに鈍化へ-住宅コストの上昇減速で(Bloomberg)
【考察】インフレ低下見込み。ドル円下落
26:00 経済指標
米国30年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.360%、結果4.331%(◎)
応札倍率:前回2.40倍、結果2.47倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回70.7%、結果69.29%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回2.0bps、結果-2.1bps(◎)
国債発行日前取引(WI): 4.352%
【考察】総じて入札好調。ドル円下落。
26:00 報道
日銀、マイナス金利解除議論へ 賃上げ集計見極め判断(日本経済新聞)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円下落
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.66
春闘集中回答日で積極的な賃上げ回答が見込まれた警戒感から、トヨタの満額回答報道を受け東京安値147.23へ下落。しかしサプライズなく織り込み済みのためか東京高値147.65へ上昇。
東京クローズ直後、岸田首相のデフレ脱却否定発言によりドル円上昇継続、植田日銀総裁の政策修正検討・賃金インフレサイクル精査する必要発言で揉み合い。
きょうの国内市況(3月13日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、岸田首相のデフレ脱却否定発言の影響でドル円上昇、日銀のETF購入完全停止検討報道で一瞬ドル円下振れするも即全戻し、日足高値148.05へ上昇。日銀政策修正観測関連の発言や報道がドル円下落に繋がらなくなってきた様子。
NYマーケットに入ると、米国イエレン財務長官のインフレ低下見込み発言、米国30年債入札好調と日銀マイナス金利解除議論報道で147.46へ急落。しかし原油先物価格上昇が続き引けに掛けてドル円再上昇。
日足終値147.76
【米国市況】株は最高値から反落、ハイテクに売り-ドル147円後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売り優勢
買い:原油先物価格上昇
売り:米国イエレン財務長官のインフレ低下見込み発言、米国30年債入札好調
・円売買交錯
買い:春闘を巡り主要企業で積極的な賃上げ回答、植田日銀総裁の政策修正検討発言、日銀のETF購入完全停止検討報道、日銀マイナス金利解除議論報道
売り:岸田首相のデフレ脱却否定発言、植田日銀総裁の賃金インフレサイクル精査必要発言、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ1.0%、据え置き99.0%
5月1日公表:25bp引き下げ10.3%、据え置き89.6%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:3/11週、陽線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近。押し目買い優勢と推測。
- 日足:3/12陽線。レンジ。押し安値付近。よって3/12は押し目買い優勢と推測。
- 4H足:上昇トレンド。BB+1σ付近。
- 1H足:上昇チャネル。BB+1σ付近。
- 15M足:レンジ。20MA付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足押し安値147.322付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足高値147.704
(B)4H足高値147.704をダウ上昇→目標1H足高値147.903
②ショート
(C) (A)後、4H足押し安値147.322をダウ下落→目標4H足押し安値146.862
3月通算:5勝1敗、勝率83.3%、獲得Pips +46.0
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