ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)1/22の欧米マーケット影響
1/23日銀金融政策決定会合公表前ポジション調整(リーク報道、サプライズのタカ派姿勢警戒)による円買い、FRB利下げ観測後退と原油先物価格上昇によるドル買いが交錯しドル円乱高下。148円台維持。
(2)経済指標
・日銀金融政策決定会合公表
・日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
・米国リッチモンド連銀製造業指数
・米国2年債入札
(3)要人発言
・植田日銀総裁
・政府日銀、実質円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間(1/20~2/1)のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
・米国主要企業決算
【日本株週間展望】続伸へ、海外勢買い続く-日銀会合や機械決算注目(Bloomberg)
来週のドル・円は下落か、円安進行受け日銀総裁の発言タカ派化を警戒(Bloomberg)
本日の注目材料は2点。
①日銀金融政策決定会合公表、植田日銀総裁会見
日銀会合注目点:マイナス金利の解除時期、展望リポートと総裁会見(Bloomberg)
市場コンセンサスは金融政策維持。サプライズなしの政策維持であってもドル円上昇しやすい。
また、市場の注目は4月会合でのマイナス金利解除へのヒントがどの程度出されるか。4月会合で政策修正の可能性が高まるなら円買いドル円下落、可能性が後退するなら円売りドル円急騰と想定します。
②中東地政学リスクオフ
中東地政学リスクオフ(原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い)による材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
12:09 経済指標
日銀金融政策決定会合公表(日本銀行)
(過去の発表日:1/18, 3/10, 4/28, 6/16, 7/28, 9/22, 10/31, 12/19, 1/23)
過去の傾向では正午付近の公表は会合参加者の意見の相違は少なく金融政策変更なし。13:00頃に近づくほど金融政策変更の可能性高い。
政策金利:前回-0.1%、予想-0.1%、結果-0.1%(○)
声明:大規模金融緩和政策の現状維持。
経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解):24年度物価見通し下方修正、目標物価実現確度を初明記
日銀、24年度のコアCPI見通し2.4%上昇に下方修正-展望リポート(Bloomberg)
【考察】
発表前:能登地震の影響も踏まえ金融緩和継続織り込みで揉み合いながら上昇。直前148.18。
発表後:市場コンセンサス通り金融緩和維持、展望レポートの24年度物価見通し下方修正を受け148.56へ急上昇。
しかし、織り込み済みの情報でSell the fact発生、更に展望レポートの物価目標実現の確度が高まっているという文言追記は初でサプライズ。3月や4月会合でのマイナス金利解除観測として材料視され、東京安値147.85へ急落しました。
14:00 経済指標
日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行)
日銀のインフレ基調指標、12月は加重中央値と刈込平均値が伸び率縮小(Reuters)
15:30~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:11/8, 11/9, 11/17, 11/27, 12/7, 12/19, 12/27, 1/4, 1/23)
日銀総裁、物価目標の実現確度「少しずつ高まっている」-緩和維持(Bloomberg)
【考察】
発表前:展望レポートの政策修正示唆について会見での言及を控えて揉み合い。直前148.00。
発表後:総じて金融緩和維持のハト派発言でしたが、物価目標の実現確度が少しずつ高まっていると述べたことが3月や4月会合でのマイナス金利解除観測として材料視され、日足安値146.98へ急落。
しかしマイナス金利解除しても金融緩和継続を強調したことで147.78へ急反発。切番147.00かつ4H足サポート147.173付近ではショート勢利確や押し目買いも強い様子。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
20:42 米国主要企業決算
スリーエム
売上:予想77.0億ドル、結果76.9億ドル(×)
EPS:予想2.31ドル、結果2.42ドル(◎)
3M株は大幅安、24年収益予想が市場見通し下回る-消費低迷改善せず(Bloomberg)
24:00 経済指標
米国リッチモンド連銀製造業指数
(過去の発表日; 12/27, 1/23)
前回12/27はサプライズの弱い数値でドル円急落。
基準0、前回-11、予想-8、結果-15(×)
【考察】弱い数値でしたが一瞬の下落が押し目となり上昇継続。
27:00 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。
最高落札利回り:前回4.314%、結果4.365%(◎)
応札倍率:前回2.68倍、結果2.57倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回61.9%、結果65.3%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):0 bps(-)、
国債発行日前取引(WI): 4.365%
【考察】総じて入札好調でドル円下落。
30:04 米国主要企業決算
ネットフリックス
売上高:前回85.4億ドル、予想87.2億ドル、結果88.3億ドル(◎)
EPS:前回3.73ドル、予想2.22ドル、結果2.11ドル(×)
ネットフリックス、会員数増加が市場予想上回る-コロナ禍以来最高(Bloomberg)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値148.14
東京始値148.15
東京高値148.56
東京安値147.85
東京終値147.88
日足安値146.98(切番147.00かつ4H足サポート147.173付近)
【日本市況】円一段と上昇、日銀が物価実現確度を明記-株価一転下落(Bloomberg)
きょうの国内市況(1月23日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
日銀金融政策決定会合公表は、市場コンセンサス通り金融政策現状維持、展望レポートの24年度物価見通し下方修正を受け東京高値148.56へ急上昇。しかし、織り込み済みの情報でSell the fact発生、更に展望レポートの物価目標実現の確度が高まっているという文言追記は初のサプライズ。
植田日銀総裁会見でも物価目標実現の確度が少しずつ高まっていると述べ、3月・4月会合でのマイナス金利解除観測として材料視され日足安値146.98へ急落。しかしマイナス金利解除しても金融緩和継続を強調したことで147.78へ急反発。切番147.00かつ4H足サポート147.173付近ではショート勢利確や押し目買いも強い様子。
欧米マーケット:
欧州始値147.59
NY始値148.23
NY終値148.36
日足終値148.37
【米国市況】S&P500種またも最高値、好決算が支援-148円台前半(Bloomberg)
欧州オープン後も、植田日銀総裁会見「マイナス金利解除しても金融緩和継続」を強調したことが材料視され、更にFRB利下げ観測後退に伴う米国債利回り上昇、原油先物価格上昇によってドル円急騰。日銀会合・植田日銀総裁会見の下落は全戻しの上昇。
総じて、日銀金融政策決定会合公表・植田日銀総裁会見の物価目標実現の確度が高まっているという初の文言追加がサプライズでドル円急落。しかし、植田日銀総裁会見でマイナス金利解除しても金融緩和継続を強調したことでドル円急騰。FRB早期利下げ観測後退による米国債利回り上昇もドル円上昇を後押し。148円台維持。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・1/23ドル買い優勢
ドル買い:FRB早期利下げ観測後退、原油先物価格下落(中東地政学リスクオフ)
ドル売り:地政学リスクオフ由来の米国債利回り低下、米国2年債入札好調
・1/23円売り優勢
円買い:日銀展望レポートの物価目標実現確度が高まっている文言追記(3月・4月会合でのマイナス金利解除観測)、日本株下落リスクオフ
円売り:マイナス金利解除でも金融緩和継続
米国債イールドカーブ
1/23(火)は1/22(月)に対しツイスト(短期金利低下、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル売り買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool)
次回公表24年1月31日:25bps引き下げ2.6%、据え置き97.4%
初回利下げ観測24年3月20日公表:25bp引き下げ52.6%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み
2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と1/23織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.85%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.39%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.16%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り4.14%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps相当
実質金利=政策金利-総合CPI12月度前年比=5.5%-3.4%=2.1%
(現状の相関関係は、25bpsでドル円約3円変動)
テクニカル分析
トレード
- 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
- 週足:1/22週、陰線形成中。
- 日足:1/22下ヒゲピンバー陰線。上昇トレンド。BBスクイーズ。
- 4H足:下降チャネル。BBスクイーズ。
- 1H足:下降チャネル。BBスクイーズ。
- 15M足:上昇チャネル。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足サポート147.332又はトレンドライン付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス148.232
(B) (A)後、4H足レジスタンス148.232をダウ上昇→目標4H足レジスタンス148.652
(C)4H足レジスタンス148.652をダウ上昇→目標4H足レジスタンス149.298
②ショート
(D)4H足レジスタンス148.652付近へ上昇→ダウン転換下落→目標4H足サポート148.232
1月通算:9勝6敗、勝率60.0%、獲得Pips +121.0
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