2024年3月5日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)3/4の欧米マーケット影響
欧州オープン直前に日通し高値150.40を付け、1H足レジサポート150.32かつ4H足20MAに戻され揉み合いながらも、日足高値150.70へ上昇。引けに掛けて材料不足で揉み合い。
日足終値150.52

(2)経済指標
・東京消費者物価指数
・日本10年国債入札
・米国PMI確報値(サービス業、総合)
・米国製造業新規受注
・米国耐久財受注確報値
・米国ISM非製造業景気指数

(3)要人発言
・政府日銀要人(特に植田日銀総裁)
・FRB要人

(4)その他
・五十日仲値
・スーパーチューズデー
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円はやや円高か、米イベントに注目-期末の円買い(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利上昇か、10年入札は日銀政策修正に警戒強い(Bloomberg
【日本株週間展望】続伸、FRB議長証言で波乱リスクも-SQ警戒(Bloomberg

本日注目材料は3点。

①米国経済指標
注目度の高い指標が続きますが、特に米国ISM非製造業景気指数が重要。強い数値なら素直にドル円上昇、弱い数値なら下落は一時的で上昇に転じやすいと推測します。但し、151円台からは政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まりロング勢利確も入りやすくドル円上昇から急落もあり得ます。
一方で下値150.00付近は固く押し目買いも入りやすいことから、弱い数値で150.00付近へ下落すれば押し目買いの好機と言えそう。

②FRB要人発言
タカ派発言からドル円上昇しやすい環境ですが、3/6パウエルFRB議長の議会証言を控えて、大きな動きにはなりにくいと推測します。
パウエルFRB議長、「利下げ急がない」姿勢強調か-議会証言に注目(Bloomberg

③中東地政学リスクオフ
戦争で海運が脅かされて原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。
3/3には紅海航行中の貨物船が沈没しており状況の改善が見られず。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
東京消費者物価指数
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっています。
前年比:前回1.6%(改定1.8)、予想2.5%、結果2.6%(◎)
コア前年比:前回1.6%(改定1.8)、予想2.5%、結果2.5%(○)
コアコアCPI前年比:前回3.1%(改定3.3)、予想3.1%、結果3.1%(○)
東京消費者物価2%台回復、物価対策の影響一巡-日銀正常化後押し(Bloomberg

【考察】強い数値。一瞬ドル円下振れるも、日銀金融緩和政策に変更ないと判断され即全戻し。

8:51~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:11/1011/1311/1412/151/192/92/142/162/20, 2/22, 3/5)
:前回2/22円安牽制発言
そのような事実はない=デフレ脱却表明検討報道で鈴木財務相(Reuters

【考察】デフレ脱却報道否定発言。ドル円上昇。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

12:35 経済指標
日本10年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回0.748%、結果0.722%(◎)
応札倍率:前回3.65倍、結果3.24倍(×)
テール:前回7銭、結果4銭(◎)

【考察】総じて入札好調。

13:00~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:12/712/1912/271/41/232/62/92/162/22, 2/29, 3/5)
:前回2/29ハト派発言
CBDC導入の是非、国民的議論経て決まるべき=植田日銀総裁(Reuters

【考察】CBDCへの言及。金融政策についてコメントなし。

15:36~要人発言
神田財務官
(過去の発言:10/410/1610/1911/112/212/14, 2/29, 3/5)
:前回2/29円安牽制発言
「想定金利1.1%から1.9%への上昇踏まえると高金利環境に備える必要」

【考察】高金利容認発言。ドル円下落

16:07~要人発言
村井官房副長官
労務費転嫁の指針徹底へ、月内にも関係省庁会議=村井官房副長官(Reuters

【考察】金利見通しについてコメントなし。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

23:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:2/213/244/215/236/237/248/239/2210/2411/2412/151/24, 2/22
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
サービス業:前回51.3、予想51.3、結果52.3(◎)
総合:前回51.4、予想51.4、結果52.5(◎)

24:00 経済指標
米国製造業新規受注
前月比:前回0.2%(改定)、予想-2.2%、結果-3.6%(×)

24:00 経済指標
米国耐久財受注確報値:設備投資の先行指標
前月比:前回-6.1%(改定)、予想-6.1%、結果-6.2%(×)
コア前月比:前回-0.3%(改定-)、予想-0.3%、結果-0.4%(×)

24:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数(ISM Report On Business
(過去の発表日; 3/34/55/36/57/68/39/610/411/312/51/5, 2/5, 3/5)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回53.4(改定)、予想53.0、結果52.6(×)

【考察】弱い数値。ドル円急落。しかし、

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.52
取引開始直後、日足高値150.55を付けてからは日本株下落に連れて東京安値150.35へ下落。しかし、鈴木財務相のデフレ脱却否定発言、日本10年国債入札好調が支えとなり、日本株押し目買い入り東京高値150.55へ上昇。方向感乏しいレンジ推移。

欧米マーケット:
欧米株下落、米国製造業新規受注、米国耐久財受注確報値、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値で日足安値149.71へ急落。
しかし、米国ISM非製造業景気指数の中身は極端に悪くはなく、加えて翌日注目の米国パウエルFRB議長議会証言での利下げ慎重姿勢を警戒したショート勢決済も入り引けに掛けて揉み合い。
日足終値150.06

【米国市況】株は続落、大型ハイテクが重し-円上昇し一時149円台(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売り優勢
買い:米国PMI確報値(サービス業、総合)の強い数値
売り:米国株下落、米国製造業新規受注、米国耐久財受注確報値、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値、原油先物価格下落

・円買い優勢
買い:東京消費者物価指数の強い数値、神田財務官の金利引上げ容認発言、欧米株下落、原油先物価格下落
売り:鈴木財務相のデフレ脱却否定発言、日本10年国債入札好調

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
3月20日公表:25bp引き下げ3.0%、据え置き97.0%
5月1日公表:25bp引き下げ23.6%、据え置き75.8%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
  • 週足:3/4週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近で滞留。
  • 日足:3/4陽線。レンジ。転換シグナル付近。よって3/5は戻り売り優勢と推測。
  • 4H足:レンジ。BB+1σ付近。
  • 1H足:上昇チャネル。BB+1σ付近。
  • 15M足:レンジ。20MA付近。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート149.985付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス150.247

②ショート
(B)4H足レジスタンス150.645付近へ上昇→1H足サポート150.515かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足サポート150.247

3月通算:2勝0敗、獲得Pips +25.0

(Trading View)

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