ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日本実質GDP2次速報値第4四半期
・日銀、国債買入オペ通知
・米国JOLTS求人件数
・米国3年債入札
２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿)：FRBブラックアウト期間（FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間：3/9～3/21）につき
３．その他
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本実質GDP2次速報値第4四半期（内閣府）
前期比：前回0.7%（改定）、予想0.7%、結果0.6%（×）
前期比年率：前回2.8%（改定）、予想2.8%、結果2.2%（×）
GDPデフレータ［=名目GDP/実質GDP］前年比：前回2.8%（改定）、予想2.8%、結果2.9%（◎）
【考察】総じて弱い数値。日銀早期利上げ観測後退。ドル円上昇。
9:49～要人発言
長期金利上昇、マクロ経済にプラスマイナスの両面ある－加藤財務相（Bloomberg）
【考察】長期金利上昇牽制発言。
東京マーケット(9:00~15:30)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知（日本銀行）（日銀、オペレーション）
（発表日：2/3, 2/7, 2/13, 2/19, 2/26, 3/5, 3/11, 3/17, 3/24, 3/28）
1～3年債：前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円（○）
5～10年債：前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円（○）
25年超債：前回750億円、予想750億円、結果750億円（○）
【考察】据え置き。
15:17 要人発言
ドイツ緑の党、防衛費巡り週内合意の可能性示唆－ユーロ相場上昇（Bloomberg）
【考察】3/10「メルツ次期首相の債務抑制緩和草案、不支持」から一転→欧州軍拡投資拡大期待
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
23:00 経済指標
米国JOLTS求人件数（過去の発表日; 1/7, 2/4, 3/11)
(Bureau of Labor Statistics)
前回760.0万件（改定750.8）、予想767.0万件、結果774.0万件（◎）
米求人件数、１月は予想上回る増加－安定した労働者需要を示唆（Bloomberg）
【考察】強い数値。日足高値148.12へ上昇。
23:02～要人発言
米国トランプ大統領
トランプ氏、カナダ産鉄鋼・アルミ関税50％に－電力値上げに報復（Bloomberg）
【考察】米加貿易戦争激化
23:37～要人発言
加ダグフォード・オンタリオ州首相
「米国トランプ関税撤廃まで引き下がらない」
【考察】米加貿易戦争激化
24:00～要人発言
英国政府当局者
「米国鉄鋼関税に応じない」
24:16～要人発言
加オンタリオ州フォード首相
「米国への電力供給停止警告」
加オンタリオ州、米への電力輸出停止辞さず－関税引き上げ受け再表明（Bloomberg）
【考察】米加貿易戦争激化。リスクオフドル円下落。
26:00 経済指標
米国3年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
（過去の発表日：12/10, 1/6, 2/11, 3/11）
発行額（Offering Amount）：580億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.300%、結果3.908%（◎）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.79倍、結果2.70倍（×）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回74.0%、結果62.5%（×）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回-1.3bps、結果+0.6bps（×）。3.908-3.902=+0.006
WI：3.902%
【考察】入札不調。しかし直前のリスクオフの影響強くドル円下落。
26:59 要人発言
ウクライナ、30日間停戦の米国案を受け入れる用意－共同声明発表（Bloomberg）
【考察】地政学リスクオフ後退。ドル円急上昇。
27:00～要人発言
米国
「ウクライナ安全保障支援一時停止の解除に再開合意」
「ウクライナ鉱物資源取引で近く合意」
27:44～要人発言
加オンタリオ州フォード首相
「電力価格25％上乗せの一時停止に同意」
28:09～要人発言
米国トランプ大統領
トランプ氏、カナダ関税引き上げ表明した数時間後に「見直し」示唆（Bloomberg）
【考察】米加貿易戦争緩和期待。リスクオン。ドル円揉み合い
29:33～要人発言
米の鉄鋼・アルミ25％輸入関税、全ての貿易相手国に例外なく発動へ（Bloomberg）
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値147.27
取引開始直後に日通し高値147.29を付けてからは、3/10と同じくリスクオフ日本株下落に連れて日足安値146.54へ急落。
一方、日銀国債買いオペ通知、や米国トランプ政権政策（関税、財政支出抑制）からの米国債利回り低下を好感した日本株上昇が強まり日通し高値147.40へ急上昇して引けました。
【日本市況】株式は下落、景気懸念でリスクオフ－債券大幅高、円堅調（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープン直前に調整のためか146.76へ急落が生じたものの、欧州オープンすると独緑の党「防衛費巡り週内合意の可能性示唆」を好感した欧州株上昇かつ欧米国債利回り上昇や、歴史的水準まで積みあがっていたIMM通貨先物3/4時点円ロングポジションの一部決済（推測）に連れて日足高値148.12へ急騰。
NYオープン後、切番148.00到達で揉み合っていましたが、米国JOLTS求人件数（強）で再び日足高値148.12へ上昇。
しかし、同時に米国トランプ大統領「鉄鋼・アルミ、対加報復50%関税」発言が飛び出し、リスクオフ米国株下落に連れて147.27へ急落。
加オンタリオ州フォード首相「米国への電力供給停止警告」対抗発言が伝わると147.02へ下落。
ところが、ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」発言でリスクオン米国株上昇に連れて147.92へ切り返し急上昇。
その後、米国トランプ大統領「対加50%関税、撤回検討」発言、ホワイトハウス「3/12鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ発動、免除なし」発言交錯しましたが、NYクローズ前後のためかドル円揉み合いで引けました。
日足終値147.78
【米国市況】株続落、トランプ氏発言が相場を翻弄－ドル147円台後半（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル売り優勢＞
買い材料：
・独緑の党「防衛費巡り週内合意の可能性示唆」→3/10「メルツ次期首相の債務抑制緩和草案、不支持」から一転→欧州軍拡投資拡大期待→欧米国債利回り上昇
・米国JOLTS求人件数（強）
・ホワイトハウス「3/12鉄鋼・アルミ25%関税、全貿易国へ発動、免除なし」発言
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
売り材料：
・米国トランプ政権政策（関税、財政支出抑制）→米国景気減速懸念→安全資産米国債買い
＜円売り優勢＞
買い材料：
・米国トランプ政権政策（関税、財政支出抑制）→米国景気減速懸念→日本株、欧州株下落（円キャリー巻き戻し）
・米国トランプ大統領「3/12鉄鋼・アルミ、対加報復50%関税発動」発言→米加貿易戦争激化、景気減速懸念→米国株下落
・加オンタリオ州フォード首相「米国への電力供給停止警告」→米国株下落
売り材料：
・日本GDP次速報値（弱）→日銀早期利上げ観測後退
・日銀、国債買入オペ通知：据え置き→日本株上昇（円キャリー促進）
・米国トランプ政権政策（関税、財政支出抑制）→米国景気減速懸念→安全資産米国債買い、日本国債買い→国債利回り低下好感した日本株上昇
・独緑の党「防衛費巡り週内合意の可能性示唆」→3/10「メルツ次期首相の債務抑制緩和草案、不支持」から一転→欧州軍拡投資拡大期待→欧州株上昇
・ウクライナ大統領府「30日間停戦の米国案を受け入れる用意」→地政学リスクオフ後退→米国株上昇
・米国トランプ大統領「対加50%関税、撤回検討」→米加貿易戦争緩和期待→リスクオン米国株上昇
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・歴史的水準まで積みあがっていたIMM通貨先物3/4時点円ロングポジション（Investing.com）の一部決済（推測）
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回3月19日（水）公表：据え置き（96.0→97.0%）、0.25%引き下げ（4.0→3.0%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回3月19日（水）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：3月陰線形成中。レンジ。BB-1σ付近。
- 週足：3/10週、陰線形成中。下降トレンド。押し安値ヒゲ先付近。
- 日足：3/10陰線。下降トレンド。押し安値付近。
- 4H足：下降チャネル。
- 1H足：下降チャネル。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足安値146.633付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値147.126
②Short
(B)1H足戻り高値147.126をダウ下落→目標1H足押し安値146.761
(C)日足安値146.633をダウ下落→目標4H足押し安値146.215
本日：２勝０敗、+59.4pips
3月通算：6勝4敗、勝率60.0%、RR1.96 、+125.5pips
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