2025年1月6日(月)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国PMI確報値(サービス業、総合)
・米国耐久財受注確報値
・米国製造業新規受注
・米国3年債入札

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・植田日銀総裁(全国銀行協会の新年賀詞交歓会あいさつ)(過去の挨拶:2024/1/4
・米国トランプ次期大統領
・FRB

1/4(休場中) 要人発言
米国クーグラーFRB理事
(過去の発言:10/811/14, 12/3, 1/4(休場中))
:政策スタンスは中立。12/3タカ、ハト派発言。
クーグラーFRB理事、最近のインフレ「上昇」に警戒感示す(Bloomberg
【考察】タカ派発言

1/4(休場中)要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:12/312/512/6, 12/20, 1/4(休場中))
:政策スタンスは中立。前回12/20タカ派発言
インフレとの闘いはまだ終わっていない-連銀総裁とFRB理事が強調(Bloomberg
【考察】タカ派発言

3.その他
・2025年大発会(過去の大発会ドル円日足:2022/1/4陽線、2023/1/4陽線、2024/1/4陽線)
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い(円キャリー促進)」、「株売り(円キャリー巻き戻し)」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・1/10(金)米国雇用統計(強)期待のスイング勢織り込み
米経済、2024年は緩やかだが健全な雇用拡大の年-10日に12月雇用統計(Bloomberg
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目度の高い指標なし。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:40
2025年大発会(日本取引所グループ

東京マーケット(9:00~15:30)

11:16~要人発言
植田日銀総裁(全国銀行協会の新年賀詞交歓会あいさつ)
(発言:11/2912/19, 12/25, 1/6)
:前回12/25ハト派発言
経済・物価改善続けば利上げ、米新政権・春闘を注視-植田日銀総裁(Bloomberg

【考察】ハト派発言。ドル円上昇。

12:08 要人発言
首相官邸
「北朝鮮、弾道ミサイル発射」

【考察】地政学リスクオフ。ドル円揉み合い。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

20:02 報道
トランプ氏、重要セクターの輸入品に「一律の」関税導入を検討-WP(Bloomberg

【考察】関税範囲限定でインフレ懸念後退。ドル円急落。

23:12~要人発言
米国クックFRB理事
(過去の発言:10/110/10, 11/20, 1/6)
:政策スタンスは中立。前回11/20タカ、ハト派発言
クックFRB理事、追加利下げを当局はより慎重に進めること可能(Bloomberg

【考察】利下げ慎重のタカ派発言。ドル円上昇。

23:18~要人発言
米国トランプ次期大統領
トランプ氏、関税政策の後退ないと言明-範囲限定を巡る報道を否定(Bloomberg

【考察】関税範囲限定検討報道否定。インフレ懸念再燃。巻き戻しのドル円急上昇。

23:45 経済指標
米国PMI確報値(サービス業、総合)
(速報値発表日:1/242/223/214/235/236/217/248/229/2310/2411/22, 12/16
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
サービス業:前回58.5、予想58.5、結果56.8(×)
総合:前回56.6、予想56.6、結果55.4(×)

24:00 経済指標
米国耐久財受注確報値:設備投資の先行指標
前月比:前回-1.1%(改定)、予想-0.5%、結果-1.2%(×)
コア前月比:前回-0.1%(改定-)、予想0.2%、結果-0.2%(×)

24:00 経済指標
米国製造業新規受注
前月比:前回0.2%(改定0.5)、予想-0.2%、結果-0.4%(×)

27:00 経済指標
米国3年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日:10/811/4, 12/10, 1/6)

発行額(Offering Amount):580億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.117%、結果4.332%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.58倍、結果2.62倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回64.2%、結果61.0%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+0.1bps、結果+1.2bps(×)。4.332-4.320=+0.012
WI:4.320%

【考察】入札不調。ドル円小幅上昇から揉み合い。

29:30 経済指標
IMM通貨先物12/31時点(Investing.com
円ショートへ転換

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.25
取引開始直後に日通し安値157.20を付けると、年始仲値に向けたドル需要や大発会から日本株上昇期待(円キャリー促進)に連れて日通し高値157.83へ上昇。

その後、植田日銀総裁のハト派発言があったものの、北朝鮮弾道ミサイル発射の地政学リスクオフ、期待に反した日本株下落(円キャリー巻き戻し)が交錯しドル円揉み合いで引けました。

【日本市況】円が下落、米経済指標好調-債券と株を含めてトリプル安(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後は、東京マーケットからの円売りが続き日足高値157.97へ上昇。
しかし、直後の米国トランプ次期大統領の一律関税導入検討報道を受けると関税範囲限定のインフレ懸念後退で、158円台乗せ期待ロング勢損切を巻き込み日足安値156.24へ急落。

その後、米国クックFRB理事のタカ派発言、米国トランプ次期大統領の関税範囲限定検討報道否定を受けて、飛び乗りショート勢損切巻き込んでほぼ全戻しの急上昇から、揉み合いで引けました。
日足終値157.65

【米国市況】トランプ関税巡りドル大幅安、一時156円台-テク株高い(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・年始仲値に向けた需要(日本実需、新NISA等の米国投資目的)
・米国クックFRB理事のタカ派発言
・米国トランプ次期大統領「ワシントン・ポスト紙の記事は不正確」→関税範囲限定なし→インフレ懸念再燃

売り材料:
・米国トランプ次期大統領「重要な輸入品に一律の関税導入を検討」→関税範囲限定のインフレ懸念後退
・米国PMI確報値(サービス業、総合)、米国耐久財受注確報値、米国製造業新規受注(弱)

<円売り優勢>
買い材料:
・北朝鮮、弾道ミサイル発射

売り材料:
・植田日銀総裁のハト派発言
・IMM通貨先物12/31時点:円ショートへ転換
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回1月29日(水)公表:据え置き(89.3→93.1%)、0.25%引き下げ(10.7→6.9%)
2025年内利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:1月陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
  • 週足:12/30週、確定。上昇トレンド。三尊右肩かつ戻り高値付近。
  • 日足:1/3。レンジ。BB+1σ付近
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ高値157.566をダウ上昇→目標4H足戻り高値157.874
(B)4H足押し安値156.230付近へ下落→転換上昇→目標4H足押し安値157.793

②Short
(C)4H足押し安値156.793をダウ下落→目標4H足押し安値156.230

本日:1勝1敗、-1.3pips
1月通算:2勝5敗、勝率28.6%、RR2.08 、-45.9pips

(Trading View)

コメント

タイトルとURLをコピーしました