2025年5月1日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

注目材料

1.経済指標
・日銀金融政策決定会合公表
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国PMI確報値(製造業)
・米国建設支出
・米国ISM製造業景気指数
・米国アトランタ連銀GDP Now

2.要人発言
・植田日銀総裁
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:4/26~5/8)につき
・米国トランプ大統領

3.その他
・日銀会合直前リーク報道
・第2回日米関税交渉
・米国主要企業決算(アップル、アマゾン)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

6:32 報道
米国とウクライナ、天然資源協定に署名-関係者(Bloomberg

7:10~要人発言
グリアUSTR代表、関税巡る合意「近い」と発言-今週さらに会合(Bloomberg

6:33~要人発言
トランプ氏、金利は低下すべきだ-FRB議長を「余り好きでない」(Bloomberg

8:02 報道
米国上院、トランプ大統領関税阻止法案を否決。

東京マーケット(9:00~15:30)

9:21~要人発言
米国トランプ大統領
「中国との合意の可能性高い」
トランプ大統領、関税の政治的リスク認める-取引は急がないとも発言(Bloomberg

12:02 経済指標
日銀金融政策決定会合公表(日本銀行
(発表日:1/24, 3/19, 5/1, 6/17, 7/31, 9/19, 10/30, 12/19)
過去の傾向では正午付近の公表は会合参加者の意見の相違は少なく金融政策変更なし。13:00頃に近づくほど金融政策変更の可能性が高いです。

①政策金利:前回0.50%、予想0.50%、結果0.50%(○)
(実質金利=政策金利-期待インフレ率=0.50-2.00=-1.50%。事実上の金融緩和環境継続)
②声明:不確実性高い、物価下振れリスク、ハト派
③経済・物価情勢の展望(4月、基本的見解)(展望リポート):
実質GDP見通し
2025年:前回1月+1.1%、結果+0.5%(×)
2026年:前回1月+1.0%、結果+0.7%(×)
2027年:前回- %、結果+1.0%(-)

物価見通し(コアCPI)
2025年:前回1月+2.4%、結果+2.2%(×)
2026年:前回1月+2.0%、結果+1.7%(×)
2027年:前回- %、結果+1.9%(-)

【考察】
発表前:政策据え置き期待と警戒感から揉み合い上昇。直前143.07。
発表後:不確実性高い、経済・物価下振れリスク、ハト派でドル円急騰。

15:30~要人発言
植田日銀総裁
:政策スタンスは中立。
(過去の発言:4/17, 4/18, 4/25, 5/1)
円は対ドルで1%下落、通商政策の不確実性は極めて高いと植田総裁(Bloomberg
植田総裁、2%到達時期と利上げペース後ずれ、必ずしも同じではない(Bloomberg

【考察】不確実性高い、経済・物価下振れリスク、ハト派

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

18:08 要人発言
米国イエレン元財務長官
「トランプ関税は極めて有害」
イエレン氏、米景気後退リスクは「大幅に」上昇-トランプ関税で(Bloomberg

20:15~要人発言
米国ベッセント財務長官
「中国との関税問題は段階的なプロセスが必要」
「中国が高関税を引き下げる必要がある」
ベッセント米財務長官、2年債利回りは利下げ促す合図を送っている(Bloomberg

21:16~要人発言
米国ハセット国家経済会議(NEC)委員長
「中国との貿易交渉は進展」

21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.2万件(改定22.3)、予想22.4万件、結果24.1万件(×)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回184.1万件(改定183.3)、予想185.5万件、結果191.6万件(×)

22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:1/242/213/24, 4/23
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回50.7、予想50.7、結果50.2(×)

23:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.7%(改定)、予想0.2%、結果-0.5%(×)

23:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気先行指標として注目度大(Institute for Supply Management)
(発表日; 1/32/33/3, 4/1, 5/1)
基準50、前回49.0(改定)、予想48.0、結果48.7(○)

・仕入価格:前回69.4、予想73.0、結果69.8(△)
・新規受注:前回45.2、予想45.0、結果47.2(◎)
・雇用:前回44.7、予想44.6、結果46.5(◎)
米ISM製造業指数、4月は5カ月ぶりの低水準-生産が急低下(Bloomberg

【考察】総じて強い数値。ドル円急上昇。

24:15 報道
米、UAEへのエヌビディア半導体輸出の規制緩和を検討(Bloomberg

24:54 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
(発表日:5/1, 5/6, 5/8, 5/15, 5/16, 5/27, 5/30)
Q2:前回2.4%、予想2.4%、結果1.1%(×)

29:03 米国主要企業決算
アマゾン
売上高:前回1878.0億ドル、予想1551.6億ドル、結果1557.0億ドル(○)
EPS:前回1.86ドル、予想1.36ドル、結果1.59ドル(○)

29:31 米国主要企業決算
アップル
売上高:前回1243.0億ドル、予想945.9億ドル、結果953.6億ドル(○)
EPS:前回2.40ドル、予想1.62ドル、結果1.65ドル(○)

<まとめ>
東京マーケット

日足始値143.00
東京オープン後に日足安値142.88を付けると、日銀会合「不確実性高い、経済・物価下振れリスク、ハト派」内容を受けて日通し高値144.25へ急上昇して引けました。

【日本市況】円下落、物価下振れリスクと日銀ハト派化-金利が急低下(Bloomberg

欧米マーケット
欧州オープン後、植田日銀総裁会見「不確実性高い、経済・物価下振れリスク、ハト派」発言で日通し高値144.74へ上昇。

その後、米国ハセット国家経済会議委員長「中国との貿易交渉は進展」発言、米国ISM製造業景気指数・新規受注・雇用(強)と「米国、UAEへのエヌビディア半導体輸出の規制緩和検討」報道を受けたリスクオンに連れて日足高値145.74へ急騰して引けました。
日足終値145.40

【米国市況】S&P500が8日続伸、リスク志向が復活-ドル145円台(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国ISM製造業景気指数、新規受注、雇用(強)

売り材料:
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に-世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる(Bloomberg

<円売り優勢>
買い材料:

・2025年3月調査想定為替レート上期147.17(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・日銀会合、植田日銀総裁「不確実性高い、経済・物価下振れリスク、ハト派」発言
・米国ハセット国家経済会議委員長「中国との貿易交渉は進展」発言→リスクオン
・米国、UAEへのエヌビディア半導体輸出の規制緩和検討報道→リスクオン
・構造的円売り(日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回5月7日(水)公表:据え置き(94.0→93.2%)、0.25%引き下げ(6.0→6.8%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社
次回6月17日(火)公表:0.25%引き上げ(11→4%)

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:4月陰線確定。レンジ。押し安値付近。
  • 週足:4/28週、陰線形成中。下降トレンド。押し安値付近。
  • 日足:4/30陽線。レンジ
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:上昇チャネル。
  • 15M足:三角持ち合い。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値142.023付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値142.622
(B)1H足押し安値142.758付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ安値143.318

②Short
(C)1H足レンジ安値142.622をダウ下落→目標4H足押し安値142.023
(D)4H足押し安値142.023をダウ下落→目標4H足押し安値141.714

本日:シナリオ外のためトレードなし

(Trading View)

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