2025年1月3日(金)ドル円戦略と結果

ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析
1. トレードシナリオと結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

１．経済指標
・米国ISM製造業景気指数

２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB

３．その他
・日本祝日休場
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）

４．参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引（促進or巻き戻し）に分類できます。

５．本日の注目材料
（１）米国経済指標
注目は米国ISM製造業景気指数です。
（2024年、米国ISM製造業景気指数発表日のドル円動きまとめ）

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:30)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

24:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数：景気先行指標として注目度大(Institute for Supply Management)
（発表日; 1/3, 2/1, 3/1, 4/1, 5/1, 6/3, 7/1, 8/1, 9/3, 10/1, 11/1, 12/2, 1/3)
基準50、前回48.4（改定）、予想48.2、結果49.3（◎）

・仕入価格：前回50.3、予想51.8、結果52.5（◎）
・新規受注：前回50.4、予想、結果52.5（◎）
・雇用：前回48.1、予想、結果45.3（×）
米ＩＳＭ製造業景況指数、12月は49.3に上昇－２カ月連続で持ち直す（Bloomberg）

【考察】
発表前：方向感なく乱高下。直前157.14。
発表後：総じて強い数値。ドル円上昇。

25:00～要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
（過去の発言：11/15, 11/21, 12/4, 1/3）
：政策スタンスはタカ派。前回12/4タカ派発言
バーキン総裁、25年の経済見通しを楽観－現在の金利は十分景気抑制的（Bloomberg）

【考察】タカ、ハト派発言。

＜まとめ＞
東京マーケット：
日足始値157.51
取引開始直後に日足高値157.57を付けると、前日同様に日本祝日休場で材料不足の中、中国景気悪化懸念波及や米国株下落（円キャリー巻き戻し）を引き継いで、日通し安値157.18へ下落。
その後、揉み合いで引けました。

欧米マーケット：
欧州オープン直前に日通し安値157.04へ更新すると、原油先物価格下げ止まりからドル円揉み合いとなり、日通し安値157.03を付けました。

その後、米国ISM製造業景気指数、仕入価格、新規受注（強）でドル円上昇するも、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のハト派発言を受けて日足安値156.88へ急落。
しかし、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言も交錯し、加えて米国株上昇（円キャリー促進）、原油先物価格上昇に連れて引けに掛けてドル円上昇となりました。
日足終値157.29

【米国市況】Ｓ＆Ｐ500種６日ぶり反発－円は対ドル上昇し一時156円台（Bloomberg）

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

＜ドル売り優勢＞
買い材料：
・米国ISM製造業景気指数、仕入価格、新規受注（強）
・米国バーキン・リッチモンド連銀総裁：タカ派発言
・原油先物価格上昇→インフレ懸念

売り材料：
・米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のハト派発言

＜円売買交錯＞
買い材料：
・

売り材料：
・米国株上昇（円キャリー促進）
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）

（Currency Strength Chart）

政策金利市場織り込み

・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回1月29日（水）公表：据え置き（88.2→88.8%）、0.25%引き下げ（11.8→11.2%）
2025年内利下げ観測：-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当