ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/7の欧米マーケット影響
前日2/6同様、NYマーケットオープンが近づくと米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測される米国債利回り低下で日足安値147.63へ急落。しかし、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国クーグラーFRB理事、米国コリンズ・ボストン連銀総裁の相次ぐタカ派発言で再上昇。日足終値148.17
(2)経済指標
・日本国際収支
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国30年債入札
(3)要人発言
・日銀要人
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、米金利反発や日銀オペ減額を警戒(Bloomberg)
来週のドル・円は下落か、日米金利差縮小の流れ-需給面で円買い意識(Bloomberg)
日銀マイナス金利解除の判断材料に、市場の注目集める24年春闘(Bloomberg)
本日注目材料は3点。
①2/6, 2/7米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測される動きの影響
2/7は注目材料乏しい中、米国商業用不動産懸念由来の米国債利回り下落、株下落リスクオフがドル円下落を引き起こしました。本日も注目度の高い材料少ないため、調整のドル円下落が続くか注意したい。
②FRB要人発言
1/31FOMC公表・パウエルFRB議長「持続的にインフレ2%達成の確信得られるまで利下げない」発言、2/2米国雇用統計の強い数値を受けて、3月FOMCは政策金利据え置きが市場コンセンサス。タカ派発言が続きそうですが、サプライズなければ強いドル円上昇にはなりにくい。
従って、通常ならドル円下落が生じたタイミングでのタカ派発言なら上昇狙いやすいですが、米国商業用不動産懸念由来の米国債利回り下落が強ければ要人発言の影響度は小さいと考えます。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本国際収支
経常収支:前回19256億円(改定)、予想10559億円、結果7443億円(×)
経常収支(季調済):前回18854億円(改定)、予想19309億円、結果18100億円(×)
貿易収支:前回-7241億円、予想1831億円、結果1155億円(△)
【考察】弱い数値。日銀金融政策修正観測後退。
9:43~要人発言
清水日銀理事
「マイナス金利を解除しても緩和継続」
【考察】ハト派発言。1/23日銀会合公表と変わらない内容でサプライズなしのためか、ドル円上昇から直ぐ全戻し。
東京マーケット(9:00~15:00)
10:30~要人発言
内田日銀副総裁(金融経済懇談会挨拶)
(過去の発言:7/6, 2/8)
:前回7/6はYCC修正への言及でタカ派発言
マイナス金利解除後どんどん利上げのパス考えにくい-内田日銀副総裁(Bloomberg)
【考察】1/23日銀会合公表と変わらない内容でサプライズなし。しかし金融正常化に積極的な発言への警戒感があったなかでのハト派発言だったためか、警戒織り込みの巻き戻しによりドル円急騰。
14:37~要人発言
内田日銀副総裁(金融経済懇談会挨拶)
(過去の発言:7/6, 2/8)
:前回7/6はYCC修正への言及でタカ派発言
【考察】ハト派発言。ドル円上昇継続。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.4万件(改定22.7)、予想21.9万件、結果21.8万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回189.8万件(改定189.4)、予想187.2万件、結果187.1万件(◎)
22:32~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはタカ派。前回1/11はタカ派発言。
(過去の発言:12/19, 1/3, 1/5, 1/11, 2/7, 2/8)
リッチモンド連銀総裁、利下げの時を辛抱強く待つ時間はある(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇継続。
23:33~要人発言
米国イエレン財務長官(議会証言、上院銀行委員会)
イエレン氏、住宅ローン市場でノンバンクを注視-破たんの恐れを警告(Bloomberg)
【考察】金利見通しに関する発言なし
26:49~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回2/7タカ派発言
(過去の発言:9/6, 9/22, 10/11, 10/12, 11/17, 2/7, 2/8)
年内に0.75%利下げが妥当の可能性=米ボストン連銀総裁(Reuters)
【考察】年内3回利下げは、市場利下げ織り込み5回に対してタカ派発言
27:00 経済指標
米国30年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.229%、結果4.360%(×)
応札倍率:前回2.37倍、結果2.40倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回67.77%、結果70.7%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.1bps、結果2.0bps(×)
国債発行日前取引(WI): 4.380%
【考察】総じて入札好調でドル円下落。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値148.17
取引開始直後は内田日銀副総裁発言への警戒感から下落し日足安値147.93を付けるも、金融正常化に積極的な発言への警戒感があったなかでのハト派発言。安心感からドル円急騰。警戒感の反動もあり、日通し高値148.67へ急騰。
【日本市況】円下落して株バブル後高値、緩和的姿勢と内田日銀副総裁(Bloomberg)
きょうの国内市況(2月8日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
東京マーケットの流れを引き継ぎ欧州オープン直後、、原油先物価格上昇に連れて日通し高値149.26へ到達。
NYオープン前の米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数の強い数値、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言で日足高値149.48へ上昇。
その後、米国30年債入札好調、米国コリンズ・ボストン連銀総裁のタカ派発言が交錯し引けに掛けて揉み合い。
日足終値149.32。149円台維持。
【米国市況】S&P500は小幅続伸、国債利回り上昇-円売られ149円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・2/8ドル買い優勢
ドル買い:原油先物価格上昇、米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数の強い数値、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁と米国コリンズ・ボストン連銀総裁のタカ派発言
ドル売り:米国30年債入札好調
・2/8円売り優勢
円買い:
円売り:清水日銀理事と内田日銀副総裁のハト派発言、株上昇リスクオン、原油先物価格上昇
米国債イールドカーブ
2/8(木)は2/7(水)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)、現行FRB政策金利525~550bps
3月20日公表:25bp引き下げ18.5%、据え置き81.5%
5月1日公表:25bp引き下げ53.8%、据え置き35.9%
合計利下げ:25bps×5回=125bps → 政策金利400~425bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/5週、陰線形成中。20MAに対しレジサポ形成し上昇トレンド。2/5週は上昇優勢。
- 日足:2/7陽線。BBスクイーズ。
- 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス148.136をダウ上昇→目標4H足レジスタンス148.333
(B) (D)後、4H足レジスタンス148.333をダウ上昇→目標日足レジスタンス148.690
②ショート
(C)4H足レジスタンス148.333付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート148.136
(D) (C)後、1H足サポート148.136をダウ下落→目標1H足サポート147.781
2月通算:3勝3敗、勝率50.0%、獲得Pips +12.8
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