ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)10/10の欧米マーケット影響
日銀の物価見通し上昇修正検討報道を受けて、148.92から148.52へ急落したものの報道段階、更に軟調に推移していた原油先物価格上昇、中国景気刺激策発表でドル円上昇し、日足高値149.10を付けた。
だが、149円台をキープできず揉み合っていた中で、前日に続きFRB要人のハト派発言で148.55まで下落したが、FRB要人のタカ発言や米国債3年債入札不調で上昇。
その後、更にFRB要人のハト派発言でドル円下落。総じて、ドル売り・円売り交錯でドル円乱高下。
日足終値148.72。
(2)経済指標
・米国生産者物価指数
・米国10年債入札
・米国FOMC議事要旨
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・中国人民銀行の元安牽制(元買いドル売り材料)
・FRB要人
(4)その他
・中東情勢の地政学リスクオフ
・IMF年次総会(10/9~10/15)
・【債券週間展望】長期金利は上昇か、米金利高や日銀政策修正警戒(Bloomberg)
注目は中東情勢の動向、米国生産者物価指数と米国FOMC議事要旨。
連日FRB要人からハト派発言が続いていることから、米国生産者物価指数がこれを後押しする数値か否かに注目したい。
また、米国FOMC議事要旨に中東情勢悪化は反映されていないため、内容にサプライズない限り反応は小さいと推測。
<中東情勢のドル・円方向性>
「中東情勢悪化→地政学リスクオフ円買い」
「中東情勢悪化→安全資産の米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」
「原油先物価格上昇→インフレ懸念→ドル買い・円売り」
「世界的景気悪化へ波及→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い(リスクオフドル買いも生じやすい)」
「世界的景気悪化へ波及→米利上げ期待後退→ドル売り」
「有事のゴールド買い→ドル売り」
コラム:有事のドル・米国債買い、ガザ危機で再燃へ(Reuters)
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:11~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:8/10, 9/22, 10/5, 10/10)
SF連銀総裁、名目中立金利3%に上昇の可能性も-従来推計2.5%(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派発言。先日のFRB要人のハト派発言の影響強くドル円下落継続。
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:45 報道
レバノンからイスラエルへミサイル発射
【考察】中東情勢悪化→安全資産の米国債買いドル売り、地政学リスクオフ円買い→ドル円急落
17:17~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:8/7, 9/26, 10/2, 10/11)
ボウマンFRB理事、追加利上げ必要にも-インフレ抑制で(Bloomberg)
【考察】タカ派発言→ドル円下げ止まり
21:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)(過去の発表日; 10/12, 11/15, 12/9, 1/18, 2/16, 3/15, 4/13, 5/11, 6/14, 7/13, 8/11, 9/14, 10/11)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.7%(改定)、予想0.2%、結果0.5%(○)
前年比:前回1.6%(改定2.0)、予想1.6%、結果2.2%(◎)
コア前月比:前回0.2%(改定)、予想0.2%、結果0.3%(◎)
コア前年比:前回2.2%(改定2.5)、予想2.3%、結果2.7%(◎)
米生産者物価指数、9月は予想上回る伸び-ガソリンや食品が上昇(Bloomberg)
【考察】
発表前:FRB要人のタカ派発言から強い数値期待の織り込みで上昇。
発表後:強い数値で149.08へ上昇→切り番149.00付近では戻り売りやロング勢決済も入りやすく、一旦下押ししたが再上昇。
23:36~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:7/14, 9/5, 10/10, 10/11)
ウォラー理事、米金利に関し状況「見極め」可能-追加措置講じる前に(Bloomberg)
【考察】前日同様、タカ派発言に加えハト派発言→タカ派発言が材料視されドル円上昇
25:23~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:7/10, 8/1, 8/4, 8/10, 8/31, 9/1, 9/7, 10/3, 10/10, 10/11)
アトランタ連銀総裁、インフレ低下が続く限り追加利上げは不要(Bloomberg)
【考察】ハト派発言だがドル円上昇継続
26:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions)
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回4.289%、結果4.610%(×)
応札倍率:前回2.525倍、結果2.50倍(×)
【考察】入札不調→ドル円上昇
27:00 経済指標
米国FOMC議事要旨
(過去の発表日:10/12, 11/23, 1/4, 2/22, 4/12, 5/24, 7/5, 8/16, 10/11)
FOMC議事要旨、高水準の政策金利「当面」維持が必要と判断(Bloomberg)
【考察】タカ派内容→ドル円上昇だがサプライズなく反応薄。
29:30~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:5/25, 5/31, 8/24, 9/6, 9/22, 10/11)
米ボストン連銀総裁、金利はピークにあるかそれに接近-追加利上げも(Bloomberg)
【考察】ハト派発言→ドル円下落
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値148.72。
前日欧米マーケットの下落を引き継いで東京オープン直後に日足安値148.43を付けたが、「米追加利上げ観測後退→米国債利回り低下、株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り、ドル売り」、「原油先物価格上昇→インフレ懸念→米国債利回り上昇、日本貿易収支悪化懸念→ドル買い、円売り」。ドル買い・ドル売り交錯しており、円売り主導で東京高値148.96へ上昇。
きょうの国内市況(10月11日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直前に148.98を付けたが、「米追加利上げ観測後退→米国債利回り低下→ドル売り」、「中東情勢悪化→安全資産の米国債買いドル売り、地政学リスクオフ円買い」で148.58へ急落。
しかし、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言でドル円下げ止まり。
米国生産者物価指数は強い数値で149.08へ上昇したが、切り番149.00付近では戻り売りやロング勢決済も入りやすく、一旦下押ししたが、米国ウォラーFRB理事のタカ派発言や米国10年債入札不調で上昇継続し、日足高値149.33を付けた。
日足終値149.18。
【米国市況】株4日続伸、金融当局者の発言を意識-ドル149円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
10/11(水)は10/10(火)に対しツイスト(短期金利上昇、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
11月公表:据え置き91.5%、25bps引き上げ8.5%、50bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:10月陰線形成中。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。
- 週足:10/9週、陰線形成中。上昇トレンド中の調整波。
- 日足:10/10陽線。チャネル下限かつ20MA到達から上昇中。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:上昇トレンド。
【シナリオ】
①ロング
(A)日足サポート147.572又は4H足200MA付近まで下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス148.168
②ショート
(B)1H足サポート148.829又は1H足20MA付近まで上昇→ダウ転換下落→目標4H足サポート148.168
(C)4H足サポート148.168かつ4H足200MAをダウ下落→目標日足サポート147.572
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
10月通算:3勝2敗、勝率60.0%、平均RR 1.39、獲得Pips +41.9
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