2023年12月19日(火)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)12/18の欧米マーケット影響
NYオープン前に、米国メスター・クリーブランド連銀総裁と米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言。12/15(金)に引き続きFRB要人タカ派発言によって、「FRB利下げ期待後退→米国債利回り上昇→ドル買い」。

日本製鉄のUSスチールを買収報道、石油大手BPの紅海の通航を一時停止報道で原油先物価格上昇もドル円上昇に寄与し、日足高値143.16を付けた。
しかし、全米鉄鋼労組がUSスチール買収の反対を表明したこと巻き戻しのドル円下落。
NYクローズ直前には米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁による積極的な利下げのハト派発言でドル円下落継続。日足終値142.80。

総じて、12/19日銀金融政策据え置き観測、FRB要人タカ派発言、原油先物価格上昇でドル円上昇。FRB要人ハト派発言で下落。

(2)経済指標
・日銀金融政策決定会合
・米国住宅着工、住宅建築許可件数

(3)要人発言
・植田日銀総裁
・FRB要人

(4)その他
日銀会合を世界が注視-マイナス金利終了、まだ先の見通し(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀がマイナス金利解除示唆を警戒(Bloomberg
【日本株週間展望】続伸へ、日銀現状維持でリスクオンの流れに乗るか(Bloomberg

本日最大の注目は、日銀金融政策決定会合公表と植田総裁会見。
12/7(木)植田日銀総裁のチャレンジング発言によって12月会合でのマイナス金利解除観測が急速に高まったが以降は火消し報道が相次いでいる。市場コンセンサスは「12月会合金融政策据え置き、24年4月会合マイナス金利解除」。
前日は市場コンセンサスの織り込みもドル円上昇に寄与。

実質賃金マイナス継続中、かつGDP減少の中で金融緩和修正のハードルは高く、会合公表や植田総裁会見で目新しいことないハト派の可能性が最も高い。この時ドル円上昇継続見込みだが、材料出尽くしのSell the factでドル円急落にも警戒したい。

一方で、24年1月会合で日銀金融政策修正への強いメッセージが出るようならサプライズのタカ派姿勢と判断されて円買い主導のドル円急落見込み。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:36~要人発言
日本政府
新藤経済再生担当相、本日の日銀政策会合に出席

【考察】早期のマイナス金利解除への警戒感からドル円下落。

東京マーケット(9:00~15:00)

11:49 経済指標
日銀金融政策決定会合公表(日本銀行
(過去の発表日:12/201/183/104/286/167/289/22, 10/31, 12/19)
過去の傾向では正午付近の公表は会合参加者の意見の相違は少なく金融政策変更なし。13:00頃に近づくほど金融政策変更の可能性高い。

政策金利:前回-0.1%、予想-0.1%、結果-0.1%(○)
声明:金融緩和維持。フォワードガイダンス文言修正なし。

日銀が大規模緩和を維持、先行きの政策指針も変更せず-円下落(Bloomberg

【考察】
発表前:経済大臣が日銀政策会合に出席する報道もあり、早期のマイナス金利解除観測から142.25へ下落。
発表後:市場コンセンサス通り金融政策現状維持。フォワードガイダンスなどの文言変更もなく、早期のマイナス金利解除観測後退。東京高値143.79へ急騰。

15:33~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:10/2010/3111/611/811/911/1711/27, 12/7, 12/19)
植田日銀総裁、出口までの距離明確にせず-大規模緩和を維持(Bloomberg

【考察】会見初期、物価2%への確度の高まり示唆で金融政策修正への警戒感から、ロング勢の利確も入り一時142.49へ急落。しかし、12/7チャレンジング発言の意図は一段と気を引き締めてという意味で早期マイナス金利解除の示唆を否定。総じてハト派であり全戻し上昇。実質賃金マイナスでも政策修正が可能と示唆したことでドル円下落。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目される。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっている。

件数:前回137.2万件(改定135.9)、予想136.2万件、結果156.0万件(◎)
前月比:前回1.9%(改定0.2)、予想-1.7%、結果14.8%(◎)

米国住宅建築許可
件数:前回148.7万件(改定149.8)、予想146.4万件、結果146.0万件(×)
前月比:前回1.1%(改定1.8)、予想-2.6%、結果-2.5%(○)

23:36~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/2810/210/510/1711/311/911/1411/1511/20, 11/29, 12/19)
リッチモンド連銀総裁、インフレ鈍化続けばFRBは利下げ実施と示唆(Bloomberg

【考察】インフレ低下への自信を示しハト派発言。日足下降トレンドライン付近の1H足押し安値下抜けて十字線形成後のタイミング。ファンダとテクニカル一致でドル円下落。切り番145.00直前から切り返したことでロング勢の利確による下落ではなく、145.00利確を想定していたロング勢損切により下落が加速した様子。

26:50~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:10/310/1010/1110/1910/2011/311/911/1011/29, 12/15, 12/19)
アトランタ連銀総裁、来年早期に利下げする緊急性は想定していない(Bloomberg

【考察】切り番143.500、1H足サポート143.66かつ20MA付近へ急落後、押し目買いも入りやすいタイミングでのタカ派発言→ドル円上昇したが影響小。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値142.80。
経済大臣が日銀政策会合に出席する報道もあり、早期のマイナス金利解除観測から日足安値142.25を付けた。
日銀金融政策決定会合公表は金融政策現状維持。フォワードガイダンスなどの文言変更もなく、早期のマイナス金利解除観測後退し、東京高値143.79へ急騰。
植田日銀総裁会見初期に金融政策修正への警戒感から一時142.49へ急落。しかし、12/7チャレンジング発言の意図は一段と気を引き締めてという意味で早期マイナス金利解除の示唆を否定。総じてハト派であり全戻し上昇。

きょうの国内市況(12月19日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も、日銀会合・植田日銀総裁ハト派姿勢の影響継続、日足高値144.96を付けた。
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のインフレ低下への自信を示したハト派発言で、143.53まで急落。切り番145.00に届かず切り返して日足下降トレンドライン付近の1H足押し安値下抜けて十字線形成後のタイミングだったことで急落に繋がったか。植田総裁会見から上昇分は全戻し。
その後、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁で上昇。
日足終値143.84。

総じて、日銀の大規模緩和政策継続・植田総裁ハト派発言によるドル円急騰から、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のハト派発言で急落、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言で上昇だが影響小。

【米国市況】株続伸、FRB当局者のけん制発言響かず-143円台後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

12/19(火)は12/18(月)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド同等。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMC見通し(CME FedWatch Tool):FRB政策金利525~550bps
2024年1月31日公表:25bps引き下げ10.3%、据え置き89.7%、25bps引き上げ0.0%
初回利下げ観測:2024年3月、25bp引き下げ67.5%

2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と12/19金利織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.95%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.44%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.15%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.93%)

テクニカル分析

トレード

  • 月足:12月陰線形成中。押し安値下抜けから20MAへの調整波発生中。
  • 週足:12/18週、陽線形成中。押し安値140.91付近へ急落から上昇想定。
  • 日足:12/18陽線。下降トレンド中だが200MA上抜け。下げ止まりの可能性あり。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足サポート142.724又は1H足20MA付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス143.110
(B)1H足レジスタンス143.110をダウ上昇→目標4H足レジスタンス143.719又は日足BB-1σ

②ショート
(C)4H足サポート142.349かつ4H足20MAをダウ下落→目標日足サポート141.863

12月通算:8勝3敗、勝率72.7%、獲得Pips +151.4

(Trading View)

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