ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)11/16の欧米マーケット影響
米国経済指標は総じて弱い数値であり、FRB要人が追加利上げはデータ次第との発言で実際にデータが弱いこと、株先物・株価指数下落リスクオフ円買い、更に原油先物価格急落によるインフレ懸念後退でドル円急落。日足安値150.29(米国10年債利回り4.43%)を付けた。
その後、11/15同様に米国10年債利回り4.5%以上への戻りを狙ったドル円押し目買いが入り、NY引けに掛けてドル円上昇。日足終値150.74。
(2)経済指標
・米国住宅着工、住宅建築許可
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FRB要人
・日中首脳会議
(4)その他
・米国政府機関閉鎖懸念
・週末跨ぎを避けたい決済の動き
11/14米国消費者物価指数サプライズの弱さを引き継いでドル円急落、11/15米国小売売上高・生産者物価指数・NY連銀製造業景気指数は強弱混在でドル円急騰、11/16米国経済指標は総じて弱くドル円下落。
つまり、米国経済指標は強弱混在しなければ「弱い数値→ドル円下落」の素直な動き。
反対に「総じて強い数値→ドル円上昇」となりやすいと推測。
米国10年債利回り4.50%を下回るとインフレ退治の長期化が懸念されることから、インフレ抑制と景気後退のバランスを取る為に、米国10年債利回り4.50~5.00%付近を維持したいFRB思惑が見られる。この利回り範囲を割り込むと、FRB要人の強いタカ派発言やハト派発言などで調整している様子。
11/14に米国10年債利回り4.44%へ下落したことで、11/15は4.5%以上への戻りを狙ったドル円押し目買いが入った見方もあり、11/16も米国経済指標の弱い数値で4.43%へ下落した後もドル円押し目買い優勢。本日も米国債10年利回り水準により、ドル買いが入りやすいか否かに要注目。
また、ドル円急騰が生じるようなら政府日銀為替介入も要警戒。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:35~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:9/8, 9/22, 9/25, 10/20, 10/31, 11/6, 11/8, 11/9, 11/17)
粘り強く金融緩和を継続、賃金が上昇しやすい環境整える-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】ハト派発言からのタカ派発言→政策修正への言及の影響強くドル円下落。
10:54~要人発言
植田日銀総裁
円安の日本経済への影響、「一概にマイナスと言えず」-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】円安容認発言→直前の政策修正への言及の影響強くドル円下落継続。
11:13~要人発言
円安進んでいるから介入するという立場ではない=赤沢財務副大臣(Reuters)
【考察】急変動牽制、円安容認発言→円安容認材料強くドル円下げ止まりから上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目される。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっている。
件数:前回135.8万件(改定)、予想134.0万件、結果137.2万件(◎)
前月比:前回7.0%(改定-)、予想-0.6%、結果1.9%(○)
米国住宅建築許可
件数:前回147.3万件(改定147.1)、予想146.0万件、結果148.7万件(◎)
前月比:前回-4.4%(改定-4.5)、予想-1.4%、結果1.1%(◎)
22:46~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/6, 9/22, 10/11, 10/12, 11/17)
FRB、「完全雇用」巡る理解深める必要=ボストン連銀総裁(Reuters)
ボストン連銀総裁、「追加の引き締めを除外するべきではない」(Bloomberg)
【考察】ハト派、タカ派発言(米国10年債利回り4.45%)→ドル円下げ止まりから上昇
23:17~要人発言
米国バーFRB副議長
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/17)
バーFRB副議長、金利「ピークかそれに近い」-指標が見方後押し(Bloomberg)
【考察】ハト派発言(米国10年債利回り4.43%)→ドル円反応薄
23:30~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/22, 10/5, 10/11, 11/10, 11/15, 11/17)
SF連銀総裁、忍耐強い姿勢を訴え-インフレの2%軌道確信持てず(Bloomberg)
【考察】タカ派発言(米国10年債利回り4.43%)→ドル円反応薄
24:09~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:9/25, 9/28, 10/16, 10/19, 11/7, 11/9, 11/14, 11/17)
米物価目標、住宅価格予想通り緩和なら達成への軌道=シカゴ連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言(米国10年債利回り4.45%)→ドル円下げ止まりから上昇。また、インフレで注目すべきは物価(特に住宅価格)であり、雇用や経済成長は焦点ではないとの見方。今後のこれら米国経済指標は要注目。
29:30 経済指標
IMM通貨先物11/14時点(ポジション推移)
円ショート大幅拡大
【考察】円売り材料
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.74。
前日のドル円下落を受けて安値で拾いやすくなったドル買い需要や植田日銀総裁ハト派発言により日足高値150.78を付けたが、週末仲値通過後の決済や植田日銀総裁タカ派発言により東京安値150.42(米国10年債利回り4.43%)を付けた。その後は、揉み合い。
きょうの国内市況(11月17日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前から米国債利回り低下、米国長期休暇前のポジション調整と見られる強い円買いでドル円急落、日足安値149.20を付けた。
米国住宅指標が強い数値、FRB要人タカ派発言、原油先物価格上昇でドル円上昇。
日足終値149.65。
【米国市況】株小幅高、「劇的な」勢い失速ードル・円は10月安値に迫る(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
11/17(金)は11/16(木)に対しツイスト(短期金利上昇、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き100.0%、25bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:11月陰線形成中。上昇トレンド。ボリンジャーバンド(BB)スクーズ。
- 週足:11/13週、陰線形成中。上ヒゲピンバー週足陰線をほぼ全戻ししたことで、11/13週は上昇優位と推測。
- 日足:11/16大陰線。BBスクイーズ。20MAからBB+1σへ一気に上昇したことで、11/16は一旦下押しから揉み合いやすい。
- 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 1H足:レンジ。BBエクスパンションからスクイーズ移行中。
- 15M足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス150.503付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス150.901
(B)1H足レジスタンス150.901をダウ上昇→目標日足レジスタンス151.198
②ショート
(C)1H足レジスタンス151.198付近まで上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート150.901
11月通算:9勝4敗、勝率69.3%、獲得Pips +89.1
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