2024年2月7日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)2/6の欧米マーケット影響
NYマーケットオープンが近づくと再び米国債利回り低下、株下落リスクオフで日足安値147.82へ急落。米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測。
日足終値147.95

(2)経済指標
・日本30年国債入札
・米国貿易収支
・米国10年債入札

(3)要人発言
・FRB要人

(4)その他
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、米金利反発や日銀オペ減額を警戒(Bloomberg
来週のドル・円は下落か、日米金利差縮小の流れ-需給面で円買い意識(Bloomberg
日銀マイナス金利解除の判断材料に、市場の注目集める24年春闘(Bloomberg

本日注目材料は3点。

①2/6, 2/7米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測される動きの影響
2/7は注目材料乏しい中、米国商業用不動産懸念由来の米国債利回り下落、株下落リスクオフがドル円下落を引き起こしました。本日も注目度の高い材料少ないため、調整のドル円下落が続くか注意したい。

②FRB要人発言
1/31FOMC公表・パウエルFRB議長「持続的にインフレ2%達成の確信得られるまで利下げない」発言、2/2米国雇用統計の強い数値を受けて、3月FOMCは政策金利据え置きが市場コンセンサス。タカ派発言が続きそうですが、サプライズなければ強いドル円上昇にはなりにくい。
従って、通常ならドル円下落が生じたタイミングでのタカ派発言なら上昇狙いやすいですが、米国商業用不動産懸念由来の米国債利回り下落が強ければ要人発言の影響度は小さいと考えます。

③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:00~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/9, 1/18, 2/7)
:政策スタンスはハト派。前回1/18は金利見通しに関する発言なし
フィラデルフィア連銀総裁、インフレ鈍化でソフトランディング近づく(Bloomberg

【考察】ソフトランディング近い。金利見通しに関する発言なし

9:05 要人発言
米国格付け会社ムーディーズ
米地銀NYCB、ジャンク級に格下げ-ムーディーズ(Bloomberg

【考察】金融システム不安再燃ドル円下落。

12:35 経済指標
日本30年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回1.649%、結果1.800%(×)
応札倍率:前回3.00倍、結果3.18倍(◎)
テール:前回40銭、結果17銭(◎)

【考察】総じて入札好調。ドル円は反応薄。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国貿易収支
前回-632億ドル(改定-619)、予想-623億ドル、結果-622億ドル(◎)

22:32~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスはタカ派。前回2/6タカ派発言。
(過去の発言:11/311/7, 2/5, 2/6, 2/7)
カシュカリ総裁、今年2-3回の利下げが適切-追加の物価データ必要(Bloomberg

【考察】市場織り込み年内4~5回利下げに対して2~3回はタカ派発言。しかし、前日2/6同様、NYマーケットオープンが近づくと米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測される米国債利回り低下でドル円下落。

25:00~要人発言
米国クーグラーFRB理事
クーグラー理事、米利下げ「ある時点で」適切にも-急ぐ必要ないと示唆(Bloomberg

【考察】タカ派発言

25:30~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回ハト・タカ派発言
(過去の発言:9/69/2210/1110/12, 11/17, 2/7)
ボストン連銀総裁、利下げは「年内」の可能性高い-さらに証拠必要(Bloomberg

【考察】タカ派発言

25:54~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはタカ派。前回1/11はタカ派発言。
(過去の発言:12/191/31/5, 1/11, 2/7)
リッチモンド連銀総裁、FRBの辛抱強いアプローチを「強く支持」(Bloomberg

【考察】タカ派発言

27:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

最高落札利回り:前回4.024%、結果4.093%(×)
応札倍率:前回2.56倍、結果2.56倍(○)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回66.1%、結果70.97%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回0.5 bps、結果-1.2 bps(◎)
国債発行日前取引(WI): 4.105%

【考察】総じて入札好調。ドル円下落。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.95
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁ソフトランディング発言、米国地銀NYCBのジャンク級格下げで日足安値147.71付けてからは、日本株上昇リスクオン交錯しドル円揉み合い。

きょうの国内市況(2月7日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、材料交錯ながらも米国債利回り上昇につれて日足高値148.26まで伸びたとこで、前日2/6同様、NYマーケットオープンが近づくと米国商業用不動産懸念由来のポジション調整と推測される米国債利回り低下で日足安値147.63へ急落。しかし、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国クーグラーFRB理事、米国コリンズ・ボストン連銀総裁の相次ぐタカ派発言で再上昇。148円台維持。
日足終値148.17

【米国市況】S&P500種が続伸、5000の大台に接近-ドル148円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・2/7ドル売り優勢
ドル買い:米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国クーグラーFRB理事、米国コリンズ・ボストン連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言
ドル売り:米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁ソフトランディング発言、米国地銀NYCB、ジャンク級に格下げ、米国商業用不動産懸念拡大、米国10年債入札好調

・2/7円売り優勢
円買い:米国商業用不動産懸念拡大
円売り:日本株上昇リスクオン

米商業用不動産懸念がドイツにも飛び火、国営PBBなど銀行債急落(Bloomberg

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

2/7(水)は2/6(火)に対しベア(短期金利上昇、長期金利同等)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)、現行FRB政策金利525~550bps
3月20日公表:25bp引き下げ18.5%、据え置き81.5%
5月1日公表:25bp引き下げ53.2%、据え置き36.6%
合計利下げ:25bps×5回=125bps → 政策金利400~425bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
  • 週足:2/5週、陰線形成中。20MAに対しレジサポ形成し上昇トレンド。2/5週は上昇優勢。
  • 日足:2/6陰線。レンジ。BBスクイーズ。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:下降トレンド。BBスクイーズ。
  • 15M足:下降チャネル。BBスクイーズ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート147.689付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス147.968
(B) (A)後、1H足レジスタンス147.968をダウ上昇→目標15M足レジスタンス148.130又は1H足20MA

②ショート
(C)15M足レジスタンス148.130又は1H足20MA付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート147.968

2月通算:2勝2敗、勝率50.0%、獲得Pips -0.4

(Trading View)

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