ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)12/29の欧米マーケット影響
米国シカゴ購買部協会景気指数のサプライズの弱い数値でドル円下落に転じ、月末ロンフィクに掛けて下落加速、日足安値140.80。前日ロンフィク前後のドル円急騰とは逆の動き。
日足終値141.04。
(2)経済指標
・米国PMI確報値(製造業)
・米国建設支出
(3)要人発言
(4)その他
・日本祝日休場
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。
・サンタクロースラリー:年末5営業日と新年2営業日に米国株高となりやすいアノマリー。
・短期的に円高に振れる可能性も、石川県能登地震で-ストラテジスト(Bloomberg)
本日の注目は、1/1石川県能登地震を受けて地政学リスクオフ円買いの影響。過去の震災時では日本企業(特に保険会社)のレパトリ(日本へ資金環流)やキャリートレードの巻き戻しで短期的な円買いが生じたと見られます。東京マーケットは年始祝日休場であることから、市場参加者が少なくドル円急落に繋がる可能性があると推測します。被災地におきましては一日も早い再建をお祈り致します。
・レパトリエーション(レパトリ):日本企業・投資家が海外資産(株式、債券等)を売却して外貨から日本円に両替すること。つまりドル円は下落しやすく、普段は期末決算に生じやすい。また、日本の保険会社は海外資産で保険料の一部を運用していますが、日本国内で大災害などが起こり契約者に保険金を支払う際にもレパトリが起きやすいと言われています。
・キャリートレード:日銀が長年低金利政策を継続していることから、海外投機筋等は低金利通貨の円で資金調達して高金利通貨で運用する円キャリートレード取引を積極的に実施しています。しかし、日本国内で大災害が起こると、レパトリで円高になるのを嫌って海外勢はキャリートレードの一部を手仕舞います。この時、高金利通貨売り円買いとなることから、ドル円が下落しやすいと見られます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
17:50 報道
JAL機、海保機衝突事故
羽田空港でJAL機炎上 乗客乗員379人は脱出、14人負傷(日本経済新聞)
【考察】前日の能登半島大地震に続いて航空機大事故発生。日本経済悪化懸念の円売りでドル円上昇。
20:33 報道
NY市ルーズベルト島で小規模の地震-負傷者や建物被害の報告なし(Bloomberg)
【考察】当初、テロとの噂もあったが地震の模様。
23:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:1/24, 2/21, 3/24, 4/21, 5/23, 6/23, 7/24, 8/23, 9/22, 10/24, 11/24, 12/15)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回48.2、予想48.4、結果47.9(×)
【考察】弱い数値でドル円下落継続。
24:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.6%(改定1.2)、予想0.6%、結果0.4%(×)
【考察】弱い数値だったものの、1H足押し安値かつ20MA、4H足20MAが重なる141.56付近で押し目買い強くドル円上昇。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値141.04。
能登半島大地震を受けて想定していた地政学リスクオフ円買いにより日足安値140.81を付けましたが、その後は日銀早期マイナス解除の可能性が後退したと見なされ強い円売りで東京高値141.67へ急上昇。原油先物価格上昇もドル円上昇に寄与。
大地震受け円安進行、日銀のマイナス金利「早期解除は困難」との声も(Bloomberg)
原油価格が上昇、イランが紅海に軍艦派遣-緊張高まる(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、米国債利回り上昇に伴うドル買い、JAL機・海保機衝突事故による円売りでドル円上昇し日足高値142.22を付けました。しかし、株先物・株価指数下落リスクオフ、原油先物価格急落、米国PMI確報値の弱い数値で141.51へ急落。その後、株先物・株価指数が上昇に転じドル円揉み合い。
日足終値142.01。
総じて、能登半島地震を受けた地政学リスクオフ円買いは殆ど見られず日銀早期マイナス金利解除観測後退、更にFRB利下げ観測後退によりドル円上昇。
【米国市況】ハイテク株が下落、利回り上昇-円下げて一時142円21銭(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
1/2(火)は12/29(金)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド拡大。ドル買い・売り材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool)
次回公表(2024年1月31日):25bps引き下げ10.9%、据え置き89.1%
初回利下げ観測:2024年3月20日公表、25bp引き下げ70.4%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み
2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と1/2織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.81%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.33%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.09%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.94%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps相当
(現状の相関関係は、25bpsでドル円約3円変動)
テクニカル分析
トレード
- 月足:2023年12月大陰線確定。押し安値下抜けから20MAへ下落中。
- 週足:12/25週、陰線確定。
- 日足:12/29陰線。下降トレンド。BBスクイーズ。週足押し安値付近でダブルボトム右肩形成の可能性ある位置。
- 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 1H足:下降トレンド。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス141.316かつ1H足20MAをダウ上昇→目標1H足レジスタンス141.830
(B)日足サポート140.252付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス140.734
②ショート
(C)1H足レジスタンス141.830付近まで上昇→ダウ転換下落→目標三角持ち合い下限
(D)三角持ち合い下限かつ4H足サポート140.734をダウ下落→目標4H足サポート140.252
(E)4H足サポート140.252をダウ下落→目標日足サポート139.475
1月通算:1勝0敗、勝率100%、獲得Pips +15.7
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