ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・政府、日銀
・FRB
3.その他
・実質五十日仲値
・日本三連休前(8/12振替休日)
・米国主要企業決算
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①円キャリー取引(促進or巻き戻し)、②米国労働市場、③米国経済成長、④インフレ、⑤地政学リスクに分類されます。
5.本日の注目材料
(1)8/8(木)マーケット影響
・8/7内田日銀副総裁の強烈なハト派発言影響→日本株上昇(円キャリー促進)→円売り
・8/7米国10年債入札(弱)→米国株下落(円キャリー巻き戻し)影響→日本株下落(円キャリー巻き戻し)→円買い
・米国新規失業保険申請件数(強)→景気減速懸念後退の米国株上昇(円キャリー促進)→円売り
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)→安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)→原油先物価格上昇→ドル買い・円売り
本日、景気減速懸念後退の米国株上昇(円キャリー促進)に連れてドル円上昇スタートを想定します。
但し、三連休を控えて休日中の地政学リスクオフ悪化も懸念されることから、持越しを避けた株決済ポジション調整(円キャリー巻き戻し)も入りやすいことからドル円急落にも警戒したい。
(2)地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
7/30以降は中東情勢が悪化し、8/7以降はウクライナ情勢も一気に緊張が高まりました。
・ヒズボラ、イスラエル北西部でドローン攻撃-複数の民間人が負傷(Bloomberg)
・ロシア西部で非常事態宣言-ウクライナ軍が最大規模の越境攻撃(Bloomberg)
下記のドル・円材料が想定されますが、市場織り込みが完了までは、ドル買い・円買いが交錯してドル円も乱高下しやすいと考えます。
(a)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り
(b)他国から安全資産米国債買い需要→ドル買い
(c)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→株上昇(円キャリー促進)→円売り
(d)世界的景気悪化懸念→株下落(円キャリー巻き戻し)→円買い
(e)原油先物価格上昇→インフレ懸念→ドル買い
(f)原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化→円売り
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:15~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/7, 2/27, 4/12, 5/15)
:政策スタンスはタカ派。前回5/15タカ派発言
米インフレ鈍化も目標に「まだ到達せず」-カンザスシティー連銀総裁(Bloomberg)
【考察】利下げ慎重のタカ派発言
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
19:00~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/7, 2/8, 2/28, 4/5, 4/11, 4/12, 5/8, 5/22, 6/18,8/9)
:政策スタンスは中立。前回6/18タカ派発言
ボストン連銀総裁、利下げ「近いうち」に適切に-インフレ鈍化続けば(Bloomberg)
【考察】早期利下げ支持のハト派発言も、データ次第のタカ派発言。しかし、FRB要人のタカ派寄り発言が続いたなかで強めのハト派が材料視された為か、ドル円下落。
19:57 報道
神奈川県で震度5弱 南海トラフ地震の想定震源域外(日本経済新聞)
【考察】8/8(木)宮崎震度6弱を受けて南海トラフ巨大地震注意へ初の臨時情報が出たばかり。 南海トラフ地震の想定震源域外とは言え、リスクオフへの警戒感が高まったためかドル円下落。
28:30 経済指標
IMM通貨先物8/6時点(ポジション推移)
円ショート大幅減
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.25
取引開始直後から、米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁のタカ派発言や、8/8米国新規失業保険申請件数(強)の景気減速懸念後退の影響を引き継いだ日本株上昇(円キャリー促進)に連れて東京オープン直後に日足高値147.82付け。
しかし、8/7日足高値147.91かつ148.00円台乗せ失敗すると、三連休前中のリスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、日本国内大地震)を警戒した手仕舞いも入りやすく、日本株下落(円キャリー巻き戻し)に連れて日通し安値146.72へ急落して引けました。
東京終値147.02
【日本市況】株上昇、米景気懸念緩和も相場不安定-円は底堅い(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後は、欧州株上昇に連れて147.32へ上昇するも、米国コリンズ・ボストン連銀総裁のハト派発言を受けて下落に転じ、NYオープン直後には日足安値146.27を付けました。
その後、米国株上昇(円キャリー促進)や原油先物価格上昇に連れたドル円上昇と、欧米週末持越しを避けたいロング勢決済が交錯したためか揉み合いで引けました。
日足終値146.62
【米国市況】株続伸、2日間の上げ幅が今年最大-円は146円台に上昇(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁のタカ派発言
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
売り材料:
・米国コリンズ・ボストン連銀総裁のハト派発言
<円売買交錯>
買い材料:
・三連休前中のリスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、日本国内大地震)警戒→日本株下落(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・8/8米国新規失業保険申請件数(強)→景気減速懸念後退の米国株上昇(円キャリー促進)
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・恒常的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増[特に夏ボーナス買い]、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回9月18日公表:25bps引き下げ44.5→50.5%、50bps引き下げ55.5→49.5%
年内利下げ観測:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
Trade
- 月足:8月陰線形成中。上昇トレンドからレンジ移行中。
- 週足:8/5週、陽線形成中。下降トレンドで押し安値到達し反発上昇中。
- 日足:8/8陽線。下降トレンド。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足三尊肩146.975付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値147.367
(B)1H足レンジ高値146.591付近へ下落→転換上昇→目標4H足三尊肩146.975
②Short
(C)日足高値147.549付近へ上昇→転換下落→目標4H足三尊肩146.975
(D)4H足三尊肩146.975かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足レンジ高値146.591
8月通算:9勝2敗、勝率81.8%、+319.1pips
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