ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/27の欧米マーケット影響
米国耐久財受注速報値の弱い数値で日足安値150.08へ下落したものの、切番150.00付近からの押し目買い強く反発。同刻発表の米国住宅価格指数と米国S&Pケースシラー住宅価格指数は強弱交錯するも強い数値が材料視され150.42へ急反発。
同刻発表の米国コンファレンスボード消費者信頼感指数と米国リッチモンド連銀製造業指数は強弱交錯し、ここでも強い数値が材料視され150.55上昇。
その後、米国7年債入札好調、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、原油先物価格上昇交錯し、ドル円乱高下。日足終値150.52
(2)経済指標
・米国実質GDP改定値
・米国卸売在庫速報値
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人
(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・月末ロンドンフィックス
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は150円台で高止まりか、米PCE物価の上振れ警戒(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀会合接近で売り-中期軟調重し(Bloomberg)
【日本株週間展望】小反落、最高値圏で足場固め-日米の物価指標注視(Bloomberg)
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
特に米国実質GDP改定値の注目度大。素直に強い数値でドル円上昇、弱い数値でドル円下落になりやすいですが、151円台からは政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まりやすくロング勢利確によってドル円上昇から急落もあり得ます。
一方で下値150.00付近は固く押し目買いも入りやすいことから、弱い数値で150.00付近へ下落すれば押し目買いの好機と言えそう。
②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
11:04~要人発言
清水日銀理事
(過去の発言:2/8, 2/20, 2/28)
:前回2/8ハト派発言
2%物価目標実現、現時点で十分な確度持っていない-清水日銀理事(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。ドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国実質GDP改定値(過去の発表日:2/23, 3/30, 4/27, 5/25, 6/29, 7/27, 8/30, 9/28, 10/26, 11/29, 12/21,1/25, 2/29)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回3.3%、予想3.3%、結果3.2%(×)
個人消費:前回2.8%、予想2.8%、結果3.0%(◎)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回1.5%、予想1.5%、結果1.6%(◎)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.0%、予想2.0%、結果2.1%(◎)
<参考>
23年12月FOMC経済見通し
23年度実質GDP2.6%、コアPCE2.8%
24年度実質GDP1.5%、コアPCE2.4%
【考察】総じて強い数値。初動乱高下からドル円上昇。
22:30 経済指標
米国卸売在庫速報値
前月比:前回0.4%(改定-)、予想0.1%、結果-0.1%(×)
25:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
26:15~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回2/8タカ派発言
(過去の発言:9/6, 9/22, 10/11, 10/12, 11/17, 2/7, 2/8, 2/28)
【考察】タカ・ハト派発言
26:27~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはハト派。前回2/16タカ派発言。
(過去の発言:1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16, 2/28)
【考察】タカ派発言
26:45~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回2/23タカ派発言
(過去の発言:11/16, 11/28, 11/30, 12/15, 1/10, 1/17, 2/23, 2/28)
NY連銀ウィリアムズ総裁、2%目標の達成には「まだ長い道のり」(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.52
東京オープン後、東京安値150.37を付けたタイミングで清水日銀理事のハト派発言により東京高値150.64へ急上昇。
きょうの国内市況(2月28日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンに向かってドル円上昇継続し、オープン後に日通し高値150.79へ到達。
注目の米国実質GDP改定値は総じて強い数値。初動乱高下から揉み合いながらも日足高値150.85へ上昇。
米国コリンズ・ボストン連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のタカ派発言続くも、翌日注目の米国PCEデフレータ発表を控えて揉み合い。
日足終値150.71
【米国市況】株は小幅安・国債上昇、PCE待ち-ドルは150円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:米国実質GDP改定値は総じて強い数値、米国コリンズ・ボストン連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のタカ派発言
売り:米国コリンズ・ボストン連銀総裁のハト派発言
・円買い優勢
買い:株下落
売り:清水日銀理事のハト派発言
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ2.5%、据え置き97.5%
5月1日公表:25bp引き下げ19.0%、据え置き80.6%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/26週、陰線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近から戻り売り強く滞留。
- 日足:2/27下長ヒゲ陰線。レンジ上限で売買交錯
- 4H足:レンジ。20MA付近。
- 1H足:上昇チャネル。BB+1σ付近。
- 15M足:レンジ。BB+1σ付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足サポート150.267付近へ下落→ダウ転換上昇→目標日足レジスタンス150.511
(B)日足サポート149.990付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス150.267
②ショート
(C)4H足サポート150.267をダウ下落→目標日足サポート149.990
2月通算:9勝11敗、勝率45.0%、獲得Pips +0.9
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