ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/4の欧米マーケット影響
米国経済指標が総じて弱い数値を受けると日通し安値151.51へ下落。米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言、原油先物価格高止まりから再上昇するも、米国ブリンケン国務長官のイスラエル支援後退示唆の地政学リスクオフで日足安値151.12へ急落。
しかし、米国メスター・クリーブランド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁タカ派発言が続きドル円下げ止まりから上昇。NYクローズ直前に植田日銀総裁のタカ派発言報道あるも影響薄。日足終値151.35
(2)経済指標
・米国雇用統計
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・五十日仲値
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ
本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
但し、相場参加者がこのパターンに慣れた頃に今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落が生じる可能性には注意。その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
特に注目は米国雇用統計。「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、弱い数値が出てもドル円下落は一時的となり、押し目買いの機会になりやすい。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。最近は露モスクワでテロ発生、イスラエルの在シリアイラン大使館空爆、更に4/4イランとイスラエルを巡る地政学リスクオフ悪化。原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすく、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
しかし、4/4はリスクオフ円買い(積み上がった円売りポジション巻き戻し)によるドル円急落が起こり、本日もドル円下落に要警戒。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:51~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2, 4/4, 4/5)
断固たる措置の内容、具体的な言及はしない=為替相場で鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落
東京マーケット(9:00~15:00)
9:53~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12, 3/13, 3/19, 3/21, 3/22, 3/27, 4/4, 4/5)
:前回4/4タカ派発言
為替は経済・物価に影響する要因、市場動向を十分注視-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
15:44~要人発言
岸田首相
為替の過度な動きに適切に対応、あらゆる手段を排除しない-岸田首相(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;4/7, 5/5, 6/2, 7/7, 8/4, 9/1, 10/6, 11/3, 12/8, 1/5, 2/2, 3/8, 4/3)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数(NFP):前回27.5万人(改定27.0)、予想20.1万人、結果30.3万人(◎)、2022年5月以来の強さ。
失業率:前回3.9%(改定)、予想3.9%、結果3.8%(◎)
平均時給
前月比:前回0.1%(改定0.2)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回4.3%(改定)、予想4.1%、結果4.1%(○)
米雇用統計、FRBは利下げ予想の見直し必要も-市場関係者の見方(Bloomberg)
【考察】
発表前:強い数値期待織り込み上昇から直前は決済入り下落。直前151.28
発表後:強い数値。ドル円上昇し日足高値151.75付け(上昇幅=151.75-151.28=0.47)。
しかし、切番152.00目前の日足レンジ高値かつ4H足戻り高値151.71で止められると1H足ダウ高値151.44へ失速(約66%戻し)。政府・日銀為替介入警戒や中東地政学リスクオフ悪化懸念が根強い様子。
その後、1H足ダウ押し目買いと交錯して引け掛けて揉み合い。
21:30~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/17, 2/7, 2/8, 2/28, 4/5)
:政策スタンスは中立。前回2/28タカ、ハト派発言
【考察】金融政策についてはコメントなし。
24:01~要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/7, 2/9, 3/1, 4/5)
:政策スタンスはタカ派。前回3/1金利見通しへのコメントなし。
ダラス連銀総裁、利下げについて考えるのは「あまりに早過ぎる」(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
25:30~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:1/8, 1/17, 2/3, 2/12, 2/21, 2/27, 3/7, 4/2, 4/5)
:政策スタンスは中立。前回4/2金融政策に関するコメントなし。
ボウマンFRB理事、利下げの時期には「まだ至っていない」(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
28:30 経済指標
IMM通貨先物4/2時点(ポジション推移)
円ショート大幅増
【考察】円売り材料
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.35
東京高値151.34
前日の中東地政学リスクオフ悪化とNYクローズ直前に植田日銀総裁のタカ派発言報道の影響、鈴木財務相・植田日銀総裁の円安牽制発言から東京・日足安値150.81へ急落。しかし、従来通りの牽制内容で押し目買いの機会となり、151.30へ上昇。
欧米マーケット:
欧州オープンに入って151.45へ上昇すると注目の米国雇用統計を控えて151.28へじり下げ。
米国雇用統計は強い数値(特にNFPは2022年5月以来の強さでサプライズ)となり、日足高値151.75へ上昇。しかし、政府・日銀為替介入警戒や中東地政学リスクオフ悪化懸念から、152円台乗せ材料になれず失速。米国ローガン・ダラス連銀総裁、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言続くも、週末持越しを避けたい思惑も交錯し引けに掛けて揉み合い。
日足終値151.63。
【米国市況】株反発、強い雇用統計で景気楽観論強まる-151円60銭台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:米国雇用統計の強い数値。米国ローガン・ダラス連銀総裁、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言。原油先物価格高止まり
売り:
・円売買交錯
買い:中東地政学リスクオフ。鈴木財務相、植田日銀総裁、岸田首相の円安牽制発言。日本株下落
売り:米株上昇リスクオン。原油先物価格高止まり。IMM通貨先物4/2時点円売りショート大幅増
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:25bp引き下げ6.7%、据え置き93.3%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ46.1%、据え置き50.8%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。レンジ上限到達
- 週足:4/1週、陽線形成中。レンジ上限到達。
- 日足:4/4陰線。レンジ。4/5もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)切番151.00付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レンジ下限151.206
(B)4H足押し安値150.618付近へ下落→ダウ転換上昇→目標切番151.00
②ショート
(C)4H足レンジ下限151.206をダウ下落→目標切番151.00
(D)切番151.00をダウ下落→目標4H足押し安値150.618
4月通算:3勝0敗、+34.1 pips
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