ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国FOMC議事要旨(9/17~9/18開催分)
・米国10年債入札
2.要人発言
・政府日銀円安牽制、追加利上げ牽制の火消し発言(特に150円台目前付近)
・FRB
3.その他
・臨時国会会期末、衆院解散
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ4倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤米国大統領選挙、⑥地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は上昇か、石破首相発言後の円安修正が続く可能性(Bloomberg)
・【債券週間展望】長期金利低下か、早期利上げ観測後退や入札順調予想(Bloomberg)
・【日本株週間展望】反発、内需銘柄に買い-国内小売企業の決算に期待(Bloomberg)
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
米国FOMC議事要旨ですが、10/4米国雇用統計(強)で市場利上げ観測が変わる前のことですので、サプライズがない限りドル円反応は限定的と考えます。
(2)中東地政学リスクオフ
10/1以降、イランがイスラエルへ大規模なミサイル攻撃を実施し、イスラエルは報復を宣言、米国軍も今まで以上に戦闘に直接関与することから、中東戦争拡大への懸念が高まりました。
現状は地政学リスクオフ悪化の一途を辿っておりドル円急落から乱高下の可能性が高いですが、イスラエル報復開始が停滞するようなら地政学リスクオフ後退から巻き戻しのドル円上昇を想定します。
今まで以上に報道や要人発言ヘッドラインに要警戒が必要と考えます。
(a)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り
(b)他国から安全資産米国債買い需要→リスクオフドル買い
(c)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→株上昇(円キャリー促進)→円売り
(d)世界的景気悪化懸念→株下落(円キャリー巻き戻し)→円買い
(e)原油先物価格上昇→インフレ懸念→ドル買い
(f)原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化→円売り
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30~要人発言
米国ジェファーソンFRB理事
(過去の発言:2/22, 4/16, 5/13, 5/20, 10/9)
:政策スタンスは中立。前回5/20タカ派発言。
米FRB副議長、インフレと雇用のリスクバランス「ほぼ均衡」と認識(Bloomberg)
【考察】景気減速懸念発言。ドル円下落
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:15~要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:4/5, 5/10, 6/18, 10/9)
:政策スタンスはタカ派。前回6/18タカ派発言
ダラス連銀総裁、緩やかなペースでの利下げ支持-経済の見通し不確実(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
25:00 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q3:前回3.2%、予想3.2%、結果3.2%(○)
【考察】強い数値。ドル円上昇。
26:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額(Offering Amount):390億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回3.648%、結果4.066%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.64倍、結果2.48倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回76.0%、結果77.6%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-1.4bps、結果+0.4bps(×)。4.066-4.062=0.004
WI:4.062%
【考察】入札不調。ドル円上昇。
27:00 経済指標
米国FOMC議事要旨(9/17~9/18開催分)
(過去の発表日:1/3, 2/21, 4/10, 5/22, 7/3, 8/21, 10/9)
FOMC議事要旨:利下げ幅巡り活発な議論、一部が0.25ポイント支持(Bloomberg)
【考察】ハト派内容。10/4米国雇用統計(強)で市場利上げ観測が大きく変わる前だったためか、ドル円上昇。
<まとめ>
東京マーケット:
・ドル円:乱高下
・株式:日経平均,TOPIX上昇、ダウ先物揉み合い下落
・国債:日本10年債利回り揉み合い、米国10年債利回り揉み合い
・通貨強弱:ドル>円(ドル買い、円買いから売り)
・原油先物価格:揉み合い。
日足始値148.21
取引開始後、米国ジェファーソンFRB理事の景気減速懸念派発言を受けて日足安値148.01を付けると、米国株上昇波及と中国株下落波及交錯し、日本株上昇につれて日通し高値148.62を付けて引けました。
【日本市況】株価反発、半導体上昇でアドテスト高値-円安、金利上昇(Bloomberg)
欧米マーケット:
・ドル円:欧州上昇、NY上昇
・株:欧州株揉み合いから上昇、米国主要3指数(ダウ、S&P、ナスダック)上昇、日経平均先物上昇
・国債:欧州10年債利回り上昇、米国10年債利回り上昇
・通貨強弱:ドル>円(ドル買い、円売り)
・原油先物価格:急落から上昇
欧州オープンすると前日同様に地政学(中東、ウクライナ・ロシア)リスクオフに伴う欧州株下落でドル円下押しあるも、欧州株が持ち直すと、リスクオン株買い・債券売りで米国10年債利回り急上昇。
更に、米国ローガン・ダラス連銀総裁のタカ派発言、米国株上昇、米国10年債入札(弱)を受けて日足高値149.36を付けて引けました。
日足終値149.31
【米国市況】S&P500再び最高値、円は149円台に下落-CPIに焦点(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国ローガン・ダラス連銀総裁のタカ派発言
・米国10年債入札(弱)
売り材料:
・米国ジェファーソンFRB理事の景気減速懸念派発言
<円売り優勢>
買い材料:
・中国連休明け期待された大規模な刺激策発表なし→中国株下落波及→日本株下落
売り材料:
・10/4米国雇用統計(強)影響→米国好景気期待→米国株上昇波及→日本株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き14.8→21.2%、25bps引き下げ85.2→78.8%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:10月陽線形成中。レンジ。20MA付近。
- 週足:10/7週、陰線形成中。下降トレンド中の調整波相当。戻り高値付近
- 日足:10/8下ヒゲピンバー。上昇トレンド。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足高値148.382をダウ上昇→目標1H足戻り高値148.641
(B)1H足戻り高値148.641をダウ上昇→目標1H足戻り高値148.941
②Short
(C)1H足戻り高値148.941付近へ上昇→転換下落→目標1H足戻り高値148.641
(D)1H足レンジ高値148.084かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値147.844
本日:2勝0敗、+55.8pips
10月通算:6勝5敗、勝率54.4%、RR2.05 、+115.0pips
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