2024年2月21日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)2/20の欧米マーケット影響
欧州オープン後も米国債利回り低下止まらず、原油先物価格下落も生じ、更にカナダ消費者物価指数の弱い数値が米国債利回り低下に波及し日足安値149.69へ急落。2/22最大の注目材料とされるNVIDIA決算発表を控えた株売り債券買いポジション調整との見方もあり。引けに掛けては米国債利回り持ち直しドル円上昇。
日足終値150.00

(2)経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・米国20年債入札
・米国FOMC議事要旨

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人

(4)その他
・中東地政学リスクオフ
・米国エヌビディア決算
【債券週間展望】長期金利は上昇か、20年入札警戒やマイナス解除観測(Bloomberg
【日本株週間展望】踊り場、米エヌビディア決算注視-業績期待は支え(Bloomberg

本日注目材料は4点。

①米国FOMC議事要旨
注目点は3月利下げ否定の理由。タカ派内容ならドル円上昇、ハト派内容ならドル円下落ですが、発表がNYマーケットクローズ直前であることからサプライズなければ大きな動きになりにくい。

②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。

③NVIDIA決算
エヌビディアのオプション、決算発表後に2000億ドル近い時価変動示唆(Bloomberg

決算への注目度は高く好決算が見込まれています。2/20は株売り債券買いポジション調整との見方も出たドル円急落も生じており、事前報道通り決算好調ならドル円上昇、不調ならドル円下落見込み。
一方で、発表前までに強い期待の株買い債券売りでドル円上昇が進む可能性もありますが、その場合は発表後に材料出尽くしの利益確定売り(Sell the fact)でドル円急落に要警戒。

④中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回621億円(改定689)、予想-18500億円、結果-17583億円(○)
季調済:前回-4127億円(改定-4401)、予想-2310億円、結果2353億円(◎)
1月の輸出は11.9%増、2カ月連続プラス-日銀政策正常化を後押し(Bloomberg

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:25~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはタカ派。前回2/16タカ派発言。
(過去の発言:12/191/31/51/112/72/82/12, 2/16, 2/21)
リッチモンド連銀総裁、一部セクターの物価上昇圧力はなお高過ぎる(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇。

27:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.423%、結果4.595%(×)
応札倍率:前回2.53倍、結果2.39倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回62.2%、結果59.1%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.8bps、結果+3.3bps(×)
国債発行日前取引(WI):4.562 %

【考察】入札不調。ドル円上昇。

27:22~要人発言
米国ボウマンFRB理事
:政策スタンスは中立。前回2/12タカ派発言。
(過去の発言:11/711/911/281/81/172/3, 2/12, 2/21)
ボウマンFRB理事、利下げ時期が「今ではないのは確かだ」(Bloomberg

【考察】タカ派発言。

28:00 経済指標
米国FOMC議事要旨
(過去の発表日:2/224/125/247/58/1610/1111/21, 1/3, 2/21)
FOMC、時期尚早な利下げリスク懸念する声が大部分-議事要旨(Bloomberg

【考察】タカ派内容。しかしドル円上昇は一瞬。サプライズない内容だったためか乱高下。

30:20 米国主要企業決算
NVIDIA
売上高:前回181.2億ドル、予想206.2億ドル、結果221.0億ドル(◎)
EPS:前回4.02ドル、予想4.64ドル、結果5.16ドル(◎)
エヌビディア、2-4月の売上高見通し240億ドル前後と予想上回る(Bloomberg

【考察】決算良好。株上昇につれてドル円上昇。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.00
東京オープン序盤は米国債利回り上昇に伴い日通し高値150.09を付けたものの、日本株下落リスクオフにつれて日通し安値149.85へ下落。材料不足、かつ本日注目のNVIDIA決算控え方向感乏しく推移。

きょうの国内市況(2月21日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁と米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、米国20年債入札不調、米国FOMC議事要旨のタカ派内容で日足高値150.40へ上昇。しかし、米国FOMC議事要旨のサプライズない内容だったためか上昇は一瞬、その後は乱高下。
注目のNVIDIA決算良好で取引終了に掛けてドル円上昇。翌日、日本株上昇につれてドル円急上昇の期待あり。
日足終値150.29

【米国市況】エヌビディア決算目前、株は小反発-ドルは150円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売買交錯
買い:原油先物価格上昇、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁と米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、米国20年債入札不調、米国FOMC議事要旨のタカ派内容、NVIDIA決算良好
売り:

・円売り優勢
買い:
売り:原油先物価格上昇

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
3月20日公表:25bp引き下げ6.5%、据え置き93.5%
5月1日公表:25bp引き下げ27.4%、据え置き71.1%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
  • 週足:2/19週、コマ足形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近から戻り売り発生。
  • 日足:2/20コマ足陰線。上昇トレンド。BB+1σ付近から押し目買い発生。週足売りと交錯。
  • 4H足:下降チャネル。BB-1σ付近。
  • 1H足:レンジ。20MA付近。
  • 15M足:上昇チャネル。BB+2σ付近。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス150.025かつ1H足20MAをダウ上昇→1H足チャネル上限
(B)4H足レジスタンス150.523をダウ上昇→目標4H足レジスタンス150.783

②ショート
(C)1H足チャネル上限付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート150.025
(D)1H足サポート150.025かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート149.613

2月通算:6勝9敗、勝率40.0%、獲得Pips +0.9

(Trading View)

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