2024年4月17日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)4/16の欧米マーケット影響
4/15米国小売売上高の強い数値と過去最高ペースの米社債発行、中東地政学リスクオフの影響継続、加えて米国イエレン財務長官、米国ジェファーソンFRB理事のタカ派発言により日通し高値154.77へ急騰。
NYオープン後、155円台目前で政府・日銀為替介入警戒感やパウエルFRB議長発言を控えてロング勢の利確が入ったためか日足安値153.90へ急落。しかし、ここで押し目買いが入り全戻し。
また、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁、米国パウエルFRB議長のタカ派発言で日足高値154.79へ上昇。日足終値154.73

(2)経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・米国20年債入札
・米国ベージュブック(地区連銀経済報告)

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(4)その他
・米国主要企業決算
・中東地政学リスクオフ

【日本株週間展望】続伸、半導体関連の決算に注目-IMFの見通しも(Bloomberg

本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入、実介入
4/15米国小売売上高の強い数値で154円台に乗ったことで今までより強い口先介入・実介入への警戒感が高まりました。しかし、ファンダメンタルズに基づくドル円急騰であることから、実介入が実施されてドル円暴落が生じても、押し目買いに機会になりやすいと推測します。

②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。

③米国経済指標
「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、政府・日銀為替介入による一時的な急落には要警戒。一方、弱い数値が出ても単発データでFRB政策利下げ前倒しの可能性は低く、ドル円下落は一時的となり押し目買いの機会になりやすいと推測します。

④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 要人発言
日韓財務相、為替変動で「適切な措置」講じる可能性に言及(Bloomberg

【考察】為替変動牽制発言。

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-3794億円(改定-3778)、予想3400億円、結果3665億円(◎)
季調済:前回-4516億円(改定-5662)、予想-3000億円、結果-7015億円(×)
3月の輸出は7.3%増、4カ月連続プラス-貿易収支3665億円の黒字(Bloomberg

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

16:09~要人発言
林官房長官
動向注視しつつ、万全の対応していく=円安で林官房長官(Reuters

【考察】円安牽制発言。

16:14 要人発言
小林日本商工会議所会頭
財界首脳から相次ぐ円安是正要望、「行き過ぎ」と新浪氏-155円目前(Bloomberg

【考察】円安是正要望発言。

25:09 要人発言
日米韓会合声明
日米韓の財務相、急速な円安とウォン安に関する懸念認識-緊密に協議(Bloomberg

【考察】協調為替介入警戒

26:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.542%、結果4.818%(×)
応札倍率:前回2.79倍、結果2.82倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回73.49%、結果74.7%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-2.0bps、結果-2.5bps(◎)

【考察】入札好調。

27:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。政策金利決定の材料とされるため注目度大。
米経済「わずかに拡大」、企業の価格転嫁困難に-ベージュブック(Bloomberg

【考察】経済拡大小

28:19~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/53/73/83/123/153/193/213/223/263/273/294/14/24/44/54/94/114/124/15, 4/16, 4/17)
鈴木財務相、為替で具体的な対応への言及控える-日米韓会合の終了後(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。

28:23~要人発言
神田財務官
(過去の発言:11/112/212/142/293/53/253/273/294/11, 4/15, 4/17)
:前回4/15円安牽制発言
鈴木財務相、為替介入「立場説明」 米財務長官と会談(日本経済新聞

【考察】円安牽制発言。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.73
155円台目前に政府・日銀為替介入警戒感がより高まり、東京・日足高値154.74を付けてからは東京安値154.60の小幅揉み合い。日韓財務相の為替変動牽制発言は影響薄。
東京クローズ後、日通し安値154.46付けるも押し目買いは依然強く即全戻し。
きょうの国内市況(4月17日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、154.65へ上昇してからは、林官房長官の円安牽制発言と小林日本商工会議所会頭の円安是正要望発言で下押しするも即全戻しから揉み合い。155円台目前に政府・日銀為替介入警戒感は継続。
NYマーケットに入ると、日米韓共同声明から協調為替介入警戒が一気に高まり日足安値154.16へ急落。米国ベージュブックでの経済拡大小、日米韓会合声明、鈴木財務相・神田財務官の円安牽制発言を受けて引けに掛けて揉み合い。
日足終値154.40

【米国市況】S&P500種は4日続落、ドル6日ぶりに下げ154円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売り優勢
買い:
売り:日米韓会合声明から協調為替介入警戒。米国20年債入札好調。

・円売り優勢
買い:日韓財務相の為替変動牽制発言。林官房長官、鈴木財務相、神田財務官の円安牽制発言。小林日本商工会議所会頭の円安是正要望発言。
売り:

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
5月1日公表:据え置き95.9%
9月18日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ46.6%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:4月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:4/15週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:4/16陽線。上昇トレンド。政府・日銀の強い口先介入か実為替介入なければ4/17も上昇優勢と推測。
  • 4H足:上昇チャネル。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ下限150.910付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足押し安値151.285

②ショート
(B)4H足レンジ上限151.845付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H押し安値151.523
(C)1H足押し安値151.523かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値151.285

4月通算:7勝3敗、勝率70.0%、+60.6pips

(Trading View)

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