2024年12月18日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・米国経常収支
・米国住宅着工、米国住宅建築許可
・米国FOMC公表

2.要人発言
・政府円安牽制
日銀ブラックアウト期間(12/16~12/19)
・米国トランプ次期大統領
・米国パウエルFRB議長

3.その他
・日銀会合関連リーク報道
・政情不安リスクオフ(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は、FOMC公表、パウエルFRB議長会見です。
2024年、米国FOMC発表日のドル円動きまとめ

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:24 報道
ホンダ、日産との経営統合含めた選択肢検討-実現にはハードルも(Bloomberg

【考察】業績改善期待。リスクオン。ドル円上昇。

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支(輸出額から輸入額を差し引いた収支)
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-4612億円(改定-4621)、予想-6866億円、結果-1176億円(◎)
季調済:前回-3577億円(改定-2292)、予想-4271億円、結果-3842億円(○)

【考察】強い数値。

東京マーケット(9:00~15:30)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国経常収支
前回-2668億ドル(改定-2750)、予想-2870億ドル、結果-3109億ドル(×)

22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから重要度が上がっています。

件数:前回131.1万件(改定131.2)、予想135.0万件、結果128.9万件(×)
前月比:前回-3.1%(改定-3.2)、予想2.3%、結果-1.8%(△)

米国住宅建築許可
件数:前回141.6万件(改定141.9)、予想142.8万件、結果150.5万件(◎)
前月比:前回-0.6%(改定-0.4)、予想0.9%、結果6.1%(◎)

【考察】強弱混在。ドル円揉み合い継続。

28:00 経済指標
米国FOMC公表
(発表日; 1/313/205/16/127/319/18, 11/7, 12/18)
(Federal Open Market Committee)
①FRB政策金利:前回4.50-4.75%、予想4.25-4.50%、結果4.25-4.50%(○)
②実質GDP見通し
2024年:前回2.0%、結果2.5%(◎)
2025年:前回2.0%、結果2.1%(◎)
2026年:前回2.0%、結果2.0%(○)
2027年:前回2.0%、結果1.9%(×)
Longer run:前回1.8%、結果1.8%(○)

③失業率見通し
2024年:前回4.4%、結果4.2%(◎)
2025年:前回4.4%、結果4.3%(◎)
2026年:前回4.3%、結果4.3%(○)
2027年:前回4.2%、結果4.3%(◎)
Longer run:前回4.2%、結果4.2%(○)

④コアPCE見通し
2024年:前回2.6%、結果2.8%(◎)
2025年:前回2.2%、結果2.5%(◎)
2026年:前回2.0%、結果2.2%(◎)
2027年:前回2.0%、結果2.0%(○)
Longer run:-

⑤政策金利見通し
2024年:前回4.4%、結果4.4%(○)。
2025年:前回3.4%、結果3.9%(◎)。年内利下げ見通し2回
2026年:前回2.9%、結果3.4%(◎)
2027年:前回2.9%、結果3.1%(◎)
Longer run:前回2.9%、結果3.0%(◎)

⑥FOMC声明:調整の程度・時期検討する上で、データやリスク見極め(Bloomberg


【考察】
発表前:タカ派的利下げ(今回0.25%利下げでも2025年1月据え置き)への期待が織り込まれてドル円じり上げ。直前153.77。
発表後:市場観測よりも強いタカ派的利下げで初動日通し高値154.63へ上昇。その後は米国パウエルFRB議長控えた決済も入り下押し。

28:30~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(Fed News & Events, Calendar
(発言:11/711/14, 12/4, 12/18)
:政策スタンスは中立。前回12/4タカ派発言
FOMC、金利引き下げ-追加利下げにはインフレ進展必要と議長(Bloomberg

【考察】タカ派発言。日足高値154.87へ上昇。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.45
ホンダ、日産との経営統合含めた検討報道受けて日通し高値153.79へ上昇するも、前日同様に本日米国FOMC公表や12/19日銀会合公表前に手控えや決済が交錯したためか日足安値153.33を付けて揉み合いで引けました。

【日本市況】自動車株が上昇、日産とホンダ合併検討-日銀控え債券高(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州に入ると、米国FOMC公表でタカ派的利下げ(今回0.25%利下げでも2025年1月据え置き)への期待が織り込まれてドル円じり上げ。

米国FOMC公表は市場観測よりも強いタカ派的利下げで初動日通し高値154.63へ上昇。米国パウエルFRB議長もタカ派発言。これらタカ派を嫌気したリスクオフ米国株急落(円キャリー巻き戻し)も交錯しましたが、タカ派の影響強く日足高値154.87を付けて引けました。
日足終値154.84

【米国市況】株続落、予想利下げ回数減少で利回り上昇-154円台後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国FOMC公表:タカ派的利下げ
・米国パウエルFRB議長のタカ派発言

売り材料:

<円売買交錯>
買い材料:
・米国FOMC公表タカ派的利下げ、米国パウエルFRB議長タカ派発言→米国株急落(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・ホンダ、日産との経営統合含めた選択肢検討報道。
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.2→91.4%)、0.25%引き下げ(7.2→8.6%)
年内利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.25%
次回12月19日(木)公表:0.25%引き上げ(16%)
年内利上げ観測:据え置き観測

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