2024年1月31日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/30の欧米マーケット影響
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数と米国JOLTS求人件数の強い数値でドル円急騰。更に原油先物価格上昇も加わり日足高値147.93へと切番148.00手前へ到達。その後、1/31米国FOMC公表、パウエルFRB議長会見控えてロング勢決済も入り引けに掛けて下落。

(2)経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国雇用コスト指数
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国四半期定例入札
・米国FOMC公表(FRB政策金利、声明)
米財務省、中長期債の発行規模拡大は今回が最後か-31日に四半期入札(Bloomberg

(3)要人発言
・日銀、金融政策決定会合における主な意見(1月22・23日分)
・政府日銀急変動牽制(実質円安牽制)
・パウエルFRB議長会見

(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
・月末ロンドンフィックス
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀の政策修正期待で金利先高観(Bloomberg
【日本株週間展望】調整含み、米金融政策の影響注視-決算も見極め(Bloomberg

本日最大の注目は米国FOMC公表、パウエルFRB議長会見
今回会合は政策金利据え置きが市場コンセンサス。従って声明文の内容やパウエル議長会見で、3月会合での利下げ示唆に注目が集まります。
ハト派寄りとなれば市場の期待に沿っていることから素直にドル円急落、タカ派姿勢となれば最近大きく低下した利下げ織り込みの巻き戻しで強いドル円上昇を想定します。但し、ハトかタカ派の解釈が判れるようなら乱高下もあり得るため警戒したい。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 要人発言
日銀、金融政策決定会合における主な意見(1月22・23日分)(日本銀行
マイナス金利解除含めた政策修正、要件満されつつある-日銀意見(Bloomberg

【考察】マイナス金利解除を含めた踏み込んだ金融政策正常化の議論がありタカ派内容でドル円急落。

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

19:42 報道
2月の住宅ローン金利、大手3行引き上げ 10年固定金利(日本銀行

21:33 報道
NYコミュニティ・バンコープ株が45%下落、予想外の損失で減配(Bloomberg

【考察】サプライズ報道。リスクオフ円買い、米国債利回り低下ドル売りでドル円下落。

22:15 経済指標
米国ADP雇用者数(過去の発表日:1/52/13/84/55/36/17/68/28/3010/411/112/5, 1/4, 1/31)
後日発表の米国雇用統計との差異も注目される。
前月比:前回16.4万人(改定)、予想14.5万人、結果10.7万人(×)

【考察】サプライズの弱い数値でドル円下落。

22:30 経済指標
米国雇用コスト指数
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回1.1%(改定)、予想1.0%、結果0.9%(×)

【考察】弱い数値でドル円下落継続。

22:30 要人発言
米国財務省
米財務省、四半期入札の規模拡大-来年までさらなる増額ないと予想(Bloomberg

【考察】入札規模拡大だが来年までさらなる増額はないとの見通しでドル円下落継続。

23:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回46.9(改定47.2)、予想48.2、結果46.0(×)

25:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。

28:00 経済指標
米国FOMC公表
(過去の発表日; 12/142/13/225/36/147/269/2011/1, 12/13, 1/31)
(Federal Open Market Committee)
FRB政策金利:前回5.25-5.50%、予想5.25-5.50%、結果5.25-5.50%(○)
FOMC声明:目標へのリスクバランス改善、確信強めるまで利下げない(Bloomberg

【考察】
発表前:NYCBサプライズ損失、米国経済指標悪化、米国財務省四半期定例入札規模拡大だが来年まで増額なし、月末ロンドンフィックスに向けてのポジション調整によるドル円急落から持ち直し。直前146.44。
発表後:予想通り政策金利据え置き。声明文は利下げは差し迫っていないタカ派発言。市場期待の利下げ示唆はなく初動ドル円上昇。Buy the factの動き。

28:31~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:10/210/1911/111/912/1, 12/13, 1/31)
FOMC、金利据え置き-3月利下げの可能性低いとパウエル議長(Bloomberg

【考察】初動は引き締めピークに達したハト派発言でドル円下落するも、持続的にインフレ2%達成の確信得られるまで利下げない(3月利下げの可能性低下)のタカ派発言で切り返し。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.61
日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22・23日分)のタカ派内容を受けて、日本国債利回り急騰から日通し安値147.19へ急落するも、前日米国JOLTSの強い数値や本日米国FOMC公表の政策維持見通しからドル買い需要強く即全戻しから147.82へ急騰。

きょうの国内市況(1月31日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン前に日通し高値147.90を付けるも、切番148.00付近は上値重く欧州国債利回りに連れた米国債利回り低下でドル円下落。しかし、前日米国JOLTSの強い数値や本日米国FOMC公表の政策維持見通しからドル買い需要強く乱高下。
NYオープン前からNYCBサプライズ損失、米国ADP雇用者数・米国雇用コスト指数・米国シカゴ購買部協会景気指数の弱い数値、米国財務省四半期定例入札規模拡大だが増額なし、更に月末ロンドンフィックスに向けてのポジション調整も重なり一気に日通し安値146.07へ急落。
米国パウエルFRB議長会見は初動ハト派発言で日足安値146.01を付けた後、3月利下げの可能性低いとのタカ派発言で切り返し上昇。
日足終値146.97

【米国市況】株が今年最大の下落、FOMC利下げ急がず-147円付近(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・1/31ドル売買交錯
ドル買い:月末仲値需要、米国FOMC公表タカ派発言、パウエルFRB議長タカ派発言
ドル売り:NYCBサプライズ損失、米国ADP雇用者数・米国雇用コスト指数・米国シカゴ購買部協会景気指数の弱い数値、米国財務省四半期定例入札規模拡大だが増額なし、月末ロンドンフィックスに向けてのポジション調整

・1/31円買い優勢
円買い:日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22・23日分)のタカ派内容。大手銀行住宅ローン引き上げ発表、日本株急落リスクオフ、月末ロンドンフィックスに向けてのポジション調整
円売り:

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

1/31(水)は1/30(火)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド縮小。ドル売り買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
3月20日公表:25bp引き下げ35.5%、据え置き64.5%
5月1日公表:25bp引き下げ61.3%、据え置き7.1%
合計利下げ:25bps×5回=125bps → 政策金利400~425bps見込み

テクニカル分析

トレード

  • 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
  • 週足:1/29週、陰線形成中。20MAに対しレジサポ形成し上昇トレンド。1/29週は上昇優勢。但し、再度20MAへの下押しの可能性あり。
  • 日足:1/30陽線コマ足。レンジ。BBスクイーズ。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス147.848をダウ上昇→目標4H足レジスタンス148.162
(B)4H足サポート146.765付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス147.200

②ショート
(C)1H足サポート147.200をダウ下落→目標4H足サポート146.765

1月通算:11勝10敗、勝率52.4%、獲得Pips +147.5

(Trading View)

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