2025年1月29日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

注目材料

1.経済指標
・日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(12月18・19日分)
・米国FOMC公表(2024年、米国FOMC発表日のドル円動きまとめ
・カナダ中銀政策金利

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・米国パウエルFRB議長

3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。
・月末スポット応当日
・米国主要企業決算(特に、メタプラットフォームズ、マイクロソフト、テスラ)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:30)

8:50 経済指標
日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(12月18・19日分)(日本銀行
利上げに前向きな2委員、米動向など注視で現状維持支持=日銀12月会合要旨(Reuters

【考察】ハト、タカ派内容交錯。ドル円揉み合い。

9:55 仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。年末・月末スポット応当日は仲値に向けて売買交錯しやすい。

*スポット:直物為替(直物取引)。原則、売買を契約した日(約定日)から2営業日後に受け渡しをする外国為替取引のことです。

*スポット応当日:スポットの受け渡し日のこと。年末、月末や四半期末には仲値に向けた実需勢等の売買が交錯しやすく荒い値動きが生じる可能性があります。

15:10~要人発言
日銀の政策変更、賃金と物価の好循環などの広がりが背景=石破首相(Reuters

【考察】1月日銀会合利上げ支持。円安牽制発言。しかしドル円上昇。

16:41~要人発言
為替で「緊密協議」を確認、加藤財務相がベッセント米財務長官と(Bloomberg

【考察】円安牽制発言なかったものの警戒感からかドル円下落から揉み合い。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

23:45 要人発言
カナダ中銀
政策金利:前回3.25%、予想3.00%、結果3.00%(○)

25:04~要人発言
米商務長官候補、DeepSeekの不正疑惑で「非常に強い対応」を約束(Bloomberg

【考察】米中関係悪化

27:01~要人発言
トランプ政権、エヌビディア対中販売規制の強化を協議-関係者(Bloomberg

【考察】米中関係悪化。

28:00 経済指標
米国FOMC公表
(発表日; 1/313/205/16/127/319/1811/7, 12/18, 1/29, 3/19, 5/7, 6/18, 7/30, 9/17, 10/29, 12/10)
(Federal Open Market Committee)
①FRB政策金利:前回4.25-4.50%、予想4.25-4.50%、結果4.25-4.50%(○)
②FOMC声明:失業率は低水準でここ数カ月安定、労働市場は堅調維持(Bloomberg
12月声明「インフレ2%へ進捗した」文言削除のタカ派発言。ドル円上昇。

【考察】
発表前:DeepSeekショック懸念後退からの欧米株上昇と米国パウルFRB議長の3月FOMC利下げ示唆期待織り込み交錯し日通し安値154.94を付けてから揉み合い。直前155.15。
発表後:予想通り政策金利据え置き。タカ派声明で米国債利回り上昇に連れてドル円上昇。

28:30~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(Fed News & Events, Calendar
(発言:11/1412/4, 12/18, 1/29)
:政策スタンスは中立。前回12/18タカ派発言
「インフレ2%目標に進捗」文言削除の理由は「単に文を短縮しただけ、シグナルを送る意図なし」
FOMC、政策金利据え置き-利下げ急ぐ必要ないとパウエル議長(Bloomberg

【考察】インフレ懸念のタカ派発言、声明文タカ派否定のハト派発言。ドル円乱高下。

30:03 米国主要企業決算
マイクロソフト
売上高:前回656.0億ドル、予想689.2億ドル、結果696.6億ドル(◎)
EPS:前回3.30ドル、予想3.12ドル、結果3.23ドル(◎)
【決算速報】マイクロソフト、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

30:06 米国主要企業決算
テスラ
売上高:前回251.8億ドル、予想272.3億ドル、結果257.1億ドル(△)
EPS:前回0.72ドル、予想0.76ドル、結果0.73ドル(△)
【決算速報】テスラ、売上高は予想を下回り、利益は予想を下回る結果に(Investing.com

30:49 米国主要企業決算
メタプラットフォームズ
売上高:前回405.9億ドル、予想470.3億ドル、結果483.9億ドル(◎)
EPS:前回6.03ドル、予想6.73ドル、結果8.02ドル(◎)
【決算速報】Meta Platforms、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.53
東京マーケットオープン直後、DeepSeekショック懸念後退から前日米国株上昇の影響から日本株上昇に連れて日足高値155.79へ上昇。
しかし、本日注目のFOMC公表を控えて、米国パウルFRB議長の3月FOMC利下げ示唆期待織り込みが進み日通し安値155.00へ急落して引けました。

【日本市況】株反発、DeepSeek懸念後退してハイテク上昇-円は小幅高(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン直前に、加藤財務相の米国ベッセント財務長官と緊密協議発言でドル円揉み合いましたが、ここでもDeepSeekショック懸念後退からの欧州株上昇に連れて155.53へ上昇。
しかし、米国パウルFRB議長の3月FOMC利下げ示唆期待織り込みの戻り売りに押されて日足安値154.94へ急落。

FOMC声明は12月声明の「インフレ2%へ進捗した」文言削除を受けたタカ派内容でドル円上昇。
一方、米国パウエルFRB議長会見はインフレ懸念のタカ派発言、タカ派声明文否定のハト派発言が交錯しドル円乱高下で引けました。
日足終値155.25

【米国市況】株下落、パウエル氏発言で下げ縮小-ドル155円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・FOMC声明:12月声明「インフレ2%へ進捗した」文言削除のタカ派発言
・米国パウエルFRB議長のタカ派発言

売り材料:
・米国パウルFRB議長の3月FOMC利下げ示唆期待織り込み→米国債利回り低下
米国債ロング拡大、15年ぶり高水準-FOMC控え債券トレーダー(Bloomberg
・米国パウエルFRB議長のハト派発言

<円買い優勢>
買い材料:
・石破首相:1月日銀会合利上げ支持、円安牽制発言
・加藤財務相:米国ベッセント財務長官と緊密協議

売り材料:
・DeepSeekショック懸念後退→日本株、欧米株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回3月19日(水)公表:据え置き(68.5→82.0%)、0.25%引き下げ(30.9→18.0%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社
次回3月19日(水)公表:0.25%引き上げ(1→1%)

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:1月陰線形成中。上昇トレンド。→上目線
  • 週足:1/27週、陰線形成中。上昇トレンド。ダウ高値へレジサポ付近→上目線
  • 日足:1/28陽線。下降チャネル、BB-1σ付近→下目線
  • 4H足:レンジ。20MA付近→方向感なし
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値155.863をダウ上昇→目標日足レンジ高値156.494

②Short
(B)1H足レンジ安値ヒゲ先155.032をダウ下落→目標1H足押し安値154.494

本日:シナリオ外のためトレードなし
1月通算:10勝14敗、勝率41.7%、RR1.99 、-11.9pips

(Trading View)

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