ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)10/17の欧米マーケット影響
欧州オープン前からドル円じり上げていたが、1H足レジスタンス149.71付近の149.76に到達すると、「日銀の物価見通上方修正報道→金融政策修正警戒」から日足安値148.76へ急落。
しかし、正式発表ではなくアルゴリズムの過剰反応のためか、直ぐに149.60へほぼ全戻し上昇。
更に米国小売売上高と米国鉱工業生産指数・設備稼働率の強い数値で「米国債利回り上昇→ドル買い」で149.80を付けると、「米国債利回り上昇→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」も交錯し、揉み合いながら日足高値149.85に達した。
総じて、中東情勢の地政学リスクオフ・オン交錯し、日銀金融政策修正を強く匂わせる経済指標や相次ぐ報道でドル円下落するも、米国経済指標の強い数値で全戻しから上昇継続。日足終値149.81。
(2)経済指標
・米国住宅着工、住宅建築許可
・米国20年債入札
・米国ベージュブック
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・中東情勢の地政学リスクオフ
・日銀金融政策に関わる報道
・米国主要企業決算
本日の注目も中東情勢の動向。今週は、欧米や中東諸国当局者の外交協議によって、地政学リスクオフの悪化は後退したものの、紛争拡大リスクは依然と高い。
米国経済指標、米国主要企業決算、FRB要人発言への注目度も高いが、前日のような日銀金融政策に関わる報道が出ればアルゴリズムの過剰反応でドル円乱高下が生じる可能性あり。
<材料とドル・円方向性>
①「中東情勢悪化→安全資産の米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」
②-1「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→米国債利回り上昇→ドル買い」
②-2「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→日本貿易収支悪化懸念→円売り」
③-1「中東情勢悪化→地政学リスクオフ円買い」
③-2「中東情勢悪化→景気悪化懸念→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」
④「中東情勢悪化→有事のゴールド買い→ドル売り」
⑤「政府日銀の円安牽制警戒、日銀政策修正観測→ドル売り・円買い」
⑥-1「米国経済指標の強い数値→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑥-2「米国経済指標の弱い数値→米国債利回り低下→ドル売り」
⑦-1「FRB要人のタカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑦-2「FRB要人のハト派発言→米国債利回り低下→ドル買い」
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
6:14~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:7/12, 8/15, 9/22, 9/26, 9/27, 10/10, 10/18)
【考察】タカ派発言
東京マーケット(9:00~15:00)
10:10 要人発言
日銀が臨時の国債買い入れ、YCC柔軟化後初の超長期も-金利抑制(Bloomberg)
【考察】国債利回り低下→円売り→ドル円上昇。しかし日銀金融政策修正思惑から利回り低下の効果影小さく直ぐにドル円全戻し下落。
11:00 経済指標
中国実質GDP
前年比:前回6.3%(改定)、予想4.5%、結果4.9%(○)
前期比:前回0.8%(改定0.5)、予想1.0%、結果1.3%(◎)
【考察】強い数値→中国景気回復期待→人民元買いドル売り→東京安値149.58へ急落。しかし、「前日の米国小売売上高の強い数値→インフレ懸念→米国債利回り上昇→ドル買い」も強く149.70へ上昇。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:50~要人発言
米国バイデン大統領
「イスラエル支持」
【考察】パレスチナ自治区ガザの病院爆発を受け中東情勢に緊張が走る中、米国のイスラエル支持は中東各国と欧米との関係悪化、地政学リスクオフ長期化懸念でドル円下落。
18:30~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:8/10, 8/24, 8/25, 10/2, 10/16, 10/18)
【考察】ハト派発言→ドル円下落継続
20:33 米国主要企業決算
モルガン・スタンレー
売上高:前回134億ドル、予想125.8億ドル、結果132.7億ドル(○)
EPS:前回1.24ドル、予想1.22ドル、結果1.38ドル(◎)
モルガン・スタンレー株急落、四半期減益を嫌気-投資銀行振るわず(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目される。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっている。
件数:前回128.3万件(改定126.9)、予想138.5万件、結果135.8万件(△)
前月比:前回-11.3%(改定-12.5)、予想7.7%、結果7.0%(△)
米国住宅建築許可
件数:前回154.3万件(改定154.1)、予想146.0万件、結果147.3万件(○)
前月比:前回6.9%(改定6.8)、予想-5.3%、結果-4.4%(○)
25:00~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:7/14, 9/5, 10/10, 10/11, 10/18)
ウォラーFRB理事、据え置き支持か-利上げ必要性「様子見は可能」(Bloomberg)
【考察】ハト派発言→ドル円下落。
25:39~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:7/5, 8/7, 9/7, 9/29, 10/18)
ニューヨーク連銀総裁、金利は「当面」景気抑制的であるべきだ(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派発言→ハト派発言が材料視されドル円下落継続。
26:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions)
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回4.592%、結果5.245%(◎)
応札倍率:前回2.74倍、結果2.59倍(◎)
【考察】入札好調→ドル円下落。
26:00~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:8/7, 9/26, 10/2, 10/11, 10/18)
【考察】タカ派発言→ドル円下落から上昇へ転換。
26:20 報道
米国30年固定住宅ローン金利、2000年以来初めて8%到達
【考察】インフレ懸念→ドル円上昇
27:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。米国金利決定の材料とされるため注目度大。
米地区連銀経済報告、経済見通しは「安定もしくは若干軟化」(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派内容
29:03 米国主要企業決算
ネットフリックス
売上高:前回81.87億ドル、予想85.3億ドル、結果85.4億ドル(◎)
EPS:前回3.29ドル、予想3.49ドル、結果3.73ドル(◎)
ネットフリックスが値上げへ、数年ぶりの大幅会員増-株価急伸(Bloomberg)
29:06 米国主要企業決算
テスラ
売上高:前回249億ドル、予想240.6億ドル、結果233.5億ドル(×)
EPS:前回0.91ドル、予想0.73ドル、結果0.66ドル(×)
テスラの7-9月期、利益が市場予想下回る-低調な出荷台数響く(Bloomberg)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.81。
中東情勢地政学リスクオフや日銀金融政策修正観測から150円台に乗せることができず、ドル円じり下げ展開から、中国実質GDPの強い数値で東京安値149.58へ急落。しかし、前日の米国小売売上高の強い数値かドル買いも強く149.70へ上昇。
総じて150円台を積極的に狙う動きではなく、節目付近へ下落したら押し目買いを狙う動きが目立つ。
きょうの国内市況(10月18日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
月曜、火曜同様に、欧州オープン前からドル円上昇。
米国住宅指標は強弱入り交じる数値、FRB要人発言もタカ派・ハト派発言交錯し、ドル円乱高下しながらも、「中東情勢地政学リスクオフ→原油先物価格高止まり等でインフレ懸念→米国債利回り上昇」が材料視され日足高値149.94を付けた。
日足終値149.93。
【米国市況】株安・原油高、中東情勢緊迫で-ドルは150円に接近(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
10/18(水)は10/17(火)に対しベア(短期金利同等、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
11月公表:据え置き93.9%、25bps引き上げ6.1%、50bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:10月陽線形成中。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。ボリンジャーバンドスクーズしつつあり。
- 週足:10/16週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:10/17下長ヒゲ陽線。ボリンジャーバンドスクーズしつつあり。
- 4H足:レンジ。ボリンジャーバンドスクイーズ。
- 1H足:上昇チャネル。ボリンジャーバンドスクイーズしつつあり。
- 15M足:レンジ。ボリンジャーバンドスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート149.148又日足チャネル下限付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス149.461
②ショート
(B)1H足サポート149.700かつ4H足・1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート149.461
(C)1H足サポート149.461をダウ下落→目標1H足サポート149.148
10月通算:5勝4敗、勝率55.6%、獲得Pips +76.1
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