ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)11/14の欧米マーケット影響
米国消費者物価指数は全て弱い数値のサプライズ。一瞬日足高値151.79を付けた後にドル円暴落。米国10年債利回り4.50%下抜けたことで、株先物・株価指数上昇のリスクオン円売りも発生。ドル売り・円売り交錯するもドル売り強。リスクオンインフレ長期化が懸念された為か、FRB要人からタカ派発言相次ぐも引けに掛けてドル円下落継続し、日足安値150.16を付けた。
日足終値150.38。
(2)経済指標
・日本GDP速報値
・米国小売売上高
・米国生産者物価指数
・米国NY連銀製造業景気指数
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FRB要人
・米中首脳会議
(4)その他
・五十日仲値
・米国政府機関閉鎖懸念
11/14米国消費者物価指数のサプライズの弱さを引き継いで、ドル円下落優勢と推測されるが、本日も注目度の高い米国経済指標が相次ぐ。
総じて弱い数値なら素直にドル円急落になりやすいが、強い数値であれば一気に151円台へ急騰もあり得る。
但し、米国10年債利回り4.50%下抜けたことでインフレ退治の長期化が懸念される。インフレ抑制と景気後退のバランスを取る為に、米国10年債利回り4.50~5.00%付近を維持したいFRB思惑が見られることから、FRB要人の強いタカ派発言などで米国10年債利回り4.50%以上への戻りが生じやすい。よって、これを見越したドル円押し目買いも入りやすく、まずは切り番150.00付近からの押し目買いの強さが注目か。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:50 要人発言
米下院、新たなつなぎ予算案可決-政府機関閉鎖のリスク大幅低下(Bloomberg)
【考察】米国政府機関閉鎖回避→ドル買い材料
8:50 経済指標
日本GDP速報値
前期比:前回果1.2%(改定)、予想-0.2%、結果-0.5%(×)
前期比年率:前回4.8%(改定)、予想-0.4%、結果-2.1%(×)
GDPデフレータ前年比:前回3.5%(改定)、予想4.9%、結果5.1%(◎)
GDP、7〜9月年率2.1%減 3四半期ぶりマイナス成長(Bloomberg)
【考察】弱い数値→日銀金融政策観測後退→ドル円上昇
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国小売売上高
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。
前月比:前回0.7%(改定0.9)、予想-0.4%、結果-0.1%(○)
コア前月比:前回0.6%(改定0.8)、予想-0.2%、結果0.1%(○)
10月の米小売売上高、市場予想ほど減少せず-前月分は上方修正(Bloomberg)
22:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)(過去の発表日; 10/12, 11/15, 12/9, 1/18, 2/16, 3/15, 4/13, 5/11, 6/14, 7/13, 8/11, 9/14, 10/11, 11/15)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.5%(改定0.4)、予想0.1%、結果-0.5%(×)
前年比:前回2.2%(改定)、予想1.8%、結果1.3%(×)
コア前月比:前回0.3%(改定0.2)、予想0.2%、結果0.0%(×)
コア前年比:前回2.7%(改定)、予想2.9%、結果2.4%(×)
米PPI、10月は予想外に低下-2020年4月以来の大幅な下げ(Bloomberg)
22:30 経済指標
米国NY連銀製造業景気指数
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
基準0、前回-4.6、予想-2.0、結果9.1(◎)
【考察】
発表前:前日米国消費者物価指数がサプライズの弱い数値だった影響のためか下落。
発表後:米国生産者物価指数は全て弱い数値。しかし同刻発表指標は強い数値で強弱混在。初動日足安値150.05を付けた後、急上昇。前日米国消費者物価指数で米国10年債利回り4.5%を割り込みドル円急落したことで、Buy the factが入りやすい環境だった影響か。また、米国経済指標が弱くドル売りになっても、輪を掛けて円売りがとまらない。
27:23~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:8/10, 9/22, 10/5, 10/11, 11/10, 11/15)
SF連銀総裁、時期尚早に利上げ終了宣言すべきではない-報道(Bloomberg)
【考察】タカ派発言→ドル円上昇継続
29:30~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:6/16, 6/22, 7/12, 8/3, 8/8, 8/22, 9/28, 10/2, 10/5, 10/17, 11/3, 11/9, 11/14, 11/15)
【考察】タカ派発言→ドル円上昇継続。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.38。
前日ドル円急落したことで五十日仲値に向けてドル買い需要も高く、日本GDP速報値の弱い数値、株価指数上昇リスクオン円売りも重なりドル円上昇、東京高値150.79を付けるも、本日も注目度の高い米国経済指標が続くことから、方向感なく推移。
きょうの国内市況(11月15日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、米国経済指標を控えた決済が入ったためか150.25へ下落。
米国生産者物価指数は全て弱い数値であったが、同刻発表数値は総じて強弱混在。初動日足安値150.05を付けた後、急上昇。前日米国消費者物価指数で米国10年債利回り4.5%を割り込みドル円急落したことで、Buy the factが入りやすい環境だった影響か。
株先物・株価指数上昇リスクオン円売りとFRB要人タカ派発言もありドル円上昇継続し、日足高値151.42を付けた。
日足終値151.39。
【米国市況】株は続伸、米国債の熱狂は薄れる-ドル151円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
11/15(水)は11/14(火)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド拡大。ドル買い・売り材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き100.0%、25bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:11月陰線形成中。上昇トレンド。ボリンジャーバンド(BB)スクーズ。
- 週足:11/13週、陰線形成中。上ヒゲピンバー週足陰線をほぼ全戻ししたことで、11/13週は上昇優位と推測。
- 日足:11/14大陰線。BBエクスパンションからスクイーズ移行中。BB-1σ下抜けたことで、11/15は20MAへの下落優勢。
- 4H足:下降トレンド。BBエクスパンション。
- 1H足:下降トレンド。BBエクスパンション。
- 15M足:下降トレンド。BBエクスパンション。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート150.081付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス151.408
(B)1H足サポート150.238付近まで下落→1H足レジスタンス150.408をダウ上昇→目標1H足レジスタンス150.822
②ショート
(C)1H足サポート150.238をダウ下落→目標1H足サポート150.081
11月通算:8勝3敗、勝率72.7%、獲得Pips +72.7
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