ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)8/31の欧米マーケット影響
注目の米国PCEデフレータは総じて強く数値。米国新規失業保険申請件数も強く日足高値146.25手前の146.23まで上昇。
しかし、「米利上げ警戒→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」が一気に強まり、「ドル買い・円買い交錯」。円買い強く全戻しから下落継続し、日足安値145.35を付けた。
日足終値145.54。
(2)経済指標
・米国雇用統計
・米国PMI確報値
・米国建設支出
・米国ISM製造業景気指数
(3)要人発言
・政府日銀要人の円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・来週のドル・円はドル高一服か、ジャクソンホール通過で調整も(Bloomberg)
・TOM(Turn of the Month)効果(アノマリー)
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。
本日最大の注目は米国雇用統計。パウエルFRB議長はジャクソンホール会合の講演でも追加利上げはデータ次第と述べており、今週の注目度が高い指標において「強い数値→ドル買い」、「弱い数値→ドル売り」の素直な反応が続いている。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 月初仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
10:08 要人発言
中国、外貨預金準備率を2ポイント引き下げへ-15日から(Bloomberg)
【考察】人民元買い・ドル売り→ドル円下落
11:53~要人発言
円安巡り鈴木財務相「急激な変動望ましくない」(日本経済新聞)
【考察】円安牽制発言だがドル円反応なし。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
19:30~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
アトランタ連銀総裁、米経済を「揺さぶる」債務借り換え負担(Bloomberg)
【考察】ハト派発言でドル円下落。
21:30 経済指標
米国雇用統計(過去の発表日;9/2, 10/7, 11/4, 12/2, 1/6, 2/3, 3/10, 4/7, 5/5, 6/2, 7/7, 8/4, 9/1)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数:前回18.7万人(改定15.7)、予想17.0万人、結果18.7万人(◎)
失業率:前回3.5%(改定)、予想3.6%、結果3.8%(×)
平均時給
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(×)
前年比:前回4.4%(改定)、予想4.3%、結果4.3%(○)
ドル下落、円は一時144円台半ばに上昇-米雇用統計発表後(Bloomberg)
【考察】
発表前:直前から弱い数値を警戒してかドル円下落。
発表後:強弱入り交じる数値だが、失業率大幅悪化はサプライズでドル円急落。しかし、「米利上げ期待後退→リスクオン売り」、「OPECプラス供給量削減→エネルギー価格上昇→日本貿易収支悪化懸念→円売り」でドル円急反発。
22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:10/24, 11/23, 12/16, 1/24, 2/21, 3/24, 4/21, 5/23, 6/23, 7/24, 8/23)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回47.0、予想47.0、結果47.9(◎)
22:45~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
クリーブランド連銀総裁、インフレ「高過ぎる」-労働市場の均衡は改善(Bloomberg)
【考察】米国雇用統計を受けてのタカ派発言でドル円上昇継続
23:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.5%(改定0.6)、予想0.6%、結果0.7%(◎)
23:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日; 9/1, 10/3, 11/1, 12/1, 1/4, 2/1, 3/1, 4/3, 5/1, 6/1, 7/3, 8/1, 9/1)
基準50、前回46.4、予想47.1、結果47.6(◎)
米ISM製造業指数、6カ月ぶり高水準-縮小圏ながら安定化示唆(Bloomberg)
【考察】強い数値でドル円上昇継続
28:30 経済指標
IMM通貨先物8/29時点(ポジション推移)
円ショート拡大
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値145.54。リスクオン円売りに連れて東京高値145.70まで上昇したが、「中国、外貨預金準備率引き下げ→人民元買い・ドル売り」で東京安値145.23まで急落。しかし、あくまで中国人民元材料であり影響は一時的。「米国経済安定→ドル買い需要」は強く、ほぼ全戻し上昇。
きょうの国内市況(9月1日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前から注目の米国雇用統計控えて方向性のなく推移していたが、発表直前から弱い数値を警戒してかドル円下落。実際には強弱入り交じる数値であったが、失業率大幅悪化はサプライズで日足安値144.40まで急落。
しかしながら、「米利上げ期待後退→リスクオン売り」、「OPECプラス供給量削減→エネルギー価格上昇→日本貿易収支悪化懸念→円売り」でドル円急反発。
更に、米国雇用統計を受けてFRB要人のタカ派発言、米国PMI確報値と米国ISM製造業景気指数が強い数値になったことで、「米国債利回り急騰→ドル買い」も加わり、日足安値144.40から日足高値146.29へと短時間で暴騰。
日足終値146.23。
【欧州市況】株は週間で7月半ば以来の大幅高、国債は軒並み下落(Bloomberg)
【米国市況】株は小幅高、雇用統計後の勢い失速-ドル上昇、146円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
9/1(金)は8/31(木)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
9月公表:据え置き93.0%、25bps引き上げ7.0%、50bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:8月陽線確定。レンジ内の上昇トレンド。
- 週足:8/28週、陰線形成中。
- 日足:8/31陰線。上昇チャネル。
- 4H足:下降トレンド。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:下降トレンド。
【シナリオ】
①ロング
(A) (B)後、1H足チャネル上限かつ日足レジスタンス145.871をダウ上昇→目標1H足レジスタンス146.147
②ショート
(B)1H足チャネル上限かつ日足レジスタンス145.871付近まで上昇→ダウ転換下落→目標日足サポート145.504
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
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