ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国住宅着工、米国住宅建築許可
・カナダ消費者物価指数
・米国アトランタ連銀GDP Now
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目度の高い材料はありません。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
11:03~要人発言
加藤財務相
(過去の発言:10/29, 11/8, 11/15, 11/19)
:前回11/15円安牽制発言
投機的な動向を含め、極めて高い緊張感を持って注視=為替で加藤財務相(Reuters)
【考察】強い円安牽制発言。ドル円下落
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
17:14 報道
ロシアが核使用基準を緩和、プーチン氏が大統領令に署名(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ。ドル円急落。
18:23~要人発言
ウクライナ、ロシア領内に「ATACMS」使用で初の攻撃-RBC(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ。ドル円下落。
22:30 経済指標
カナダ消費者物価指数(CPI)
米国と貿易関係等で密接な関係であり、サプライズの数値は米国インフレの先行指標となり得ることから注目されます。
特に注目度の高い米国経済指標発表がない日は米国債利回りに波及しやすい。但し、あくまでカナダ指標であり短期的な影響に留まりやすい。
前月比:前回-0.4%、予想0.3%、結果0.4%(◎)
前年比:前回1.6%、予想1.9%、結果2.0%(◎)
6/25は米国債利回り上昇波及あり。
7/16は米国小売売上高と交錯につき影響なし。
8/20は米国債利回り低下波及あり。
9/17は7/16と同じく注目の米国小売売上高が材料視。
10/15は米国債利回り低下波及あり。
【考察】強い数値。
22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから重要度が上がっています。
件数:前回135.4万件(改定135.3)、予想134.2万件、結果131.1万件(×)
前月比:前回-0.5%(改定-1.9)、予想-1.2%、結果-3.1%(×)
米国住宅建築許可
件数:前回142.8万件(改定142.5)、予想144.5万件、結果141.6万件(×)
前月比:前回-2.9%(改定-3.1)、予想1.3%、結果-0.6%(△)
【考察】弱い数値。ドル円下落。
23:07~要人発言
露ラブロフ外相
「核戦争を起こさないことがロシアの立場」
【考察】核戦争否定で地政学リスクオフ後退。ドル円急上昇。
23:09~要人発言
米政府、核指針の調整を否定-ロシアの核ドクトリン改定受け(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ後退。ドル円上昇。
24:00 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q4:前回2.5%、予想2.5%、結果2.6%(◎)
【考察】強い数値。
24:34 要人発言
イラン、核兵器級に近い高濃縮ウランの生産を停止へ-IAEA(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ後退。原油先物価格急落。ドル円下落。
27:12~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言: 8/22, 10/22, 11/13, 11/19)
:政策スタンスはタカ派。前回11/13タカ派、ハト派発言
カンザスシティー連銀総裁、どの程度の利下げ必要か不確実と再度指摘(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派発言。ドル円揉み合い。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.64
取引開始直後に日通し高値154.67を付けると、11/18植田日銀総裁のタカ派発言の影響継続や加藤財務相の円安牽制発言を受けて、日通し安値153.95へ下落。
ところが、その後は米国債利回り低下を好感した日本株上昇(円キャリー促進)に連れて、154.58まで急上昇して引けました。
【日本市況】円高い、米金利上昇一服で日銀利上げ観測根強い-株反発(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、ロシアの核使用基準緩和報道を受けて地政学リスクオフが一気に高まり、日足安値153.28へ急落。
しかし、露ラブロフ外相の核戦争否定発言と米国政府のロシア核ドクトリン改定に反応しない発言を受けると地政学リスクオフ後退して巻き戻しのドル円上昇。
また、国際原子力機関(IAEA)から、イランの核兵器級に近いウラン生産停止と核施設査察受け入れ合意と伝わると原油先物価格下落につれてドル円下落も交錯しましたが、前記の地政学リスクオフ後退の影響強くドル円急落を全戻し、日足高値154.80を付けて引けました。
日足終値154.66
【米国市況】S&P500続伸、リスク回避後退-円上げ消し154円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・原油先物価格上昇
・米国アトランタ連銀GDP Now(強)
売り材料:
・米国住宅着工、米国住宅建築許可(弱)
・国際原子力機関(IAEA):イラン、核兵器級に近いウランの生産停止と核施設査察受け入れ合意→原油先物価格下落
<円売買交錯>
買い材料:
・11/18植田日銀総裁のタカ派発言の影響
・加藤財務相の円安牽制発言
・ロシアの核使用基準緩和報道→地政学リスクオフ
・国際原子力機関(IAEA):イラン、核兵器級に近いウランの生産停止と核施設査察受け入れ合意→原油先物価格下落
売り材料:
・原油先物価格上昇
・露ラブロフ外相:核戦争否定発言→地政学リスクオフ後退
・米国政府:ロシアの核ドクトリン改定に反応しない→地政学リスクオフ後退
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利450-475bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回12月18日(水)公表:据え置き41.3→40.9%、25bps引き下げ58.7→59.1%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:11月陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近。
- 週足:11/18週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近。
- 日足:11/18陽線。上昇チャネル。
- 4H足:レンジ。押し安値かつBB-1σ付近
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値154.570かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レンジ高値154.893
②Short
(C)4H足押し安値154.570をダウ下落→目標4H足レンジ安値154.275
(D)4H足レンジ安値154.275をダウ下落→目標日足安値153.838
本日:1勝1敗、+12.8pips
11月通算:8勝9敗、勝率47.1%、RR2.01 、+108.8pips
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