2024年1月25日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/24の欧米マーケット影響
日銀マイナス金利解除観測再燃(日本国債利回り上昇)でドル円下落、FRB利下げ観測後退(米国PMI速報値の強い数値、米国5年債入札不調)でドル円上昇。147円台中盤。

(2)経済指標
・日本40年国債入札
・米国実質GDP速報値
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国耐久財受注速報値
・米国新築住宅販売件数
・米国7年債入札
・ECB理事会

(3)要人発言
・政府日銀急変動牽制(実質円安牽制)
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間(1/20~2/1)のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
・ラガルドECB総裁

(4)その他
・五十日仲値
・中東地政学リスクオフ
【日本株週間展望】続伸へ、海外勢買い続く-日銀会合や機械決算注目(Bloomberg
来週のドル・円は下落か、円安進行受け日銀総裁の発言タカ派化を警戒(Bloomberg

本日の注目材料は3点。
①1/23日銀金融政策決定会合公表、植田日銀総裁会見の影響
1/23東京マーケットでは、日銀金融政策決定会合での物価目標実現の確度が高まっているという文言が材料視されドル円急落から、植田日銀総裁会見「マイナス金利解除しても金融緩和継続」を強調したことが材料視されドル円急騰。
1/24日銀マイナス金利解除観測再燃で日本国債利回り急騰しドル円急落。
一日で日銀金融政策への見方に対して解釈が変わっており、本日も日本国債利回り上昇ならドル円下落、利回り低下ならドル円上昇と考えます。

②米国経済指標
1/16(火)米国NY連銀製造業景気指数(弱)→急落から直ぐに全戻し。
1/17(水)米国小売売上高(強)→ドル円急上昇
1/18(木)米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)、米国住宅着工・住宅建築許可件数(強)→急上昇。
1/19(金)米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(強)、インフレ予測と米国中古住宅販売件数(弱)→乱高下。週末ポジション調整も混在。
1/22(月)米国景気先行指数(強)→一旦下押しから上昇。
1/23(火)米国リッチモンド連銀製造業指数(弱)→一旦下押しから上昇。
1/24(水)米国PMI速報値(強)→ドル円上昇

本日の米国経済指標も注目度は高く、先週からの傾向通り、強い数値なら素直にドル円上昇、弱い数値なら下落は一時的で上昇に転じやすいと推測します。

③中東地政学リスクオフ
中東地政学リスクオフ(原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い)による材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの逆の動きになることもあります。

12:35 経済指標
日本40年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回1.810%、結果1.925%(×)
応札倍率:前回2.21倍、結果2.15倍(×)。2011年8月以来低水準

【考察】入札不調でドル円下落。しかし、前日

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:15 経済指標
ECB理事会
(過去の速報発表日:6/157/279/1410/26, 12/14, 1/25)
政策金利:前回4.50%、予想4.50%、結果4.50%(○)
ECB声明:政策金利維持必要のタカ派発言
ECB、中銀預金金利を4%で据え置き-十分に長く維持すると示唆(Bloomberg

【考察】予想通り政策金利据え置きで声明はタカ派発言。

22:30 経済指標
米国実質GDP速報値(過去の発表日:1/262/233/304/275/256/297/278/309/2810/2611/29, 12/21,1/25)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回4.9%、予想2.0%、結果3.3%(○)
個人消費:前回3.1%、予想2.6%、結果2.8%(○)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回3.3%、予想2.4%、結果1.5%(×)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.0%、予想2.0%、結果2.0%(○)
米GDP、10-12月は年率3.3%増-23年は2.5%増と予想外の強さ(Bloomberg

<参考>
23年12月FOMC経済見通し
23年度実質GDP2.6%、コアPCE2.8%
24年度実質GDP1.5%、コアPCE2.4%

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回18.7万件(改定18.9)、予想20.0万件、結果21.4万件(×)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回180.6万件(改定)、予想184.0万件、結果183.3万件(○)

22:30 経済指標
米国耐久財受注速報値:設備投資の先行指標
前月比:前回5.4%(改定5.5)、予想1.1%、結果0.0%(×)
コア前月比:前回0.4%(改定0.5)、予想0.2%、結果0.6%(◎)

【考察】強弱混在でドル円乱高下。初動、強い数値に反応し日足高値147.95へ上昇。しかし、GDPデフレータが弱く、PCEコアデフレータが予想通りでFRB目標2.0%と一致したことでFRB利下げ観測再燃しドル円急落。

22:50~要人発言
ラガルドECB総裁、夏の利下げ「可能性高い」の発言を再確認(Bloomberg

【考察】サプライズのハト派発言でECB利下げ観測からユーロ売り、ドル買い・円買い交錯。当初円買い強くドル円下落するも、ドル買い優勢になりドル円上昇。

24:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回59.0万件(改定61.5)、予想65.1万件、結果66.4万件(◎)
前月比:前回-12.2%(改定-9.0)、予想9.0%、結果8.0%(△)

27:00 経済指標
米国7年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

最高落札利回り:前回3.859%、結果4.109%(×)
応札倍率:前回2.50倍、結果2.57倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回63.7%、結果69.06%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):-0.3 bps(◎)
国債発行日前取引(WI): 4.106%

【考察】総じて入札好調でドル円下落。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.52
東京始値147.59
東京高値147.86
東京安値147.57
東京終値147.80
きょうの国内市況(1月25日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

五十日仲値に向けたドル買い需要から仲値通過後も勢い強く東京高値147.86へ到達。しかし、切番148.00付近かつ日本40年国債入札不調で一転下落。FRB利下げ観測後退と日銀マイナス金利解除観測再燃が交錯しながらもドル買い優勢で上昇チャネル推移。
東京クローズ直後、日通し高値147.88を付けるも148台乗せ失敗し下落。

欧米マーケット:
欧州始値147.67
日足高値147.95
日足安値147.08
NY始値147.20
NY終値147.72
日足終値147.66
【米国市況】S&P500種連日の最高値、軟着陸への期待で-147円後半(Bloomberg


欧州オープン前に147.84へ上昇するも再び高値更新失敗すると、注目の米国実質GDP弱い予想やECB理事会のタカ派ユーロ買いを織り込みのためかじり下げ展開。
注目の米国GDP速報値は強弱混在でドル円乱高下。初動は実質GDP・個人消費の強い数値に反応し日足高値147.95へ上昇。しかし、GDPデフレータが弱く、PCEコアデフレータが予想通りだったことでFRB利下げ観測再燃し日足安値147.08へ急落。
しかし、切番147.00付近は押し目買い強く、米国新築住宅販売件数の強い数値と原油先物価格急上昇に連れて日足高値147.95直前の147.90までほぼ全戻し。

総じて、米国GDP速報値の強弱混在(景気堅調でインフレ鈍化)でドル円上昇から急落、米国新築住宅販売件数の強い数値と原油先物価格急上昇でドル円急上昇し、乱高下。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・1/25ドル買い優勢
ドル買い:FRB3月利下げ観測後退(米国実質GDP・個人消費の強い数値、米国新築住宅販売件数の強い数値、米国7年債入札好調)、原油先物価格上昇。
ドル売り:FRB3月利下げ観測再燃(米国GDPデフレータと米国新規失業保険申請件数の弱い数値、PCEコアデフレータ予想通り)

・1/25円買い優勢
円買い:日銀マイナス金利解除観測再燃(日本40年国債入札不調、日本国債利回り上昇、春闘賃上げ観測、日本株下落リスクオフ)
円売り:

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

1/25(木)は1/24(水)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド縮小。(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool
次回公表24年1月31日:25bps引き下げ2.6%、据え置き97.4%
初回利下げ観測24年3月20日公表:25bp引き下げ50.0%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み

テクニカル分析

トレード

  • 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
  • 週足:1/22週、陰線形成中。
  • 日足:1/23大陰線。レンジ。BBスクイーズ。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)4H足レジスタンス147.695かつ4H足20MAをダウ上昇→目標日足レジスタンス148.123

②ショート
(B)4H足レジスタンス147.695又は4H足20MA付近へ上昇→4H足レジスタンス147.695かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート147.189

1月通算:10勝7敗、勝率58.8%、獲得Pips +138.7

(Trading View)

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