2024年7月10日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

(1)経済指標
・日本国内企業物価
・日銀、国債買入オペ通知
・米国アトランタ連銀GDP Now
・米国10年債入札

(2)要人発言
・政府、日銀円安牽制発言
・FRB要人発言

(3)その他
・五十日仲値
・日本ETF決算(7/8や7/10多):分配金捻出の株売り圧力
・日銀、「債券市場参加者会合」を7月9日と10日に開催(Bloomberg
・欧州政情不安リスクオフ
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)
・スワップ4倍デー

(4)参考情報
来週の円相場は上昇か、米インフレの鈍化意識しドル安リスク(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利上昇か、債券市場参加者会合で減額拡大懸念(Bloomberg
【日本株週間展望】高止まり、米利下げや業績期待-需給面は懸念材料(Bloomberg

(5)本日の注目材料

①日銀早期金融政策正常化観測、政府・日銀為替介入観測
7月に入り162円台目前を推移しており、政府・日銀為替介入警戒感、強い円安牽制発言が続くことが想定されます。

一方で、恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)に加え、新規円売り(自動車認証不正問題の日本経済悪化波及、インバウンド関連の旅行収支悪化懸念)も生じていることから、ドル円下落は一時的で押し目が入りやすい相場環境は続くと考えます。

②パウエルFRB議長議会証言
7/9は、最近のインフレや労働経済指標(弱)が続く状況でも更なるデータを必要とする利下げ慎重のタカ派発言でドル円へ急上昇しました。
本日もタカ派発言見込みですが前日と同じ内容に留まる可能性高く、強いドル円上昇はないと考えます。注目は7/11(水)米国消費者物価指数に移ったと見られます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.7%(改定)、予想0.4%、結果0.2%(×)
前年比:前回2.4%(改定2.6)、予想2.8%、結果2.9%(◎)
6月企業物価は10カ月ぶり高い伸び、電気・ガス代値上がり-日銀(Bloomberg

【考察】強弱混在。ドル円反応薄。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行
(発表日:6/7, 6/12, 6/18, 6/24, 6/28, 7/3, 7/10, 7/17, 7/23, 7/29)
1~3年債:前回3750億円、結果3750億円(○)
3~5年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
5~10年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
25年超債:前回750億円、結果750億円(○)

【考察】
発表前:直前161.54
発表後:据え置き。リスクオン株上昇(円キャリー促進)につれて東京高値161.59付けるも、前日日銀債券市場参加者会合で参加者から積極的な減額を求める意見が出ており、7月日銀会合政策修正への警戒感高くドル円上昇続かず。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:37~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(議会証言)(Fed News & Events, Calendar
(発言:5/15/145/196/12, 7/2, 7/9, 7/10)
:政策スタンスは中立。前回7/9ハト、タカ派発言

【考察】事前原稿提出。7/9と同じ。ドル円上昇。

23:30~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(議会証言)(Fed News & Events, Calendar
(発言:5/15/145/196/12, 7/2, 7/9, 7/10)
:政策スタンスは中立。前回7/9ハト、タカ派発言
パウエルFRB議長、確信は「まだ」-2%への持続的インフレ率低下(Bloomberg

【考察】7/9と同じくハト・タカ派発言。しかし、インフレ2%割れ前に利下げ可能との発言からインフレに関して楽観が広がり、リスクオン株上昇に連れてドル円上昇継続。

24:30 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
(発表日; 6/36/66/76/186/206/27, 6/28, 7/1, 7/3, 7/10, 7/16, 7/17, 7/24, 7/26)
Q2:前回1.5%、予想1.5%、結果2.0%(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇継続。

26:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額(Offering Amount):390億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.438%、結果4.276%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.67倍、結果2.58倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回65.5%、結果67.61%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-2bps、結果-1bps(×)。4.276-4.286=0.010
WI:4.286%

【考察】強弱混在ですが、総じて入札好調との判断。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値161.33
取引開始直後に日通し安値161.26を付けると、前日米国パウエルFRB議長タカ派発言の影響、五十日仲値へ向けてのドル買い需要、日銀国債買入オペ通知据え置きを受けたリスクオン株上昇(円キャリー促進)、東京始値161.33から東京高値161.59へ上昇。

一方、米国景気後退懸念からパウエルFRB議長ハト派発言、日本ETF分配金捻出の株売り圧力(円キャリー巻き戻し)、前日日銀債券市場参加者会合で参加者から積極的な減額を求める意見が出ており日銀会合政策修正への警戒感高くドル円上昇続かず、引けに掛けて揉み合いました。
東京終値161.50

【日本市況】株は史上最高値、国債買い入れの大幅減額観測-債券下落(Bloomberg

欧米マーケット:
リスクオン欧州株上昇(円キャリー促進)に連れて日通し高値161.61付け。
NYオープン前にパウエルFRB議長の事前原稿が伝わりましたが、前日と同じ内容。
その後の議会証発言もハト・タカ派発言交錯。
しかし、インフレ2%割れ前に利下げ可能との発言からインフレに関して楽観が広がり、リスクオン株上昇に連れてドル円上昇継続し、日足高値161.81を付けました。
日足終値161.71

【米国市況】S&P500が史上初の5600台、ハイテク高い-161円台後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・7/9米国パウエルFRB議長タカ派発言の影響
・五十日仲値需要
・米国パウエルFRB議長タカ派発言
・米国アトランタ連銀GDP Now(強)
・原油先物価格上昇→インフレ懸念

売り材料:
・7/9パウエルFRB議長ハト派発言の影響

<円売り優勢>
買い材料:
・日銀、債券市場参加者会合:日銀国債買い入れ大幅減額要望→日本国債利回り上昇
日銀の国債買い入れ減額、生保など投資家の意見割れる-実務者会合(Bloomberg

売り材料:
・日銀、国債買入オペ通知:据え置き→リスクオン株上昇(円キャリー促進)
・日本ETF決算(7/8や7/10多):分配金捻出の株売り圧力(円キャリー巻き戻し)
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増[特に夏ボーナス買い]、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、インバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回7月31日公表:据え置き95.3%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ70.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:7月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:7/8週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:7/9陽線。上昇トレンド。
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足ダウ高値161.091付近へ下落→転換上昇→目標1H足ダウ高値161.399

②Short
(B)1H足ダウ高値161.399付近へ上昇→1H足20MAをダウ下落→目標4H足ダウ高値161.091
(C)4H足ダウ高値161.091かつ4H足20MAをダウ下落→目標日足安値160.732

7月通算:6勝4敗、勝率60.0%、+76.6pips

(Trading View)

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