ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)経済指標
・日銀、金融政策決定会合における主な意見(6月13・14日分)
・日銀、国債買いオペ通知
(2)要人発言
・政府、日銀円安牽制発言
・FRB要人発言
(3)その他
・IMM通貨先物
・欧州政情不安リスクオフ
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)
来週のドル・円は160円を試すか、日本当局の介入時期が焦点(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利は上昇か、買い入れ大幅減額や20年入札警戒(Bloomberg)
【日本株週間展望】下落、米景気懸念で円高リスク-仏政治不安も重し(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①日銀、国債買いオペ通知
2024年5月・6月度、日銀国債買いオペ通知日のドル円動きまとめ
(1)据え置き:6/14日銀会合公表において、7月会合に具体的な国債減額計画決定と提示されているため据え置きは織り込み済みか。オペ通知後のドル円上昇を警戒してか直前に円安牽制発言が出ることが多くドル円乱高下に注意したい。
(2)減額:サプライズであり一時的にドル円急落が生じる可能性あります。
但し、据え置き、減額いずれによせ、ドル円下落が生じれば押し目買い機会になると考えます。
②日銀早期金融政策正常化観測、政府・日銀為替介入観測
7営業日連続日足陽線で160円台目前まで値を伸ばしたことで、政府・日銀為替介入警戒感が高まり、強い円安牽制発言が続くことが想定されます。
特に、4/29(月)為替介入が実施された日足高値160.23を一気に上抜けるようであれば、実介入の警戒から上値が重くなる見込みです。
但し、実介入ない限り、一時的な急落は引き続き押し目買い機会と考えます。
③FRB要人発言
6/12FOMC公表・パウエルFRB議長会見はタカ派以降、複数のFRB要人からタカ派発言が相次いでいることから、基本は(1)を想定します。
一方、(2)や(3)でドル円下落が生じても一時的で押し目買い機会と考えます。
(1)タカ派発言→米国債利回り上昇→ドル円上昇
(2)タカ派発言→リスクオフ株下落→ドル円下落
(3)ハト派発言→米国債利回り低下→ドル円下落
(4)ハト派発言→リスクオン株上昇→ドル円上昇
④欧州政情不安リスクオフ影響
6/10から欧州政情不安リスクオフが続いていますが、影響は欧州マーケットに強く表れており、東京マーケット、NYオープン後や欧州クローズ後はリスクオフ後退しています。
また、6/16(日)仏極右政党・国民連合(RN)を率いるルペン氏が、マクロン大統領と協力する意向を示して以来リスクオフ後退していますが、新たなヘッドラインで動きが変わりやすいため引き続き注意したい。
(1)欧州政情不安ヘッドラインあり→リスクオフ株下落→ドル円下落
(2)欧州政情不安ヘッドラインなし→リスクオン株上昇→ドル円上昇
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:56~要人発言
神田財務官
(過去の発言:5/2, 5/7, 5/9, 5/24, 6/20, 6/21, 6/24)
:前回6/20円安牽制発言。
為替巡り「適切に対応」「24時間準備」、財務相らが相次ぎけん制(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。一瞬下押しから上昇継続。
8:50 経済指標
日銀、金融政策決定会合における主な意見(6月13・14日分)(日本銀行)
次回会合へデータを注視、適時に金利引き上げが必要-日銀意見(Bloomberg)
【考察】タカ>ハト派内容。追加利上げに前向きなタカ派影響強くドル円上昇から下落転換。
東京マーケット(9:00~15:00)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行オペレーション)
(発表日:5/7, 5/13, 5/17, 5/23, 5/31, 6/7, 6/12, 6/18, 6/24, 6/28)
1~3年債:前回3750億円、結果3750億円(○)
3~5年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
5~10年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
【考察】
発表前:日銀金融政策決定会合における主な意見の追加利上げ示唆の強いタカ派内容を受けてドル円下落。
発表後:据え置き。日銀主な意見のタカ派内容と交錯しドル円揉み合い。
10:39~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:6/4, 6/7, 6/18, 6/21, 6/24)
:前回6/21円安牽制発言
過度な変動には必要に応じて適切に対応=為替で鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円小幅下落から揉み合い。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:00~要人発言
米国ウォラーFRB理事(Fed News & Events, Calendar)
(過去の発言:1/16, 2/14, 2/15, 2/23, 3/1, 6/24)
:政策スタンスは中立。前回3/1金利見通しへのコメントなし。
【考察】金融政策や経済についてコメントなし。
21:32~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(発言:5/3, 5/10, 5/15, 5/30, 6/14, 6/18, 6/20, 6/24)
:政策スタンスは中立。前回6/20早期利下げ示唆のハト派発言。
シカゴ連銀総裁、過度な引き締めには注意が必要-インフレ鈍化を歓迎(Bloomberg)
【考察】緩和示唆のハト派発言。ドル円下落。
27:01~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:3/1, 3/6, 4/2, 4/12, 4/16, 5/9, 5/20, 6/24)
:政策スタンスは中立。前回5/20タカ派発言
米SF連銀総裁、労働市場のリスクを警告-変曲点に近づいている(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。ドル円乱高下。
28:30 経済指標
IMM通貨先物6/18時点(ポジション推移)
円ショート拡大
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値159.82
神田財務官の円安牽制あるも一瞬下落から全戻し。日銀金融政策決定会合における主な意見はハト・タカ派内容混在。
初動上昇で東京始値159.90から日足・東京高値159.93を付けたものの、160円台目前で日銀主な意見の追加利上げ示唆の強いタカ派内容が嫌気され、加えて月末・四半期末最終週の需給要因ポジション調整と推測されるドル売り発生しドル円下落。
日銀国債買入オペ通知は据え置きでしたが、タカ派内容の影響継続かつ鈴木財務相の円安牽制発言を受けて東京安値159.62を付けました。
その後、リスクオン日本株上昇が支えとなり揉み合いで引けました。
東京終値159.72。
【日本市況】長期金利の上昇続く、当局けん制でも円下落-日銀を警戒(Bloomberg)
欧米マーケット:
政府・日銀為替介入警戒感から160円台目前で足踏みするなか、月末・四半期末最終週ポジション調整と推測される欧州通貨(ユーロ・ポンド)買い・ドル売りが強まり、一時159.59から日足安値158.74(4H足押し安値158.83)へ急落。
しかし、リスクオン欧州株上昇への連動や安値でドルを拾いたい押し目買いも強く159.57へ全戻し。
その後、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言で再び下落しましたが、NYオープンからリスクオン米株乱高下、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ・ハト派に連れてドル円も変動し、160円台目前に方向感なく引けました。
心理的節目160円台、月末・四半期末最終週ポジション調整が重なったことで、今週は強い乱高下が頻発する可能性がありそう。
日足終値159.62
円は160円の節目意識、月末要因で一段安も-一時急反発も上げ縮小(Bloomberg)
【米国市況】ハイテク株に売り、エヌビディア続落-円は159円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言
・原油先物価格上昇
売り材料:
・月末かつ四半期末最終週の需給要因ポジション調整と推測されるドル売り
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のハト派発言
<円売り優勢>
買い材料:
・神田財務官、鈴木財務相の円安牽制発言
・日銀、金融政策決定会合における主な意見のタカ派内容
売り材料:
・日銀国債買入オペ通知:据え置き
・リスクオン株上昇
・原油先物価格上昇
・恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回7月31日公表:据え置き89.7%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ61.1%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当
テクニカル分析
Trade
- 月足:6月陽線形成中。上昇トレンド。
- 週足:6/17週、陽線確定。上昇トレンド。
- 日足:6/21陽線。上昇トレンド。
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:上昇トレンド。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値159.449付近へ下落→転換上昇→目標4H足ダウ高値159.822
(B) (A)後、4H足ダウ高値159.822をダウ上昇→目標日足ヒゲ先160.233
(C)4H足ダウ高値159.104付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値159.449
②Short
(D) (A)後、1H足押し安値159.449かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足ダウ高値159.104
6月通算:16勝6敗、勝率72.7%、+301.7pips
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