2024年6月21日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>

(1)経済指標
・日本消費者物価指数
・米国PMI速報値
・米国景気先行指数
・米国中古住宅販売件数

(2)要人発言
・政府、日銀円安牽制発言
・FRB要人発言

(3)その他
・経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」閣議決定予定:レパトリ減税案(海外子会社などから得た「対外直接投資収益」約20兆円)の可能性
・欧州政情不安リスクオフ
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)

本日の注目材料は4点。

①日銀早期金融政策正常化観測、政府・日銀為替介入観測
6営業日連続日足陽線が続き159円台目前まで値を伸ばしました。6/20米国財務省が為替監視リストに日本を追加したことで、政府・日銀為替介入警戒が後退しました。
一方、再び160円台の節目に近づけば、政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まり、強い円安牽制発言が続くことが想定されます。
従って、積極的な上値追いよりも押し目買い狙いが適切と考えます。

②米国経済指標
注目度の高い材料が続きます。
基本は(1)か(3)ですが、米国株が大きく動けば(2)と(4)も生じやすい。
但し、(2)や(3)でドル円下落が生じても一時的で押し目買い機会と考えます。

(1)強い数値→米国債利回り上昇→ドル円上昇
(2)強い数値→リスクオフ株下落→ドル円下落
(3)弱い数値→米国債利回り低下→ドル円下落
(4)弱い数値→リスクオン株上昇→ドル円上昇

③FRB要人発言
6/12FOMC公表・パウエルFRB議長会見はタカ派以降、複数のFRB要人からタカ派発言が相次いでいることから、基本は(1)を想定します。
一方、(2)や(3)でドル円下落が生じても一時的で押し目買い機会と考えます。

(1)タカ派発言→米国債利回り上昇→ドル円上昇
(2)タカ派発言→リスクオフ株下落→ドル円下落
(3)ハト派発言→米国債利回り低下→ドル円下落
(4)ハト派発言→リスクオン株上昇→ドル円上昇

④欧州政情不安リスクオフ影響
6/10から欧州政情不安リスクオフが続いていますが、影響は欧州マーケットに強く表れており、東京マーケット、NYオープン後や欧州クローズ後はリスクオフ後退しています。
また、6/16(日)仏極右政党・国民連合(RN)を率いるルペン氏が、マクロン大統領と協力する意向を示したことからリスクオフ後退していますが、新たなヘッドラインで動きが変わりやすいため引き続き注意したい。

(1)欧州政情不安ヘッドライン→リスクオフ株下落→ドル円下落
(2)欧州政情不安後退ヘッドライン→リスクオン株上昇→ドル円上昇

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

6:35~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:3/14/44/104/114/164/195/65/10, 5/16, 6/18, 6/21)
:政策スタンスはタカ派。前回6/18タカ派発言。
リッチモンド連銀総裁、利下げ前にインフレ鈍化の道筋明確化必要(Bloomberg

【考察】利下げ慎重姿勢のタカ派発言。サプライズなく取引開始直後でありドル円反応薄。

8:19~要人発言
神田財務官
(過去の発言:4/114/154/174/184/294/30, 5/25/75/95/24, 6/20, 6/21)
:前回6/20円安牽制発言。
神田財務官、今後も過度な変動あれば「適切に対応」=米為替報告書受け(Reuters

【考察】6/20米国財務省が為替監視リストに日本追加を受けても、為替介入正当化を強調した円安牽制発言。日通し安値158.82へ下落。

8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口
(過去の発表日; 1/192/273/22, 4/19, 5/24, 6/21)
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.0-0.1%
前年比:前回2.5%、予想2.9%、結果2.8%(△)
コア前年比:前回2.2%、予想2.6%、結果2.5%(△)
コアコア前年比:前回2.4%、予想2.2%、結果2.1%(△)

【考察】全て予想より弱い数値。日銀早期政策修正観測後退。神田財務官の円安牽制発言を受けた下落を全戻し。日銀買いオペ据え置き等と同じくドル円上昇が懸念されるイベント前に円安牽制発言が多い(事実上、押し目買い合図)。

東京マーケット(9:00~15:00)

10:01~要人発言
林官房長官
米の為替監視再指定「問題視意味せず」 林官房長官(日本経済新聞

【考察】神田財務官と同じく為替介入正当化を強調した円安牽制発言。159円台乗せのタイミングと重なり警戒感からドル円下落。

10:11~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:5/35/85/95/105/145/215/245/285/316/46/7, 6/18, 6/21)
:前回6/18新規国債発行抑制発言
機械的評価の結果、米が日本の為替政策問題視していること意味しない=為替報告書で財務相(Reuters

【考察】神田財務官、林官房長官と同じく為替介入正当化を強調した円安牽制発言。ドル円下落継続。

15:32~要人発言
植田日銀総裁(内田副総裁代読)
(発言:5/75/85/95/175/235/255/276/46/66/146/17, 6/18, 6/21)
:前回6/18タカ派発言
7月会合での追加利上げ、「場合によっては十分あり得る」-日銀総裁(Bloomberg

【考察】6/14日銀会合公表後の会見と同じく、円安牽制発言と7月会合での追加利上げ示唆のタカ派発言。ドル円下落。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

17:00 要人発言
首相官邸(骨太方針2024
政府、骨太の方針を決定 所得や生産性向上に力点(日本経済新聞
歳出改革、骨太明記も一貫性欠く 家計支援で財政に重荷(日本経済新聞

【考察】恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等)への対応策として事前報道のあったリパトリ減税案など導入なし。反対に家計支援で財政支出増。

22:45 経済指標
米国PMI速報値
(速報値発表日:5/236/237/248/239/2210/2411/2412/151/242/223/214/23, 5/23, 6/21)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回51.3、予想51.0、結果51.7(◎)
サービス業:前回54.8、予想53.4、結果55.1(◎)
総合:前回54.5、予想54.4、結果54.6(◎)

【考察】全て前回かつ予想より強い数値。ドル円上昇。

23:00 経済指標
米国景気先行指数
前月比:前回-0.6%(改定)、予想-0.3%、結果-0.5%(△)

23:00 経済指標
米国中古住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として米国新築住宅販売件数とともに重要。
件数:前回414万件(改定)、予想408万件、結果411万件(○)
前月比:前回-1.9%(改定-)、予想-1.0%、結果-0.7%(○)

【考察】米国景気先行指数(弱)、米国中古住宅販売件数(強)が混在。前日同様弱い数値の影響小さくドル円急上昇継続。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値158.93
神田財務官の円安牽制発言を受けて日通し安値158.82を付けたものの、直後の日本消費者物価指数(弱)を受けると、週末仲値に向けたドル買い需要が重なり、東京始値158.94、東京高値159.13へ急反発しました。日銀買いオペ据え置き等と同じくドル円上昇が懸念されるイベント前に円安牽制発言が多い様子(事実上、押し目買い合図)。

仲値通過後に東京高値159.13と159円台乗せのタイミングで、林官房長官と鈴木財務相から為替介入正当化を強調した円安牽制発言。更に、米国債利回り低下、リスクオフ日本株下落に連れて、日通し・東京安値158.82へ下落する展開で引けました。
東京終値158.95

【日本市況】円一時159円台に下落、米金利上昇で-債券安い(Bloomberg

欧米マーケット:
東京クローズ直後の植田日銀総裁(内田副総裁代読)のタカ派発言、リスクオフ欧州株下落を受けて、欧州オープン直後に日足安値158.67(1H足押し安値158.710付近)へ急落。

しかしながら、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」2024に、恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等)対応策として事前報道のあったリパトリ減税案など導入なし。反対に家計支援で財政支出増が判明したことをきっかけにドル円上昇へ転換。

加えて、政府・日銀円安牽制やタカ派発言の影響が薄れる欧州マーケットでは、リスクオフ「ドル買い>円買い」が優勢となり、再び159円台乗せ。

米国PMI速報値は全て(強)、更に米国景気先行指数(弱)と米国中古住宅販売件数(強)が混在するも、前日同様弱い数値の影響小さく日足高値159.85へ急騰。
6/19(水)から3営業日連続で、欧州・NYマーケットに掛けてドル円急上昇しました。
日足終値159.82

【米国市況】円売られ159円80銭台-S&P続落、エヌビディア安い(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言
・米国PMI速報値、米国中古住宅販売件数(強)

売り材料:
・米国景気先行指数(弱)

<円売り優勢>
買い材料:
・神田財務官、林官房長官、鈴木財務相の円安牽制発言かつ為替介入正当化発言
・植田日銀総裁のタカ派発言
・6/20米国債利回り上昇→日本輸入物価上昇懸念から日銀早期政策修正観測→日本国債利回り上昇
・リスクオフ日本株下落

売り材料:
・6/206/20米国財務省が為替監視リストに日本追加→為替介入牽制
・日本消費者物価指数(弱)
・骨太方針2024:恒常的円売りへの対応策なし。かつ家計支援で財政支出増加
・恒常的円売り(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回7月31日公表:据え置き89.7%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ59.5%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:6月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:6/17週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:6/20陽線。上昇トレンド
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値158.710付近へ下落→転換上昇→目標日足高値158.942
(B) (A)後、日足高値158.942をダウ上昇→目標1H足戻り高値159.387
(C)1H足押し安値158.414付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値158.710

②Short
(D) (A)後、1H足押し安値158.710かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値158.414

6月通算:15勝6敗、勝率71.4%、+284.7pips

(Trading View)

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