ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)6/29の欧米マーケット影響
米国新規失業保険申請件数とGDP改定値が強くドル円急騰。米国中古住宅販売成約指数は弱い数値で下落したものの、FRB政策転換に結びつく数値ではなく全戻し上昇。NY引けに掛けて145.00手前で揉み合い。
【米国市況】米国債利回り急伸、強い指標で-円は年初来安値また更新(Bloomberg)
(2)経済指標
・東京消費者物価指数
・米国個人所得、個人支出
・米国PCEデフレータ
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
(3)要人発言
・政府日銀要人の円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・TOM(Turn of the Month)効果(アノマリー)
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。
・月末、週末、四半期末仲値
・月末ロンフィク
来週のドル・円はじり高か、金融政策の違いに焦点当てた円売りが継続(Bloomberg)
日本当局の為替介入に警戒、1ドル=150円も視野で-ティー・ロウ(Bloomberg)
6/30も注目度の高い経済指標が続く(特に米国PCEデフレータ)。最近、指標結果に素直にドル円は反応する傾向あり。
但し、本日は月末、週末、四半期が重なることからポジション調整の乱高下に注意が必要か。
また、145円直前まで上昇が継続していることから、政府・日銀の強い口先介入にも要警戒。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本雇用統計5月度
完全失業率:前回2.6%、予想2.6%、結果2.6%(○)
有効求人倍率:前回1.32倍、予想1.32倍、結果1.31倍(◎)
8:30 経済指標
東京消費者物価指数6月度
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっている。
前年比:前回3.2%(改定3.1)、予想3.4%、結果3.1%(△)
コア前年比:前回3.2%(改定)、予想3.4%、結果3.2%(△)
コアコアCPI前年比:前回3.9%(改定)、予想4.0%、結果3.8%(×)
6月の東京消費者物価3.2%上昇、市場予想下回る(Bloomberg)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 週末・月末・四半期末仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
11:05~要人発言
鈴木財務相「行き過ぎた動きには適切に対応」、一時145円台で(Bloomberg)
【考察】145円突破後、円安牽制発言。予め、このタイミングで牽制を予定していた様子。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:18~要人発言
松野官房長官
「為替、行き過ぎた動きには適切に対応する」
【考察】円安牽制発言だが効果なし。
21:30 経済指標
米国個人所得5月度:前回0.4%(改定0.3)、予想0.3%、結果0.4%(◎)
米国個人支出5月度:前回0.8%(改定0.6)、予想0.3%、結果0.4%(×)
21:30 経済指標
米国PCEデフレータ5月度(過去の発表日:8/26, 9/30, 10/28, 12/1, 12/23, 1/27, 2/24, 3/31, 4/28, 5/26, 6/30)
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート上昇する可能性→ドル買いドル円上昇」
前年比:前回4.4%(改定4.3)、予想3.8%、結果3.8%(○)
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.2%、結果0.1%(×)
コア前年比:前回4.7%(改定)、予想4.7%、結果4.6%(×)
コア前月比:前回0.4%(改定)、予想0.5%、結果0.3%(×)
米PCE価格指数の伸び鈍化、実質消費は横ばい-景気失速を示唆(Bloomberg)
【考察】総じて弱い数値でドル円下落
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数6月度
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回40.4(改定)、予想44.1、結果41.5(△)
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値6月度(過去の速報値発表日;9/16, 10/14, 11/11, 12/9, 1/13, 2/10, 3/17, 4/14, 5/12, 6/16)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回63.9、予想63.9、結果64.4(◎)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.3%、予想3.3%、結果3.3%(○)
5年先:前回3.0%、予想3.0%、結果3.0%(○)
米消費者、予想上回るセンチメント改善続く-ミシガン大学統計(Bloomberg)
24:00 月末ロンドンフィックス
月末・期末・年末はリバランス(大口投資家のポートフォリオ調整)で為替取引が活発になり急変動しやすい。
25:36~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
シカゴ連銀総裁、7月利上げの是非判断するにはさらなるデータ必要(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派発言交錯だがドル円下落。
28:30 経済指標
IMM通貨先物6/27時点(ポジション推移)
円ショート大幅拡大
<まとめ>
東京マーケット:
145円突破し口先介入警戒感高い中、直後の円安牽制発言で揉み合いながらも144.60付近まで下落。
きょうの国内市況(6月30日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後の144.60付近で再び円安牽制発言あるも効果なく上昇。しかし、145円に近づくにつれて乱高下。
注目の米国PCEデフレータは弱い数値でドル円下落。米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測は強い数値だったが、月末・四半期末のポジション調整もあってか激しく乱高下。
揉み合いながら下落し、144.35で引け。
【米国市況】ナスダック100、AIブームで上期に歴史的上昇-円反発(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
6/30(金)は6/29(木)に対してブル(短期金利同等、長期金利低下)、逆イールド拡大のドル売り材料。(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
7月度:据え置き15.7%。25bps引き上げ84.3%。
テクニカル分析
トレード
- 月足:6月陰線形成中。
- 週足:6/26週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:6/29陽線。上昇トレンド。
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:上昇チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート144.600や20MA付近まで下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス144.840
(B)1H足サポート144.175又はチャネル下限付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス144.600
②ショート
(C)H足サポート144.600かつ20MAをダウ下落→目標1H足サポート144.175
(D)1H足サポート144.175かつ4H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート143.797
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
トレード1
144.600をダウ下落→(C)ショート
ショート:144.589
S/L:144.791
獲得pips:-20.2
考察:1H足チャネル下限とボリンジャーバンド-2σ収縮が重なっており反発を警戒すべきであった。
トレード2
米国PCEデフレータの弱い数値で144.600をダウなし下落→(C)ショート→目標未達だがNY引け間際のにつきTP
ショート:144.530
T/P:144.241
獲得pips:+28.9
6月通算:10勝9敗、勝率52.6%、平均RR 1.99、獲得Pips +102.6
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