2023年12月21日(木)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)12/20の欧米マーケット影響
米国中古住宅販売件数・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数の強い数値でドル円上昇するも、NYマーケット後半は紅海の商船攻撃による地政学リスクオフが世界的な景気後退に波及する懸念や、ポジション調整と推測される株先物・株価指数急落、米国債利回り急落、原油価格下落でドル円下落。
日足終値143.56。

(2)経済指標
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国実質GDP確報値
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国景気先行指数

(3)要人発言
・FRB要人

(4)その他

本日の注目材料は、前日NYマーケット後半から株先物・株価指数急落、米国債利回り急落、原油先物価格下落の影響と米国経済指標。

本日スタートは前日NYマーケットの影響を引き継いでドル円下落優勢と推測します。
また、前日米国経済指標は総じて強い数値に素直に反応してドル円上昇しましたが強いトレンドは生じず、突然のリスクオフに押されて急落。

従って、本日の米国経済指標で強い数値が出ても上昇は一時的で戻り売りに押されやすく、弱い数値が出れば大き目の下落になりやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:57 要人発言
内閣府(政府経済見通し
24年度に所得が物価上回る見通し、減税で脱デフレ視野-政府試算(Bloomberg

【考察】日銀大規模金融緩和修正材料→ドル円下落

14:47~要人発言
神田財務官
(過去の発言:7/47/219/69/2010/410/1610/19, 11/1, 12/21)
円安進んだが、米FRBの利下げ期待などで今はドル安基調=神田財務官(Reuters

【考察】投機牽制、円魅力低下発言。143円前後で強い円安牽制なく安心感からかドル円上昇。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回20.2万件(改定20.3)、予想21.4万件、結果20.5万件(○)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回187.6万件(改定186.6)、予想187.9万件、結果186.5万件(◎)

22:30 経済指標
米国実質GDP確報値(過去の発表日:12/221/262/233/304/275/256/297/278/309/2810/26, 11/29, 12/21)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP:前回5.2%、予想5.2%、結果4.9%(×)
個人消費:前回3.6%、予想3.6%、結果3.1%(×)
GDPデフレータ:前回3.6%、予想3.6%、結果3.3%(×)
PCEコアデフレータ:前回2.3%、予想2.3%、結果2.0%(×)

22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目される。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-5.9(改定)、予想-3.0、結果-10.5(×)

【考察】米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数が強い数値で発表直後は上振れましたが、米国実質GDP確報値と米国フィラデルフィア連銀景況指数がサプライズの弱い数値。
「FRB利下げ期待高進→米国債利回り低下→ドル売り」主導でドル円急落。「米国債利回り低下好感→株先物・株価指数上昇ですがリスクオン円売りならず円買い」。

24:00 経済指標
米国景気先行指数
前月比:前回-0.8%(改定-1.0)、予想-0.3%、結果-0.5%(△)

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値143.56。
前日NYマーケットの影響を引き継ぎ東京安値142.81を付けました。
「クリスマス休暇前のポジション調整→株先物・株価指数急落→リスクオフ円買い」、「内閣府の24年度の所得・物価見通し→日銀大規模金融緩和修正観測→日本国債利回り上昇→円買い」主導の動き。だが「米国債利回り上昇→ドル売り連動なし」。

東京クローズ直前、神田財務官から「投機牽制、円魅力低下発言→強い円安牽制なく安心感からか円売り」、「米国債利回り上昇→ドル買い」も連動しドル円上昇。切り番143.00かつ日足200MA付近が重なり押し目買いやショート勢の利確が入りやすい位置であったこともドル円上昇に寄与。

きょうの国内市況(12月21日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
東京後半の動きを引き継ぎ、欧州オープン後に143.401へ上昇。しかし、「FRB利下げ観測強く米国債利回り低下→ドル売り」発生し、東京安値142.81下抜けて142.64へ急落。143.28付近は4H足20MAかつダウ転換の位置であり戻り売り生じやすい位置でした。
米国実質GDP確報値・米国フィラデルフィア連銀景況指数がサプライズの弱い数値で日足安値142.05へ急落。「米国債利回り低下→ドル売り」、「米国債利回り低下好感→株先物・株価指数上昇ですがリスクオン円売りならず円買い」でドル売り主導の急落。
その後、「米国債利回り低下好感→株先物・株価指数上昇リスクオン円売り」の持ち直しでドル円揉み合い。
日足終値142.12。

総じて、株先物・株価指数急落のリスクオフ円買い、米国経済指標の弱い数値でドル円下落。株先物・株価指数上昇リスクオン円売りで持ち直して揉み合い。
12/19日銀会合公表後のドル円上昇を全戻し下落。

【米国市況】株はインフレ指標控えて反発、利回り上昇-142円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

12/21(木)は12/20(水)に対しツイスト(短期金利低下、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル売り・買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMC見通し(CME FedWatch Tool):FRB政策金利525~550bps
2024年1月31日公表:25bps引き下げ14.5%、据え置き85.5%、25bps引き上げ0.0%
初回利下げ観測:2024年3月20日公表、25bp引き下げ71.3%
24年利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み

2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と12/21織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.87%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.35%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.06%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.89%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps

テクニカル分析

トレード

  • 月足:12月陰線形成中。押し安値下抜けから20MAへの調整波発生中。
  • 週足:12/18週、陽線形成中。押し安値140.91付近へ急落から上昇想定。
  • 日足:12/20コマ足陰線。下降トレンドラインかつBB-1σ付近で揉み合い。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足サポート142.541付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス143.107

②ショート
(B)1H足サポート143.341かつ4H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート142.541

12月通算:10勝4敗、勝率71.4%、獲得Pips +195.8

(Trading View)

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