2023年11月1日(水)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)10/31の欧米マーケット影響
東京クローズ後の植田日銀総裁会見もハト派発言であり、欧州オープン前もドル円上昇。また、財務省発表の10月介入額ゼロによって、10/3ドル円急落について噂のあった為替介入が否定されたことで安心感からドル円上昇継続。米国経済指標も総じて強く日足高値かつ日足終値151.72を付けた。

(2)経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国PMI製造業確報値
・米国建設支出
・米国JOLTS求人件数
・米国ISM製造業景気指数
・米国四半期定例入札発表
・米国FRB政策金利

(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FOMC声明
・パウエルFRB議長会見

(4)その他
・中東情勢の地政学リスクオフ
・TOM効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。
・米国主要企業決算
・【債券週間展望】長期金利低下か、日銀会合後のあく抜け期待し買い(Bloomberg
・来週のドル・円は底堅い、中銀イベントや米雇用統計次第で151円台も(Bloomberg

本日最大の注目材料はFOMC公表・パウエルFRB議長会見。
11月FOMCでは政策金利5.25-5.50%据え置きが市場コンセンサス。よって、サプライズ利上げや強いタカ派発言が出れば、前日の日銀会合ハト派姿勢による金融政策差でドル円急騰の可能性大。予想通りでも日米金融政策差は大きくドル円上昇しやすいと推測。

また、米国財務省が予定している四半期定例入札発表では「国債発行増見込み→米国債利回り上昇→ドル買い」の可能性が高く、更にドル円押上げ材料となる。

一方、前日ドル円急騰したことで、政府・日銀の為替介入の可能性が高まっており要警戒。

<材料とドル・円方向性>
①「中東情勢悪化→安全資産の米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」
②-1「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→米国債利回り上昇→ドル買い」
②-2「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→日本貿易収支悪化懸念→円売り」
③-1「中東情勢悪化→地政学リスクオフ円買い」
③-2「中東情勢悪化→景気悪化懸念→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」
④「中東情勢悪化→有事のゴールド買い→ドル売り」
⑤「政府日銀の円安牽制警戒、日銀政策修正観測→ドル売り・円買い」
⑥-1「米国経済指標の強い数値→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑥-2「米国経済指標の弱い数値→米国債利回り低下→ドル売り」
⑦-1「FRB要人のタカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑦-2「FRB要人のハト派発言→米国債利回り低下→ドル買い」
⑧-1「米国財政赤字拡大→米国債供給量増加→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑧-2「米国財政赤字拡大→米国経済悪化懸念→ドル売り」
⑨-1「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国債価格上昇→米国債利回り低下→ドル売り」
⑨-2「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国外投資家のドル需要増→ドル買い」

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:04~要人発言
神田財務官
(過去の発言:7/47/219/69/2010/410/16, 10/19, 11/1)
為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」ー財務官(Bloomberg

【考察】為替介入を示唆する強い円安牽制発言→ドル円下落

東京マーケット(9:00~15:00)

11:10~要人発言
松野官房長官
(過去の発言:6/156/266/308/39/69/219/2210/2, 10/4, 11/1)

【考察】円安牽制発言→ドル円下落

11:58~要人発言
神田財務官
為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」ー財務官(Bloomberg

【考察】強い円安牽制発言→ドル円下落継続。

13:00 要人発言
日銀が臨時の国債買い入れオペを通知、長期金利が上限めど1%に接近(Bloomberg

【考察】金融緩和→日本国債利回り低下→円売り→ドル円上昇。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:15 経済指標
米国ADP雇用者数(過去の発表日:11/211/301/52/13/84/55/36/17/68/28/30, 10/4, 11/1)
2日後に発表される米国雇用統計との差異も注目される。
前月比:前回8.9万人(改定)、予想15.1万人、結果11.3万人(△)

21:30 経済指標
米四半期定例入札、ウォール街は1140億ドルへの増発予想-1日発表(Bloomberg
米財務省、四半期入札の規模拡大ペースを鈍化-市場予想下回る(Bloomberg
前回1030億ドル、予想1140億ドル、結果1120億ドル(△)

【考察】米国債発行増が米国債利回り上昇の一因となっていたが、今回発表では長期債は予想より少なく、短中期債が予想より増。初動、「米国長期債利回り低下→ドル売り」でドル円下落。

22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:10/2411/2312/161/242/213/244/215/236/237/248/239/22, 10/24
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回50.0、予想50.0、結果50.0(○)

23:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.5%(改定1.0)、予想0.4%、結果0.4%(○)

23:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 1/42/13/84/45/25/317/68/18/29, 10/3, 11/1)
(Bureau of Labor Statistics)
前回961.0万件(改定949.7)、予想926.0万件、結果955.3万件(◎)

23:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日; 11/112/11/42/13/14/35/16/17/38/19/1, 10/2, 11/1)
基準50、前回49.0、予想49.0、結果46.7(×)

【考察】同刻発表指標が強弱入り交じる数値だが、サプライズのISM製造業景気指数の弱い数値が材料視されドル円下落。

27:00 経済指標
米国FRB政策金利(過去の発表日; 11/212/142/13/225/36/147/26, 9/20, 11/1)
(Federal Open Market Committee)
前回5.25-5.50%、予想5.25-5.50%、結果5.25-5.50%(○)

【考察】2会合連続、市場コンセンサス通りの金利据え置き

27:00 要人発言
FOMC声明:金融・与信の引き締まり、経済や物価に影響する可能性(Bloomberg

【考察】景気拡大の定義が「solid(堅調)」から「strong(強い)」へ、雇用増加の「slowing(減速)」から「moderating(穏やかな)」変更。金融情勢(長期金利)重視を追加。総じてタカ派内容。初動ドル円下落から全戻し上昇。

27:31~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:7/268/259/2010/2, 10/19, 11/1)
FOMC、政策金利22年ぶり高水準で据え置き-利回り上昇を懸念(Bloomberg

【考察】総じてタカ派発言だったが、市場は利上げ据え置きとの整合性なく、12月FOMC追加利上げも断言しないことをハト派発言と捉えてリスクオンとなり利下げへの織り込みでドル円下落。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.71。
政府・日銀の円安牽制発言で東京安値151.14を付け、介入警戒感やFOMCを控えて方向感なし。

きょうの国内市況(11月1日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も、政府・日銀介入警戒やFOMCを控えて方向感なかったが、米国四半期定例入札と米国ISM製造業景気指数が弱い数値数値で150.82へ下落。その後、FOMC控えて揉み合い。
FOMC公表は予想通りのサプライズなしだが総じてタカ派。初動150.89へ下落から151.17へ全戻し上昇。パウエルFRB議長会見は総じてタカ派発言だったが、市場は利上げ据え置きとの整合性なく、12月FOMC追加利上げも断言しないことをハト派発言と捉えてリスクオンとなり利下げへの織り込みでドル円下落。リスクオンとなり利下げへの織り込みでドル円下落し、引け直前に日足安値150.66を付けた。
日足終値150.96。

【米国市況】株続伸、FOMC受け市場に安心感-国債利回り低下(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

11/1(水)は10/31(火)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド縮小。ドル売り・買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き80.2%、25bps引き上げ19.8%

テクニカル分析

トレード

  • 月足:10月陽線。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。ボリンジャーバンド(BB)スクーズ。
  • 週足:10/30週、陽線形成中。上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 日足:10/31大陽線。BBエクスパンション。
  • 4H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 1H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 15M足:上昇。BBエクスパンション。

【シナリオ】

①ロング
(A)15M足レジスタンス151.714をダウ上昇→目標日足レジスタン151.946
(B)15M足サポート151.279又は1H足20MA付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス151.510

②ショート
(C)15M足サポート151.279かつ1H足20MAをダウ下落→目標日足サポート150.792又は1H足20MA

11月通算:1勝1敗、勝率50.0%、獲得Pips +11.4

(Trading View)

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