ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)12/21の欧米マーケット影響
株先物・株価指数急落のリスクオフ円買い、米国経済指標の弱い数値でドル円下落。株先物・株価指数上昇リスクオン円売りで持ち直して揉み合い。
12/19日銀会合公表後のドル円上昇を全戻し下落。
(2)経済指標
・日本消費者物価指数
・日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(10月30・31日分)
・米国耐久財受注速報値
・米国個人所得、個人支出
・米国PCEデフレータ
・米国新築住宅販売件数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
(3)要人発言
・FRB要人
(4)その他
・米国債券市場が短縮取引(クリスマス前)
・IMM通貨先物ポジション
本日も注目度の高い米国経済指標(特にPCEデフレータ)が続きます。今週の傾向として指標の結果に対して素直にドル円は反応しやすい。
しかしながら、本日は欧米クリスマス休暇直前。指標発表後は閑散相場で小幅値動き、もしくは閑散を狙った投機筋による不規則かつ急激な変動が生じる可能性があると推測します。
<参考>
2022年12月23日(金)クリスマス休暇前のドル円動き
注目度の高い米国経済指標でドル円動きは生じましたが、直ぐに利確して撤退したためか下落転じ引けに掛けて小幅推移。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口)
日銀物価目標2.0%。参考:日銀政策金利-0.1%
前年比:前回3.3%、予想2.8%、結果2.8%(○)
コア前年比:前回2.9%、予想2.5%、結果2.5%(○)
コアコア前年比:前回4.0%、予想3.8%、結果3.8%(○)
<参考>
実質金利=政策金利-総合消費者物価指数11月度前年比
日本:-0.1-2.8=-2.9%
米国: 5.5-3.1=2.4%
全国消費者物価は2.5%上昇に伸び縮小、予想と一致-11月(Bloomberg)
【考察】予想より強い数値でドル円下落するも鈍化傾向が続いており影響小。
8:50 経済指標
政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(10月30・31日分)
物価目標実現の確度高まる、少しずつ緩和調整をと1委員-10月日銀会合(Bloomberg)
【考察】タカ派発言も含まれ日銀政策修正観測からドル円下落。
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国耐久財受注速報値:設備投資の先行指標
前月比:前回-5.4%(改定-5.1)、予想2.6%、結果5.4%(◎)
コア前月比:前回0.0%(改定-0.3)、予想0.1%、結果0.5%(◎)
22:30 経済指標
米国PCE
個人所得:前回0.2%(改定0.3)、予想0.4%、結果0.4%(○)
個人支出:前回0.2%(改定0.1)、予想0.2%、結果0.2%(○)
22:30 経済指標
米国PCEデフレータ(過去の発表日:12/23, 1/27, 2/24, 3/31, 4/28, 5/26, 6/30, 7/28, 8/31, 9/29, 10/27, 11/30, 12/22)
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート上昇する可能性→ドル買い材料」
前年比:前回3.0%(改定2.9)、予想2.8%、結果2.6%(×)
前月比:前回0.0%(改定)、予想0.0%、結果-0.1%(×)
コア前年比:前回3.5%(改定3.4)、予想3.4%、結果3.2%(×)
コア前月比:前回0.2%(改定0.1)、予想0.2%、結果0.1%(△)
米PCE、コア価格指数が予想下回る伸び-利下げ観測を後押し(Bloomberg)
【考察】
発表前:弱い数値織り込み強くじり下げ
発表後:総じて弱い数値。初動はBuy the factや米国PCE(個人所得・支出)と米国耐久財受注との強い数値で142.47へ上昇するも、注目度の高いPCEコアデフレータが総じて弱い数値で全戻し下落。
24:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回67.9万件(改定67.2)、予想68.8万件、結果59.0万件(×)
前月比:前回-5.6%(改定-4.0)、予想1.3%、結果-12.2%(×)
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(過去の速報値発表日;1/13, 2/10, 3/17, 4/14, 5/12, 6/16, 7/14, 8/11, 9/15, 10/13, 11/10, 12/8)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回69.4、予想69.4、結果69.7(◎)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.1%、予想3.1%、結果3.1%(○)
5年先:前回2.8%、予想2.8%、結果2.9%(◎)
【考察】強弱入り交じる数値。米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測の強い数値でドル円上昇。
29:30 経済指標
IMM通貨先物12/19時点(ポジション推移)
円ショート大幅縮小
【考察】円買い材料
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値142.12。
政策委員会・金融政策決定会合議事要旨のタカ派内容に反応し、東京安値141.86へ下落。
しかし、過去の内容でありトレンドが続く材料にならず、切り番142.00付近からの押し目買いで切り返し東京高値142.56へ到達。「前日米国株先物・株価指数上昇の影響引き継ぎ→リスクオン円売り」、「米国債利回り上昇→ドル買い」が上昇材料。
きょうの国内市況(12月22日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前から再び下落に転じ、切り番142.00割れて141.93。
欧米勢はFRB利下げ見通しを材料視し「米国債利回り低下→強いドル売り」。
米国耐久財受注と個人所得・支出の強い数値で142.47へ上昇するも、注目度の高いPCEコアデフレータが総じて弱い数値で全戻し下落。
米国新築住宅販売件数と米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測も強弱交錯し、強い数値が材料視され日足高値142.67へ急騰。
クリスマス休暇を控えて値動き小ではなく、市場参加者が少ないことで値が飛びやすくなった様子。
引けに掛けてロング勢利確が入り揉み合いながら下落。
日足終値142.45。
【米国市況】S&P500種が8週連続上昇、利下げ観測強まる-142円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
12/22(金)は12/21(木)に対しツイスト(短期金利低下、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル売り・買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMC見通し(CME FedWatch Tool):FRB政策金利525~550bps
2024年1月31日公表:25bps引き下げ16.5%、据え置き83.5%、25bps引き上げ0.0%
初回利下げ観測:2024年3月20日公表、25bp引き下げ74.1%
24年利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み
2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と12/21織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.85%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.33%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.05%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.90%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps
テクニカル分析
トレード
- 月足:12月陰線形成中。押し安値下抜けから20MAへの調整波発生中。
- 週足:12/18週、上ヒゲピンバー陽線形成中。
- 日足:12/21大陰線。下降トレンド。BBスクイーズ。12/22も下落継続の可能性あり。
- 4H足:下降トレンド。BBスクイーズ。
- 1H足:下降トレンド。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足サポート141.409付近へ下落→ダウ転換上昇→目標日足レジスタンス141.881
②ショート
(B)1H足サポート142.164をダウ下落→目標日足サポート141.881
(C)日足サポート141.881をダウ下落→目標4H足サポート141.409
12月通算:11勝4敗、勝率73.3%、獲得Pips +217.8
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