ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/29の欧米マーケット影響
米国PCE、PCEデフレータは総じて強い数値。しかし警戒されていた強い上振れがなかったことの安心感のためか、日足安値151.18へ下落。その後、米国パウエルFRB議長の米国PCEデフレータを受けてのタカ派発言で151.39へ上昇。総じて、欧米イースター休暇前のグッドフライデーによる閑散相場で大きな動きがない展開。日足終値151.34
(2)経済指標
・日銀短観
・米国PMI確報値(製造業)
・米国建設支出
・米国ISM製造業景気指数
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・欧州祝日休場(イースターマンデー)
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は152円試すか、米利下げ観測後退で-介入なら乱高下(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀買い入れ減額や国債入札警戒(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落へ、高値圏で買い控え-政府の為替介入を警戒(Bloomberg)
本日の注目材料は5点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
但し、相場参加者がこのパターンに慣れた頃に今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落が生じる可能性には注意。その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
特に注目は米国ISM製造業景気指数。「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、弱い数値が出てもドル円下落は一時的となり、押し目買いの機会になりやすい。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発になったことに加え、3/22は露モスクワでテロ発生。従って、原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすい。どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
⑤イースターマンデー
日本と米国以外の多くの国で祝日休場であり市場参加者が減少する見込み。閑散相場を狙った投機筋の仕掛けで乱高下、もしくはほとんど動きがない推移に留まる可能性あり。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日銀短観(日本銀行)
大企業製造業・業況判断:前回12、予想11、結果11(○)
日銀短観(大企業製造業・先行き):前回8、予想10、結果10(○)
大企業非製造業・業況判断:前回30、予想32、結果34(◎)
大企業非製造業・先行き:前回24、予想31、結果27(×)
大企業全産業・設備投資:前回13.5%、予想9.5%、結果4.0%(×)
「強い数値→日銀金融緩和修正期待→円買い材料」「弱い数値→日銀金融緩和継続期待→円売り材料」
大企業製造業の景況感4四半期ぶり悪化、自動車生産停止で-日銀短観(Bloomberg)
【考察】強弱混在。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:13~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1)
:前回3/29円安牽制発言
内外経済やインフレ動向踏まえると、投機的な動きみられる=為替で財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:4/21, 5/23, 6/23, 7/24, 8/23, 9/22, 10/24, 11/24, 12/15, 1/24, 2/22, 3/21)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回52.5、予想52.5、結果51.9(×)
23:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回-0.2%(改定)、予想0.7%、結果-0.3%(△)
23:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日; 4/3, 5/1, 6/1, 7/3, 8/1, 9/1, 10/2, 11/1, 12/1, 1/3, 2/1, 3/1, 4/1)
基準50、前回47.8(改定)、予想48.4、結果50.3(◎)
・仕入価格:前回52.5、予想53.3、結果55.8(◎)
・新規受注:前回49.2、予想49.8、結果51.4(◎)
・雇用:前回45.9、予想47.5、結果47.4(△)
【考察】
発表前:中東地政学リスクオフに伴う原油先物価格上昇に連れてドル円上昇。
発表後:総じて強い数値。ドル円上昇継続。イースターマンデーによる市場参加者不足の影響から引けに掛けて揉み合い。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.34
東京安値151.23、東京高値151.43を付けてから鈴木財務相の円安牽制発言で一瞬下押しするも直ぐに押し目買い入り全戻し。日本と米国以外の多くの国で祝日休場であることから市場参加者不足、材料不足で揉み合い。
きょうの国内市況(4月1日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
中東地政学リスクオフに伴う原油先物価格上昇に連れてドル円上昇。
米国ISM製造業景気指数・仕入れ価格の強い数値で日足高値151.78へ上昇後、イースターマンデーによる市場参加者不足の影響から引けに掛けて揉み合い。
日足終値151.65
【米国市況】利下げ観測後退で国債利回り上昇、株下落-一時151円77銭(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:米国ISM製造業景気指数の強い数値、原油先物価格上昇
売り:米国PMI確報値の弱い数値
・円買い優勢
買い:鈴木財務相の円安牽制発言
売り:原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:25bp引き下げ2.3%、据え置き97.7%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ56.8%、据え置き41.9%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線確定。レンジ上限到達
- 週足:3/25週、コマ足陰線確定。レンジ上限到達。
- 日足:3/29コマ足陰線。レンジ。4/1もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ上限151.548かつ1H20MAをダウ上昇→目標4H足レンジ上限151.782
②ショート
(B)4H足レンジ上限151.782付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足レンジ下限151.548
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