ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)7/27の欧米マーケット影響
米国GDPは強弱入り交じる数値だったが、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数や米国耐久財受注速報値、米国中古住宅販売成約指数の強い数値を受けてドル円上昇。
しかし、サプライズ報道で日銀政策修正警戒感からドル円急落。
(2)経済指標
・東京消費者物価指数
・日銀政策金利
・米国雇用コスト指数 第2四半期
・米国個人所得、米国個人支出
・米国PCEデフレータ
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
(3)要人発言
・日銀金融政策決定会合声明
・経済・物価情勢の展望(基本的見解)
・植田日銀総裁
(4)その他
・日銀金融政策決定会合までのリーク報道
・実質五十日仲値(7/30休場につき)
・月末ロンフィク
・米国主要企業決算
・TOM(Turn of the Month)効果(アノマリー)
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。
前日NYマーケット中の日銀YCC修正議論報道でドル円急落したことで織り込みは一服か。
注目は日銀金融政策決定会合公表後の植田日銀総裁会見。ハト派発言でドル円上昇の可能性は高いが、今後の政策修正を示唆する発言があればサプライズのドル円下落となるため注意したい。
債券は大幅安か、日銀YCC修正を警戒-長期金利は上限0.5%超えも(Bloomberg)
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
東京消費者物価指数
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっている。
前年比:前回3.1%(改定)、予想2.9%、結果3.2%(◎)
コア前年比:前回3.2%(改定)、予想2.9%、結果3.0%(○)
コアコアCPI前年比:前回3.8%(改定)、予想3.7%、結果4.0%(◎)
7月の東京消費者物価3.0%上昇、伸び率縮小-市場予想上回る(Bloomberg)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
12:29 経済指標
日銀政策金利(日本銀行)(過去の発表日:1/28, 3/18, 4/28, 6/17, 7/21, 9/22, 10/28, 12/20, 1/18, 3/10, 4/28, 6/16, 7/28)
前回-0.1%、予想-0.1%、結果-0.1%(○)
12:31~要人発言
日銀金融政策決定会合声明
日銀がYCC運用を柔軟化、長期金利の指し値オペ1%に引き上げ(Bloomberg)
【考察】
発表前:前日NYマーケット中のサプライズ報道を受けて政策修正の警戒感もありレンジ推移。
発表後:YCC上限0.5%超え容認の政策修正。政策修正は円買い材料だが報道通りだったことでBuy the factやアルゴリズム取引が反応したのか初動ドル円は乱高下から下落。
12:32 要人発言
経済・物価情勢の展望(基本的見解)
日銀、24年度のコアCPI見通し1.9%上昇-展望リポート(Bloomberg)
15:35~ 要人発言
植田日銀総裁
長期金利1%超えて上昇しないよう連続指し値オペで抑制-日銀総裁(Bloomberg)
YCCの運用柔軟化、「正常化へ歩み出す動きでない」-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】ハト派発言期待の織り込みでドル円上昇する中、会見では政策正常化否定、金融緩和継続のハト派発言でドル円上昇。下落分を全戻し。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国雇用コスト指数 第2四半期
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回1.2%(改定)、予想1.1%、結果1.0%(×)
米雇用コスト指数、2年ぶり水準に伸び鈍化-予想も下回る(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国個人所得:前回0.4%(改定0.5)、予想0.5%、結果0.3%(×)
米国個人支出:前回0.4%(改定0.2)、予想0.3%、結果0.5%(◎)
21:30 経済指標
米国PCEデフレータ(過去の発表日:8/26, 9/30, 10/28, 12/1, 12/23, 1/27, 2/24, 3/31, 4/28, 5/26, 6/30, 7/28)
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート上昇する可能性→ドル買いドル円上昇」
前年比:前回3.8%(改定)、予想3.0%、結果3.0%(○)
前月比:前回0.1%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(△)
コア前年比:前回4.6%(改定)、予想4.2%、結果4.1%(×)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.1%、結果0.2%(○)
米個人消費支出、6 月は前月比0.5%増-PCEコアは前年比4.1%上昇(Bloomberg)
【考察】PCEデフレータは強弱入り交じり。しかし、先週から続く米国経済指標で強い数値なら素直に上昇、弱い数値が出ても下落は一時的の傾向は変わらず、ドル買い優勢。
更に植田日銀総裁ハト派発言の影響で円売り強くドル円上昇。
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(過去の速報値発表日;9/16, 10/14, 11/11, 12/9, 1/13, 2/10, 3/17, 4/14, 5/12, 6/16, 7/14)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回72.6、予想72.6、結果71.6(×)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.3%、予想3.3%、結果3.4%(◎)
5年先:前回3.0%、予想3.0%、結果3.0%(○)
米消費者マインド指数、2021年10月以来の高水準-インフレ鈍化で(Bloomberg)
24:00 月末ロンフィク
28:30 経済指標
IMM通貨先物7/25時点(ポジション推移)
円ショート縮小
<まとめ>
東京マーケット:
日銀金融政策決定会合公表は、前日NYマーケット中のサプライズ報道通り、YCC上限0.5%超え容認の政策修正。政策修正は円買い材料だが報道通りだったことでBuy the factやアルゴリズム取引が反応したのかドル円乱高下。その後下落。
植田日銀総裁会見では総じてハト派発言となり全戻しの上昇。
【日本市況】長期金利が急上昇、日銀YCC柔軟化決定-株安、円上昇(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利に上昇圧力、日銀が事実上の上限引き上げ(Bloomberg)
欧米マーケット:
植田日銀総裁ハト派発言の影響、株先物・株価指数上昇リスクオン円売り強くドル円上昇継続。米国PCEデフレータは強弱入り交じり。しかし、先週から続く米国経済指標で強い数値なら素直に上昇、弱い数値が出ても下落は一時的の傾向は変わらず、ドル買い優勢。
更に植田日銀総裁ハト派発言の影響で円売り強くドル円上昇。
【欧州市況】株は3週連続高、4月以降で最長-ドイツ債は下げ幅縮小(Bloomberg)
【米国市況】株は反発、日銀YCC修正の影響払拭-141円台に逆戻り(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
7/28(金)は7/27(木)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
9月公表:据え置き80.0%、25bps引き上げ20.0%、50bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:7月陰線形成中。レンジ内の上昇トレンド。
- 週足:7/24週、陰線形成中。
- 日足:7/27大陰線。20MAからボリンジャーバンド-1σへ急落
- 4H足:レンジ。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)日足サポート138.695付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス139.482
(B)1H足レジスタンス139.482をダウ上昇→目標4H足レジスタンス139.955
②ショート
(C)日足サポート138.695をダウ下落→目標4H足サポート138.106
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
7月通算:7勝9敗、勝率43.8%、平均RR 2.53、獲得Pips +88.6
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