2023年12月8日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)12/7の欧米マーケット影響
東京マーケット前半の植田日銀総裁の年末・来年チャレンジング発言が「マイナス金利解除観測」に繋がり強烈な円買い主導で約5.5円急落(2022年の政府・日銀為替介入に匹敵)。しかし、何も決定していない思惑だけでの急落。マイナス実質賃金継続中かつ2024年春闘賃上げ率を確認しない今月の日銀会合では現状維持との見方も強く、政策修正の市場コンセンサスは2024年1月か4月。つまり日銀修正織り込み過ぎとの判断から急速に買戻しも入った。
日足終値144.17。

(2)経済指標
・日本毎月勤労統計
・日本GDP速報値
・日本国際収支
・米国雇用統計
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測

(3)要人発言
・植田日銀総裁チャレンジング発言の火消し有無
・過度な変動牽制(為替水準ではなく過度な変動が問題なら円高方向でも牽制なければ筋が通らない)
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間(12/2~12/13)のため、いつもの様に発言や記事に要注意。

(4)その他
・メジャーSQ
・実質五十日仲値(12/10休場につき)
・来週のドル・円は上値重い、雇用統計など米利下げ観測裏付けるかが鍵(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利上昇か、10年債入札に向け金利の反発続く(Bloomberg
・【日本株週間展望】調整か、米景気や為替不透明-日銀イベントは注視(Bloomberg):

本日の注目は、植田日銀総裁チャレンジング発言の火消し有無と米国雇用統計。
仮にマイナス金利解除観測を否定する発言出れば巻き戻しのドル円急騰もあり得る。
今週の米国経済指標は強弱混じる数値が多く、初動とそれ以降の動きが全く異なり乱高下が生じやすい。米国雇用統計の内訳が強弱入り交じるなら乱高下続きやすいが、強弱一致なら素直にドル円は動く見込み。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
日本毎月勤労統計(厚生労働省
現金給与総額:前回1.2%(改定0.6)、予想0.9%、結果1.5%(◎)
実質賃金:前回-2.4%、予想-3.0%、結果-2.3%(◎)
10月の実質賃金2.3%減、5カ月ぶり改善-名目は6月以来の高い伸び(Bloomberg

【考察】19ヶ月連続マイナスの実質賃金→日銀政策修正期待後退

8:50 経済指標
日本GDP速報値
前期比:前回果-0.5%(改定)、予想-0.5%、結果-0.7%(×)
前期比年率:前回-2.1%(改定)、予想-2.1%、結果-2.9%(×)
GDPデフレータ前年比:前回5.1%(改定)、予想5.1%、結果5.3%(◎)

8:50 経済指標
日本国際収支
経常収支:前回27236億円(改定)、予想16400億円、結果25828億円(○)
経常収支(季調済):前回20109億円(改定)、予想16550億円、結果26217億円(◎)
貿易収支:前回3412億円、予想-3700億円、結果-4728億円(×)

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;12/21/62/33/104/75/56/27/78/49/110/6, 11/3, 12/8)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数:前回15.0万人(改定)、予想18.3万人、結果19.9万人(◎)
失業率:前回3.9%(改定)、予想3.9%、結果3.7%(◎)
平均時給
前月比:前回0.2%(改定)、予想0.3%、結果0.4%(◎)
前年比:前回4.1%(改定4.0)、予想4.0%、結果4.0%(○)
11月の米雇用統計、広く力強さ示す-市場の早期利下げ期待くじく(Bloomberg

【考察】
発表前:強い数値を期待したじり上げ。
発表後:総じて強い数値→ドル円上昇し日足高値145.226を付けた。しかし、前日12/7植田日銀総裁の年末・来年チャレンジング発言の影響で145.00付近からの戻り売りも強く乱高下。ドル買い・円買い交錯。強い数値にも関わらず145円台乗せ失敗したことで上値は固いと言えそう。

24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(過去の速報値発表日;12/91/132/103/174/145/126/167/148/119/1510/13, 11/10, 12/8)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。

前回61.3、予想61.5、結果69.4(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回4.5%、予想4.3%、結果3.1%(×)
5年先:前回3.2%、予想3.1%、結果2.8%(×)

【考察】インフレ予測の急低下が材料視されドル円下落。相場の材料は、景気ではないくインフレとなっており、FRB利下げ織り込みが正当化されている。

29:30 経済指標
IMM通貨先物12/5時点(ポジション推移
円ショート縮小

【考察】円買い材料

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値144.17。
前日植田日銀総裁の年末・来年チャレンジング発言による円買いを引き継いで日足安値142.50を付けたが、今月の日銀会合では現状維持との見方も強く買戻しも入り、東京高値144.18を付けた。

きょうの国内市況(12月8日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
米国雇用統計は総じて強い数値で日足高値145.226を付けたが、145.00付近は前日の急落で含み損を抱えていたロング勢の決済も入りやすく乱高下。強い数値にも関わらず145円台乗せ失敗したことで上値は固い。
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は強く、インフレ予測は弱い数値が交錯したが、インフレ予測の急低下が材料視されドル円下落。
しかしながら、米国雇用統計の強さから2024年3月利下げ確率が大きく後退したことで再びドル円上昇するも145.00は引き続き重く引け。
日足終値144.98。

【米国市況】底堅い経済指標で株続伸、国債利回り上昇-145円付近(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

12/8(金)は12/7(木)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド拡大。ドル買い・売り材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMC見通し(CME FedWatch Tool):FRB政策金利525~550bps
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き98.4%、25bps引き上げ1.6%
利下げ観測:2024年3月、25bp引き下げ43.8%。

テクニカル分析

トレード

  • 月足:12月陰線形成中。BB+1σへ下落し一旦上昇優位と推測。
  • 週足:12/4週、陰線形成中。BB-1σかつダウ高値へ急落。
  • 日足:12/7大陰線。下降トレンド。BBエクスパンション。
  • 4H足:下降トレンド。BBエクスパンション。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足レジスタンス144.114かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス144.842

②ショート
(B)4H足レジスタンス144.842又は1H足20MA付近まで上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート144.114
(C) (B)後、1H足サポート144.114をダウ下落→目標1H足サポート143.256
(D)1H足サポート143.256をダウ転換下落→目標4足サポート142.460

12月通算:4勝1敗、勝率80.0%、獲得Pips +86.8

(Trading View)

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